点火の音はするのに、すぐ止まってお湯にならない。
そんな症状で391や392が表示されている場合、疑われるのは炎があるかどうかを確認している部品です。
火はついているのに、機器がそれを認識できていない。
その状態では安全を確保できないため、機器はガスを止めます。
この記事では、この番号にまとめられている2つの部品の違いと、なぜ点火してもすぐ止まるのかを整理します。
391・392・393は炎の検知に関わる番号
パーパスの公式エラー番号一覧では、次のように定義されています。
| 番号 | 内容 |
|---|---|
| 391 | 給湯側のサーモカップル異常/フレームロッド異常 |
| 392 | ふろ側の同様の異常 |
| 393 | 暖房側の同様の異常 |
末尾の数字で部位が分かれる規則は他の番号と同じです。
2桁表示の機種では、391が「39」として表示されます。
公式の処置はいずれも修理の依頼です。
機種によっては「自己診断用フレームロッド異常」「燃焼改善フレームロッド異常」といった名称で記載されていることもあります。
呼び方は違っても、炎の状態を見ている部品という点は共通しています。
サーモカップルとフレームロッドは別の部品
ひとつの番号に2つの名前が並んでいるため紛らわしいのですが、これらは別物です。
| 部品 | 仕組み | 役割 |
|---|---|---|
| サーモカップル | 炎の熱で微弱な電気を発生させる | 熱があるうちだけガスの弁を開いたまま保つ |
| フレームロッド | 炎に電気が流れる性質を利用して電流を検出する | 炎があるかどうかを電気信号で判断する |
サーモカップルは、金属の接合部が熱せられると電気が生じる性質を使った部品です。
炎で温められている間だけ電気が流れ、その電気でガスの弁を開いたままにします。
火が消えれば電気が落ちてガスが自動的に止まる、という仕組みです。
フレームロッドは、炎の中に電極を差し込み、そこを流れるごくわずかな電流を測る部品です。
炎があれば電流が流れ、なければ流れません。
この違いで炎の有無を判断しています。
どちらも「炎があるか」を確認するための部品なので、同じ番号にまとめられています。
どちらが原因かは、機種と点検の結果によって変わります。
なぜ点火してもすぐ止まるのか
391が出るときの典型的な症状は、点火の音はするのにすぐ止まる、というものです。
理由は単純で、機器が「火がついたことを確認できなかった」と判断しているからです。
実際には火がついていても、検知する部品が働かなければ機器には分かりません。
火がついているか分からないままガスを送り続ければ、未燃のガスが機器内にたまるおそれがあります。
そのため、確認が取れない時点でガスを遮断します。
これは故障を知らせているだけでなく、危険を避けるための動作でもあります。
なお、点火そのものができていない場合は111や112、いったんついた火が消えた場合は121や122という別の番号になります。
表示された番号を正確に読み取ってから判断してください。
721・722との違い
炎の検知に関わる番号は、もうひとつあります。
擬似炎検出の721・722です。
| 番号 | 誤りの方向 | 症状 |
|---|---|---|
| 391・392 | 炎があるのに検知できない | 点火してもすぐ止まる |
| 721・722 | 炎がないのに検知してしまう | 運転そのものが始まらない |
391は「見えない」、721は「見えないはずのものが見える」という関係です。
使っている部品は共通していますが、誤りの方向が逆になります。
そのため症状も逆で、391は運転が始まってから止まり、721は運転が始まりません。
劣化が進むと、時期を前後して両方の番号が出ることもあります。
起きやすい条件
炎に直接さらされる部品なので、経年での劣化は避けられません。
加えて、次のような条件があると進行が早まります。
- 燃焼状態が悪い期間が続き、電極にすすが付着している
- 給排気がふさがれた状態で使い続けていた
- 湿気や結露で絶縁が保てなくなっている
- 塩害地域で金属部の腐食が進んでいる
とくにすすの付着は、給排気の不良や不完全燃焼が背景にあることを示唆します。
391と一緒に900番台や101といった番号が出ている場合は、燃焼状態そのものに問題が起きている可能性があります。
パーパスの機器には、排気中のCO濃度を検知して燃焼改善動作を行い、それでも改善しない場合に安全に停止するCOセンサー方式の不完全燃焼防止機能が搭載されています。
排気口の周辺がすすけている、ガスのにおいがする、目や喉に刺激を感じる場合は、使用を中止して換気し、修理を依頼してください。
自分で確認できること
391は機器内部の部品に関わる番号なので、対処できる範囲はほとんどありません。
- 給排気口の周囲に物や積雪、落ち葉がないか確認する
- 運転スイッチを切って入れ直し、再発するか確認する
- 他の番号も出ていないか控える
本体のカバーを外して電極を確認する、すすを落とすといった作業は行わないでください。
高電圧の回路とガスの経路が同じ空間にあり、感電やガス漏れの危険があります。
運転直後は内部が高温になっているため、やけどのおそれもあります。
修理と交換の判断
| 状況 | 現実的な選択 |
|---|---|
| 一度出たが、その後まったく再発しない | 経過を見る |
| 数日から数週間おきに出る | 電極の劣化が進行中。点検を依頼 |
| リセットしても消えない | 修理を依頼する |
| 900番台や101も同時に出ている | 燃焼状態の問題。使用を控えて修理を依頼 |
| 使用年数10年前後で繰り返す | 交換と比較して判断 |
電極や配線の交換で済む場合は、比較的軽い修理で収まることが多い部類です。
一方で燃焼状態の悪化が背景にある場合は、バーナーや熱交換器まで含めた点検が必要になり、費用が上がります。
修理見積もりが本体交換費用の半分を超えるようなら、交換を優先したほうが総額で有利になりやすいという考え方があります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
なお、そもそも点火の音すらしない場合は391ではなく別の番号が主因です。
点火系についてはパーパス 給湯器 エラーコード111とは?ガスが出ないときの原因と判断基準で解説しています。
よくある質問
Q. 点火の音はするのに止まります。ガスは来ているということですか。
A. ガスは届いていると考えられます。点火の音がするということは、点火装置が動作してガスに着火しようとした段階まで進んでいるためです。そこから止まるのは、火がついたことを機器が確認できていない可能性が高い状態です。ガス栓やメーターを確認しても改善しない場合は、炎を検知する部品側の問題として修理を依頼してください。
Q. 391と111はどう違いますか。どちらも点火に関わりますよね。
A. 111は点火そのものができなかった状態、391は点火はしたものの確認が取れなかった状態です。111ではガスの供給を先に確認しますが、391はガスが来ているのに止まるという症状になります。見分ける手がかりは点火の音です。まったく音がしないなら111側、音はするのにすぐ止まるなら391側の可能性が高くなります。
Q. リセットしたら使えるようになりました。修理は必要ですか。
A. 一度きりで再発しないなら経過を見て構いませんが、日付を控えておいてください。炎の検知に関わる部品は経年で必ず劣化するため、リセットで動くのは一時的なことが多くなります。数週間以内に再発するようであれば、点検を依頼する段階です。とくに、リセットするたびに動くという状態は症状が進行している途中の典型的なパターンです。
Q. 391と900が同時に出ています。どちらを先に対処すべきですか。
A. 900は給排気の閉塞を示す番号なので、まず給排気口の周囲を確認してください。給排気がふさがれた状態で使い続けると燃焼が悪化し、電極にすすが付着して391につながります。つまり900が原因で391が出ている可能性があります。障害物を取り除いて両方の番号が消えれば、それが原因でした。改善しない場合は、両方の番号を伝えて修理を依頼してください。
Q. サーモカップルとフレームロッド、どちらが壊れているか分かりますか。
A. 表示された番号からは判別できません。パーパスの一覧では、両方が同じ391という番号にまとめられています。どちらが搭載されているかは機種によって異なり、両方を備えている機種もあります。実際にどちらが原因かは、点検で電気的な測定を行って判断することになります。修理を依頼する際は、番号と症状を伝えれば技術者が確認します。
まとめ
パーパスの391・392・393は、炎があるかどうかを確認する部品の異常です。
サーモカップルとフレームロッドという別々の部品が同じ番号にまとめられており、どちらも炎を見張る役割を持っています。
点火の音はするのにすぐ止まる、という症状が典型的です。
火がついたことを機器が確認できないため、安全のためにガスを遮断しています。
擬似炎検出の721とは誤りの方向が逆で、391は「炎があるのに検知できない」、721は「炎がないのに検知する」という関係です。
900番台や101が同時に出ている場合は、燃焼状態の悪化が背景にある可能性があるため、すすやにおいの有無も確認してください。

