灯油の値段を調べていて、「大阪はいくら?」「福岡は?」「東京は高いと聞くけれど本当?」と、都市ごとの金額が気になったことはないでしょうか。
引っ越しを考えている方や、遠く離れた家族の暮らしぶりを気にかける方、あるいは単純に、自分の地域が高いのか安いのかを知りたい方もいるでしょう。
ここで押さえておきたいのは、公的な統計が示すのは、市ごとではなく、都道府県ごとの数字だということです。
この記事では、2026年10月調査の全国データから、東京都・大阪府・福岡県を取り上げ、18リットルあたりの相場を比べます。
あわせて、都市ごとの違いをどう読めばよいのか、数字を見るときの注意点も整理していきます。
まず前提:公表されるのは「都道府県別」の数字
資源エネルギー庁の石油製品価格調査は、全国平均と都道府県別の価格を、毎週公表しています。
店頭と配達に分かれ、いずれも18リットルあたりの税込の金額です。
📎 出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」
そのため、「大阪市」「福岡市」といった市単位の数字は、この調査では見られません。
この記事で「大阪」「福岡」「東京」と書くときは、それぞれ大阪府、福岡県、東京都の平均を指します。
市ごとの価格は、自治体が独自に調べている場合を除き、公的な統計としては出ていないのが実情です。
東京・大阪・福岡を並べてみる
2026年10月調査の結果を、並べてみましょう。
全国平均は、店頭が2,580円、配達が2,772円でした。
| 地域 | 店頭(18L) | 配達(18L) | 配達と店頭の差 |
|---|---|---|---|
| 全国平均 | 2,580円 | 2,772円 | 192円 |
| 東京都 | 2,620円 | 3,064円 | 444円 |
| 大阪府 | 2,549円 | 2,733円 | 184円 |
| 福岡県 | 2,481円 | 2,729円 | 248円 |
表を見ると、いくつかの特徴が浮かびます。
東京都は、配達が3,064円と全国でいちばん高く、店頭との差も444円と、全国で最大でした。
大阪府は、店頭も配達も、全国平均をわずかに下回っています。
福岡県は、店頭が2,481円で、全国でもっとも安い水準でした。
全国平均との差で見てみる
金額そのものより、全国平均との差で見ると、地域の特徴がもっと分かりやすくなります。
| 地域 | 店頭の差 | 配達の差 |
|---|---|---|
| 東京都 | +40円 | +292円 |
| 大阪府 | −31円 | −39円 |
| 福岡県 | −99円 | −43円 |
東京都は、店頭では全国平均より40円高い程度なのに、配達では292円も高くなっています。
つまり、東京の灯油が高いと言われる理由の大半は、店頭ではなく、配達の価格にあるわけです。
店頭で買うぶんには、大阪や福岡と比べても、それほど大きな差はありません。
1リットルに直すと、どうなるか
18リットルの金額を1リットルに直すと、販売店の看板とも比べやすくなります。
| 地域 | 店頭(1L) | 配達(1L) |
|---|---|---|
| 全国平均 | 約143.3円 | 約154.0円 |
| 東京都 | 約145.6円 | 約170.2円 |
| 大阪府 | 約141.6円 | 約151.8円 |
| 福岡県 | 約137.8円 | 約151.6円 |
東京の配達は、1リットルあたり約170円で、大阪や福岡より約18円高い計算です。
200リットルをまとめて入れると、それだけで3,000円以上の差になります。
ホームタンクに配達してもらう家庭にとっては、見過ごせない金額でしょう。
都市部の配達が高くなりやすいのは、なぜか
東京で配達価格が高くなる背景には、いくつかの事情が重なっていると考えられます。
配達は、店頭と違って、運ぶ手間がかかります。
都市部では、道が混んでいて時間がかかったり、駐車や搬入の条件が厳しかったりして、1件あたりの配達コストが高くなりやすいといわれます。
さらに、都市部では、灯油を暖房に使う世帯が少ないため、1軒あたりの配達量が少なく、配達のルートも効率化しにくい面があります。
少量の配達ほど、1リットルあたりの経費が割高になるのは、前に触れたとおりです。
もちろん、これらはあくまで一般的な要因であり、店ごとの事情によっても変わります。
地域による違いを、もう少し広く見る
東京、大阪、福岡だけでなく、ほかの地域も眺めてみましょう。
同じ日の数字から、特徴のある地域を拾いました。
| 地域 | 店頭(18L) | 配達(18L) | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 北海道 | 2,812円 | 2,866円 | 店頭と配達の差が54円と小さい |
| 沖縄県 | 2,900円 | 2,964円 | 店頭は全国で最も高い |
| 新潟県 | 2,653円 | 2,941円 | 配達と店頭の差が288円と大きい |
| 徳島県 | 2,477円 | 2,654円 | 配達は全国で最も安い |
配達の最高は東京都の3,064円、最安は徳島県の2,654円で、その差は410円です。
店頭でも、最高の沖縄県2,900円と、最安の福岡県2,481円で、約420円の開きがありました。
同じ日本のなかでも、18リットルあたり400円ほど、地域によって違うということです。
北海道は、店頭の価格が高いぶん、配達との差が小さいのが特徴です。
この冬の北海道の価格事情は、灯油は北海道だけなぜ高い?でも触れています。
同じ量を使ったら、年間でいくら違うのか
単価の差が、実際の負担にどれくらい響くのか、計算してみましょう。
ここでは、配達で、同じ300リットルを使ったと仮定します。
| 地域 | 配達の1L換算 | 300リットルの金額 |
|---|---|---|
| 東京都 | 約170.2円 | 約51,067円 |
| 北海道 | 約159.2円 | 約47,767円 |
| 大阪府 | 約151.8円 | 約45,550円 |
| 福岡県 | 約151.6円 | 約45,483円 |
東京と福岡では、300リットルで約5,600円の差が出ます。
ただし、この数字は、この日の価格を、そのまま当てはめた単純な計算です。
実際には、暮らす地域によって、必要な灯油の量そのものが大きく違います。
暖かい地域の家庭が使う量は、寒冷地の何分の一かにすぎません。
単価が高くても、使う量が少なければ、年間の負担は小さく収まるでしょう。
地域ごとの特徴は、週が変わっても大きく変わらない
「週ごとに価格が動くなら、地域の比較はあてにならないのでは」と思うかもしれません。
ところが、全国平均が動いても、地域ごとの「らしさ」は、わりと安定しています。
10月13日と10月26日の調査で、東京都の配達と全国平均の差を比べてみます。
| 調査日 | 全国平均(配達) | 東京都(配達) | 差 |
|---|---|---|---|
| 10月13日 | 2,749円 | 3,055円 | +306円 |
| 10月26日 | 2,772円 | 3,064円 | +292円 |
全国平均が2週間で23円動くあいだに、東京都との差は300円前後のまま推移しました。
このように、地域の傾向は、短い期間ではあまり変わりません。
ですから、いちど自分の地域の特徴を知っておけば、そのあとは、全国平均の動きを見るだけで、おおよその見当がつきます。
たとえば、東京都なら全国平均に300円前後を足す、という具合です。
単価が安い地域より、使う量が多い地域のほうが負担は重い
単価の高低だけを見ていると、本当の負担を見誤ります。
灯油の年間の出費は、単価に、使う量を掛けたものだからです。
仮の例で、東京都と北海道を比べてみましょう。
どちらも配達で買い、東京は12月から3月の4か月で月30リットル、北海道は7か月で月150リットルを使う、と仮定します。
| 地域 | 配達の1L換算 | 年間の量(仮定) | 年間の灯油代 |
|---|---|---|---|
| 東京都 | 約170.2円 | 120リットル | 約20,400円 |
| 北海道 | 約159.2円 | 1,050リットル | 約167,200円 |
東京の単価のほうが、1リットルあたり約11円も高いのに、年間の金額は、北海道が8倍ほどに膨らむ計算です。
もちろん、使う量は、家の断熱や暖房機器、家族の人数でも変わります。
それでも、単価の高低より、使う量のほうが、家計への影響ははるかに大きいことが分かるでしょう。
都市別の数字を見るときの注意点
地域の比較には、気をつけたい点がいくつかあります。
調査日をそろえる。 週ごとに価格は動くので、違う週の数字を並べると、判断を誤ります。
店頭と配達を混ぜない。 区分が違えば、同じ地域でも数百円の差があります。
平均は、県内のばらつきを隠す。 同じ県でも、市街地と山間部、離島では、価格が大きく違うことがあります。
順位に一喜一憂しない。 地域間の差は、週ごとに入れ替わることがあります。
単価と使用量の両方を見る。 負担を決めるのは、単価に量を掛けた総額です。
とくに、県内のばらつきは、見落とされがちです。
自分の暮らす地域の実感に近い数字を知りたいときは、県の平均に加えて、販売店への確認が欠かせません。
確認の方法は、灯油価格の今日の値段はどこで分かる?販売店・価格サイトの確認先で紹介しています。
引っ越しや転勤で地域が変わるときに確かめたいこと
住む地域が変わると、灯油の価格だけでなく、暖房のあり方そのものが変わることもあります。
都市別の相場を調べる方の多くは、こうした場面にいるのではないでしょうか。
灯油の単価と合わせて、次の点を確かめておくと安心です。
| 確かめること | なぜ必要か |
|---|---|
| 暖房の方式 | 灯油ストーブ、エアコン、ガス、床暖房など、住まいで使える方式が違う |
| ホームタンクの有無 | 配達か、缶で運ぶのかで、手間も単価も変わる |
| 地域の配達事情 | 配達エリアや最低注文量、冬の道路状況が、店ごとに異なる |
| 暖房を使う期間 | 地域で何か月使うかによって、年間の量が大きく違う |
とくに、寒冷地への転居では、灯油の年間の使用量が、それまでの暮らしとは桁違いになることがあります。
単価だけを見て安心せず、年間の総額で考えることが大切でしょう。
気になる地域の販売店に、事前に電話で聞いておくのも、有効な手段です。
自分の地域の相場を、自分で確かめる手順
では、自分の暮らす地域の相場を知るには、どうすればよいのでしょうか。
次の流れが、基本です。
- 資源エネルギー庁の石油製品価格調査で、自分の都道府県の店頭と配達の価格を見る。
- 全国平均との差を計算して、高めか低めかを知る。
- 買い方に合わせて、店頭か配達の数字を、販売店の単価と見比べる。
- 差が大きいときは、配達料などの条件を、販売店に確かめる。
統計の具体的な見方は、灯油価格の調べ方|全国平均・都道府県別・店頭と配達の違いに詳しくまとめています。
よくある質問
Q1. 大阪の灯油は、18リットルでいくらですか?
2026年10月の調査で、大阪府の店頭は2,549円、配達は2,733円でした。どちらも全国平均をわずかに下回っています。
Q2. 福岡の灯油は、安いのですか?
同じ日の福岡県の店頭は2,481円で、全国でもっとも安い水準でした。配達は2,729円で、全国平均より43円安い程度です。
Q3. 東京の灯油が高いのは、なぜですか?
店頭は全国平均より40円高い程度ですが、配達は292円高く、全国で最も高い水準でした。都市部では、配達にかかる手間や費用が大きいことが背景にあるといわれます。
Q4. 市ごとの灯油価格は、見られますか?
資源エネルギー庁の調査は、都道府県別の公表です。市ごとの価格は、自治体が独自に調べて公表している場合に限られます。
Q5. 地域によって、どれくらい価格が違いますか?
同じ日の配達で、最高の東京都と最安の徳島県で、約410円の差がありました。店頭でも、最高と最安の差は約420円です。
まとめ
灯油価格の都市別比較のポイントを、最後に整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 公表の単位 | 市ごとではなく、都道府県別 |
| 東京都 | 店頭は全国平均に近いが、配達は全国で最も高い |
| 大阪府 | 店頭も配達も、全国平均をわずかに下回る |
| 福岡県 | 店頭は全国でもっとも安い水準 |
| 地域間の幅 | 18リットルあたり、400円ほどの開き |
| 見るときの注意 | 調査日・区分をそろえ、県内のばらつきも意識する |
まずは、自分の都道府県の最新の数字と、全国平均との差を、確かめてみませんか。

