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灯油の色は何色?無色透明が正常な理由と黄色く変わった時の目安

無色透明の正常な灯油と黄色く変色した灯油を透明な容器で比較したイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

灯油は何色なのか、改めて聞かれると、意外と答えに迷います。
ポリタンクの中に入っていると、赤や青の容器の色が目に入って、灯油そのものの色は、あまり意識しないからです。
ストーブの給油タンクに注いだとき、「少し黄色っぽいかな」「これは大丈夫だろうか」と、不安になった経験がある方もいるでしょう。
灯油の正常な色は、無色透明です。
そして、それには、きちんとした理由があります。

この記事では、灯油が無色透明であるべき理由を、精製と規格の面から整理したうえで、色の正しい確かめ方、黄色く変わったときの目安、色が変わる原因と対処までを、順に説明していきます。

目次

灯油の正常な色は、無色透明

家庭の暖房に使われる白灯油は、ほぼ無色透明です。
水のように澄んでいて、においは灯油特有の、軽い石油のにおいがします。
新しく買った灯油が、ごくわずかに黄みがかって見えることもありますが、それでも、きわめて薄い色にとどまるのが普通です。

色の見え方と、その判断を、先に整理しておきましょう。

色の状態見た目判断の目安
無色透明水のように澄んでいる正常
ごく薄い黄色白い背景で、やっと分かる程度新しい灯油なら、問題ないことが多い
はっきりした黄色白い背景でも、黄色と分かる劣化の可能性。使う前に確認する
濃い黄色〜茶色色が濃く、明らかに違う使わないほうがよい
濁り・沈殿・層白く濁る、底に何かがある水や異物の混入の可能性。使わない

色が薄いうちは、神経質になる必要はありません。
一方で、はっきりした黄色や茶色になっていたら、機器に入れる前に、いったん手を止めてください。

なぜ、灯油は無色透明なのか

灯油の色は、偶然ではなく、精製の結果として、無色透明に近づけられています。
色を決めている要素は、大きく2つです。

精製の工程。 原油を蒸留して、灯油の範囲(およそ145〜270℃)の成分を取り出し、さらに、水素を加えて熱する処理で、硫黄などの不純物を取り除いています。この処理で、色やにおいのもとになる成分も減ります。
規格による管理。 家庭用の1号灯油には、JIS(日本産業規格)で、「セーボルト色」という色の基準があり、+25以上でなければなりません。

セーボルト色は、石油製品の色の薄さを数字で表す方法です。
数字が大きいほど、色が薄く、無色に近いことを意味します。
+25以上とは、かなり薄い色であることを、規格で求めているということです。
つまり、家庭用の灯油は、「無色に近いこと」が、品質の条件になっているわけです。

精製が色をつくる仕組み

もう少し、精製の流れを見てみましょう。

工程何をするか色への効果
蒸留原油を加熱して、灯油の沸点の範囲を切り出す重く色の濃い成分を、あらかじめ分ける
脱硫水素を加えて熱し、硫黄を取り除く色やにおいのもとになる成分が減る
品質の確認色、煙点、引火点などを試験する規格に合わないものは、出荷されない

こうした工程を経ているため、新しい灯油は、無色透明に近い状態で、手元に届きます。
その透明さは、すすの出にくい、きれいな燃え方にもつながっているのです。

白灯油と茶灯油

灯油には、色にちなんだ呼び名があります。
白灯油と、茶灯油です。

項目白灯油(1号)茶灯油(2号)
色ほぼ無色透明黄色〜茶色がかる
色の規格セーボルト色+25以上規定なし
主な用途暖房、調理、給湯動力、溶剤、機械の洗浄
硫黄分0.0080質量%以下0.50質量%以下

茶灯油は、重い成分や硫黄が多いため、色も濃くなります。
家庭のストーブやファンヒーターに使うのは、必ず白灯油です。
販売店やスタンドで買うかぎり、家庭向けの灯油は白灯油と考えてよいでしょう。
ただ、古くなって茶色く変色した白灯油は、茶灯油とは別物ですので、混同しないでください。

ガソリンは色がついている

灯油と、よく間違えられるのが、ガソリンです。
この2つは、色で見分けられるようになっています。

油の種類色理由
灯油ほぼ無色透明精製のままで、着色していない
自動車用ガソリンオレンジ色灯油などと区別するために着色される

自動車用のガソリンは、灯油と見分けられるよう、オレンジ色に着色されています。
灯油に、少量のガソリンが混ざると、色がうっすらとオレンジがかって見えることがありますが、わずかな量では、色の変化だけで気づけないこともあります。
色だけに頼らず、においで判断するのが大切です。
ガソリンが混入した灯油の危険性は、灯油にガソリンが混ざったときの対処でも解説しています。

色を正しく確かめる方法

灯油の色は、見る環境によって、印象が変わります。
ポリタンクの外から見ると、容器の色や厚みで、正確な色は分かりません。
次の手順で確かめると、判断がぶれません。

  1. 屋外か換気のよい場所で、火気のないことを確かめる。
  2. 透明で、耐油性のあるガラスの容器に、ごく少量だけ取り出す。
  3. 白い紙や白い壁を背景にして、明るい光で見る。
  4. 色、濁り、底の沈殿物、においを順に確かめる。
  5. 確認に使った灯油は、元の缶に戻さず、使い切るか、適切に処分する。

とくに、白い背景で見ることは、薄い黄色を見落とさないための、大切なポイントです。
暗い場所や、色つきの容器越しでは、変色に気づきにくくなります。
灯油は引火しやすいため、作業中は、火のそばに置かないでください。
また、ペットボトルに入れるのは危険ですので、避けましょう。

容器によって、色の見え方は変わる

灯油は、入れ物によって、見え方が大きく変わります。
色を判断するときは、どの容器越しに見ているのかを、意識してください。

スクロールできます
入れ物色の見え方確かめ方
赤や青のポリタンク容器の色で、灯油の色は分からないフタを開け、口から中をのぞく。必要なら少量を取り出す
白や半透明のポリタンクうっすら見えるが、薄い黄色は分かりにくい透明な容器に少量を取り出して確かめる
金属缶中が見えない少量を取り出して確かめる
ストーブの給油タンク半透明で、おおまかな色と濁りは見える給油前に、明るい場所で確認する
ホームタンク中は見えないストレーナーのカップや、水抜きで出てきた灯油を見る

ホームタンクの場合は、タンクの底に近い部分に、水や汚れがたまりやすくなります。
水抜きの際に出てきた灯油の色や濁りを見ると、タンクの中の状態を、おおまかに知ることができます。
また、容器の色で、灯油かどうかを判断するのは危険です。
赤い缶だから灯油、という決めつけはせず、ラベルや表示で、中身を確かめる習慣をつけましょう。

黄色く変わるのは、なぜか

無色透明だった灯油が、時間とともに黄色くなるのは、品質が変わっているサインです。
色が変わる主な原因は、次のとおりです。

原因何が起きるか
酸化空気中の酸素と結びついて、成分が変質し、色づく
光(紫外線)直射日光で、変質が進む
温度の変化暑さや寒暖差で、劣化が早まる
水の混入結露などで水が入り、濁りや沈殿の原因になる
異物や他の油の混入ゴミ、さび、ほかの油で、色や性質が変わる

とくに、フタをきちんと閉めていない容器や、日の当たる場所に置いた容器は、変質が早く進みます。
劣化の全体像は、灯油の使用期限はどれくらい?去年の灯油は使えるのかに詳しくまとめています。

色を変えないための、保管のコツ

灯油の色を保つには、劣化を遅らせることが、いちばんの近道です。
特別なことをする必要はなく、基本を守るだけで、効果があります。

コツ理由
直射日光を避ける紫外線による変質を防ぐ
風通しのよい、涼しい場所に置く高温や寒暖差による劣化を抑える
フタをしっかり閉める空気に触れる量を減らし、酸化と水の混入を防ぐ
専用の容器を使う消防法に適合した容器なら、変質しにくく、安全
買い置きしすぎないシーズン中に使い切れる量にとどめる
前の古い灯油と混ぜない劣化した灯油が、新しい灯油の品質を下げる

とくに、買い置きの量は、見落としがちです。
たくさん買い置きするほど、使い切るまでの期間が長くなり、変質のリスクが高まります。
色が変わる前に、使い切れる量を、見積もって買うのが賢い方法でしょう。

色の変化の段階と、取るべき行動

色が変わってしまったとき、どう動けばよいのでしょうか。
段階ごとの目安を、整理します。

状態においなど取るべき行動
無色透明灯油特有の軽いにおいそのまま使える
ごく薄い黄色においも通常どおり新しい灯油なら、様子を見ながら使う
はっきりした黄色においが強い、または違う機器に入れず、販売店に相談する
濃い黄色〜茶色刺激のあるにおい使わない。処分の相談をする
オレンジがかるガソリンのようなにおい絶対に使わず、すぐ販売店へ
濁り・沈殿・水の層状態による使わない。タンクの掃除も検討する

迷ったときは、使わないのが安全です。
変質した灯油を使うと、点火不良、すすの発生、においの悪化、機器の故障につながります。
処分の方法は、古い灯油の正しい処分方法と注意点をご覧ください。

色が変わらなくても、安心とは限らない

もう一つ、注意したいことがあります。
色が無色透明のままでも、劣化が進んでいることはあります。
色の変化は、劣化のサインのひとつにすぎず、変質していても、見た目に表れにくい場合があるためです。

そのため、色だけで、使えるかどうかを決めるのは危険です。
次の点も、あわせて確認しましょう。

確認する点見るポイント
購入した時期前のシーズンの灯油は、基本的に使わない
においの変化酸っぱい、ツンとするなど、普段と違わないか
保管の状態直射日光、高温、フタの閉め忘れがなかったか
機器の反応点火しにくい、途中で消えるなど、不調がないか

色、においに加えて、「いつ買ったか」「どう保管していたか」まで考えて判断してください。

よくある質問

Q1. 灯油の色は、何色ですか?

家庭用の白灯油は、ほぼ無色透明です。
新しい灯油が、ごく薄い黄色に見えることもありますが、きわめて薄い色にとどまります。

Q2. 灯油が黄色いのは、危険ですか?

はっきりした黄色になっていたら、劣化の可能性があります。
そのまま使わず、においや濁りを確認して、販売店に相談してください。

Q3. 灯油の色は、なぜ無色透明なのですか?

精製の過程で、硫黄や色のもとになる成分が取り除かれているためです。
家庭用の灯油には、色の薄さを示す「セーボルト色」の基準があり、無色に近いことが求められています。

Q4. 茶色い灯油は、茶灯油ですか?

違います。
茶灯油は、規格上の2号灯油のことです。
白灯油が古くなって茶色く変わったものは、劣化した灯油で、使ってはいけません。

Q5. ガソリンが混ざると、色は変わりますか?

自動車用ガソリンはオレンジ色に着色されているため、混ざると、わずかにオレンジがかることがあります。
ただ、少量では分かりにくいため、においでも確かめてください。

まとめ

灯油の色について、要点を最後に整理します。

ポイント内容
正常な色ほぼ無色透明。新品は、ごく薄い黄色に見えることもある
無色透明な理由精製で不純物を取り除き、セーボルト色+25以上の規格で管理されている
白灯油と茶灯油家庭用は白灯油(1号)。茶灯油(2号)は動力・溶剤用
ガソリンとの違いガソリンはオレンジ色に着色。灯油は着色されていない
確かめ方白い背景と明るい光で、色・濁り・沈殿・においを見る
判断の注意色が正常でも、前の季節の灯油は使わない

まずは、いま家にある灯油を、白い背景の明るい場所で、色とにおいを確かめてみませんか。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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