長府製の石油給湯器に140が表示されて、お湯が出なくなった。
調べてみると「部品交換しないと解除できない」と書かれていて、修理費用が頭をよぎっている方も多いと思います。
たしかに140は、長府のエラーコードのなかでも重い部類に入ります。
熱交換器が異常な高温になり、温度ヒューズという安全部品が回路を遮断した状態を示すからです。
ただし、140には例外的にリセットで解除できるケースが存在します。
長府自身が、電源電圧の不安定やコンセントの緩みでも140になることがあると案内しており、その場合はリモコン操作で解除できるとしています。
つまり最初に一度リセットを試すこと自体が、原因を切り分ける診断になります。
この記事では、その見分け方を軸に、過熱防止装置の150・151・160との違い、そして解除できなかった場合に何が起きていたのかを整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 解除の可否 |
|---|---|---|
| 140 | 熱交換器異常高温(温度ヒューズ回路遮断)による運転停止 | 原則、部品交換が必要。電源系が原因の場合のみリセットで解除できる |
温度ヒューズは「一度切れたら戻らない」部品
140を理解するうえで前提になるのが、温度ヒューズという部品の性質です。
温度ヒューズは、あらかじめ決められた温度に達すると内部が溶けて回路を切り離す安全部品です。
電気のヒューズが電流に反応するのに対し、こちらは温度に反応します。
そしていったん溶けると元には戻りません。
温度が下がれば復帰するタイプの安全装置とは、そもそもの仕組みが違います。
だから長府も、140の警報解除方法として「部品交換しないと警報解除できません」と明記しています。
リセットを何度試しても消えないのは、操作の問題ではなく部品が物理的に切れているためです。
なお、この機器には温度ヒューズとは別に電流ヒューズと送風機ヒューズも組み込まれています。
内部配線のショートや部品の故障で過電流が流れたときに作動するもので、140とは役割が異なります。
「ヒューズ」という言葉が出てきたときは、どのヒューズの話かを分けて考えてください。
例外:リセットで解除できるケースがある
ここが140でもっとも重要な部分です。
長府はエラーコード一覧の確認事項として、電源電圧の不安定、電圧降下、電源コンセントの緩みなどで140警報になることがあると記載しています。
そしてこの場合は、台所リモコンの運転スイッチをOFF/ONすることで警報解除できるとしています。
つまり140には2つの顔があります。
| リセットの結果 | 何が起きていたか | 次にすること |
|---|---|---|
| 表示が消えて運転できた | 温度ヒューズは切れていない。電源側の問題 | 電源まわりを点検する |
| 表示が消えない | 温度ヒューズが遮断されている | 点検・修理を依頼する |
140が出たら、まず一度だけリセットを試してください。
これは復旧を期待する操作であると同時に、原因を二分する診断でもあります。
ただし消えなかった場合、繰り返す意味はありません。
物理的に切れている部品は、操作では戻らないからです。
150・151・160とは段階が違う
長府には140以外にも過熱を検知するコードがあります。
混同されやすいので、位置づけを整理します。
| 表示 | 内容 | 解除方法 |
|---|---|---|
| 150 | 非燃焼時の過熱防止装置作動 | 運転スイッチのOFF/ONで解除 |
| 151 | 燃焼時の過熱防止装置(ハイカットサーミスタ)作動 | 缶体温度が下がれば運転スイッチのOFF/ONで解除 |
| 160 | 燃焼時の過熱防止装置作動 | 缶体温度が下がれば運転スイッチのOFF/ONで解除 |
| 590 | 燃焼停止後の過熱防止装置作動 | 温度低下後、運転スイッチのOFF/ONで解除 |
| 140 | 熱交換器異常高温による温度ヒューズ遮断 | 部品交換が必要 |
過熱防止装置は、温度が下がれば元に戻ります。
一時的に高くなりすぎた状態を検知して運転を止める、いわば第一段階の保護です。
これに対し140は、その先まで温度が上がったことを意味します。
150や151が繰り返し出ていた機器で、あるとき140に切り替わるという流れは珍しくありません。
過熱防止装置で止まっていた段階が続き、最終的に温度ヒューズが遮断されたという経過です。
過去に150や160が出ていた記憶があるなら、それは業者に伝えるべき情報です。
長府の他のエラー表示との関係は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
リセットで解除できた場合:電源まわりを点検する
解除できたなら、温度ヒューズは無事です。
ただし電源側に問題が残っているため、放置すれば再発します。
確認する場所
- コンセントの緩み:プラグを差したときにグラグラしないか
- プラグの変形や変色:栓刃が曲がっていないか、焦げた跡がないか
- ほこりの蓄積:長期間差しっぱなしのコンセントは要注意
- たこ足配線:給湯器を延長コードやテーブルタップ経由でつないでいないか
- 同じ回路の負荷:冬季に暖房機器を追加していないか
緩んだコンセントや変形したプラグは、接触不良によって異常発熱や発火に至るおそれがあります。
NITEは、プラグの栓刃の間にほこりと水分が付着して電流が流れ発火に至るトラッキング現象を含め、電源コードと配線器具の事故が冬季に増える傾向にあると注意喚起しています。
給湯器の140をきっかけにコンセントを見直すことは、まったく別の火災リスクを減らすことにもつながります。
プラグの変形についてはコンセントのプラグが曲がったら使っていい?危険性・正しい対処法・やってはいけない判断を徹底解説、回路全体の負荷についてはコンセントは何ワットまで使える?ブレーカーが落ちる前に知っておくべき基準と注意点で詳しく扱っています。
電源コードを自分で延長しない
コンセントが遠いからといって、電源コードを切断して延長することは長府が明確に禁止しています。
火災・感電・発熱の原因になるためです。
届く範囲にコンセントがない場合は、電力会社の指定工事店に依頼して所定の電気配線を行ってください。
またこの機器はAC100V専用です。
200Vに接続すると機器が破損します。
雷の後に140が出た場合
雷による一時的な過電圧は、電子部品を損傷させることがあります。
長府は、雷が鳴りはじめたらリモコンの運転スイッチを「切」にし、電源プラグをコンセントから抜くよう案内しています。
落雷の直後に140が出たなら、電圧変動が引き金になった可能性があります。
リセットで復帰しても、その後の動作に違和感があれば点検を受けてください。
リセットで解除できない場合:熱交換器に何が起きたか
温度ヒューズが遮断されたということは、熱交換器が想定を超える温度に達したということです。
考えられる背景を挙げます。
給水が届いていなかった
熱交換器は水が通ることで冷やされています。
水の供給が途絶えた状態で燃焼すると、温度は急激に上がります。
長府は過熱系のエラーの確認事項として、断水、給水栓の閉止、ストレーナーのゴミ詰まりといった給水不良を挙げています。
心当たりとして多いのは次のような場面です。
- 断水や工事で水が止まっていた
- 給水元栓が全開になっていなかった
- 水フィルタにゴミが詰まっていた
- 冬季に給水配管が凍結していた
空焚きに近い状態が起きていた
これらはいずれも、燃焼しているのに熱を運び出せない状況を作ります。
過熱防止装置が働けば150や160で止まりますが、そこを超えると温度ヒューズが遮断されます。
温度ヒューズが飛んだという事実は、機器内部でそれだけの高温が実際に起きたという記録です。
部品を交換して解除しても、給水側の原因が残っていれば同じことが繰り返されます。
修理では、ヒューズ交換と原因の特定がセットである必要があります。
なお、同種の過熱・空焚き系のエラーは他メーカーにもあります。
考え方の比較にはコロナ 石油給湯器のエラー3とは?空焚き検知の原因とリセット・再発防止策が参考になります。
修理を依頼するときに伝えること
140は部品交換が前提になるため、出張修理は避けられません。
連絡時に次を伝えておくと、部品の手配が一度で済む可能性が高くなります。
- 型名と製造番号:機器前パネルの銘板に記載
- リセットを試した結果:消えたか、消えなかったか
- 直前の出来事:断水、凍結、停電、落雷、外壁工事などがなかったか
- それ以前に出ていたコード:150・151・160・590が出ていなかったか
- 設置からの年数
140が消えない状態で運転を試み続けることは避けてください。
安全部品が働いて機器を止めている状態であり、操作で覆すべきものではありません。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| リセットで140が消えて運転できた | 電源側の問題。コンセントとプラグを点検する |
| 消えたが数日以内に再発した | 電源または給水側に原因が残っている。点検を依頼 |
| リセットしても140が消えない | 温度ヒューズ遮断。部品交換が必要 |
| 断水や凍結の直後に140が出た | 給水不良が原因の可能性。点検を依頼 |
| 落雷の直後に140が出た | 電圧変動の可能性。リセット後も様子を見る |
| 以前から150や160が出ていた | 経過を業者に伝える。原因の特定が重要 |
| 設置から10年以上経っている | 修理と交換の両方で見積もりを取る |
再発を防ぐために
温度ヒューズは、機器を守るための最後の砦です。
ここに至らせないためにできることを整理します。
- 給水元栓を全開にしておく:中途半端に開いた状態は流量不足を招きます
- 水フィルタを定期的に掃除する:ゴミが溜まるとお湯の出が悪くなり、熱交換器の負担が増えます
- 凍結予防を確実に行う:冬季は運転スイッチを切ったまま長期間放置しない
- 断水の連絡があったら運転を止める:復旧後は給湯栓を開けて水が出ることを確認してから使う
- コンセントは単独で使う:延長コードやたこ足配線を経由させない
- プラグのほこりを定期的にふきとる:運転スイッチを切り、プラグを抜いてから乾いた布で
とくに給水側の管理は、140だけでなく150・151・160・261といった複数のエラーを同時に遠ざけます。
シーズン前の点検項目に加えておくと確実です。
よくある質問
Q1. 140は必ず部品交換が必要ですか?
多くの場合は必要ですが、例外があります。
長府は、電源電圧の不安定や電圧降下、電源コンセントの緩みでも140警報になることがあるとしており、この場合はリモコンの運転スイッチをOFF/ONすることで解除できます。
そのためまず一度だけリセットを試してください。
解除できたなら温度ヒューズは切れておらず、電源まわりの点検が対処になります。
解除できなければ温度ヒューズが遮断されているため、部品交換が必要です。
Q2. リセットしても消えません。何度か繰り返せば消えますか?
消えません。
温度ヒューズは決められた温度で内部が溶けて回路を切る部品で、いったん溶けると元には戻らない構造です。
操作を繰り返しても復帰しないのは、やり方の問題ではなく部品が物理的に切れているためです。
一度試して消えなければ、それ以上繰り返さずに販売店へ連絡してください。
電源プラグを抜いて時間を置いても結果は変わりません。
Q3. 140と150の違いは何ですか?
どちらも過熱に関するエラーですが、段階が違います。
150は過熱防止装置の作動で、温度が下がれば運転スイッチのOFF/ONで解除できます。
一方の140は、その先まで温度が上がって温度ヒューズが遮断された状態です。
150や151が繰り返し出ていた機器が、やがて140に切り替わるという経過もあります。
以前に150系が出ていた記憶があれば、原因特定の手がかりになるため業者に伝えてください。
Q4. 断水のあとに140が出ました。関係がありますか?
関係している可能性が高いです。
熱交換器は水が通ることで冷やされているため、給水が途絶えた状態で燃焼すると温度が急激に上がります。
長府も過熱系のエラーの確認事項として、断水や給水栓の閉止、ストレーナーのゴミ詰まりといった給水不良を挙げています。
断水の連絡があった際は運転を止め、復旧後は給湯栓を開けて水が出ることを確認してから運転を再開してください。
Q5. 修理費用はどのくらいかかりますか?
原因部品と作業内容によって幅があるため、一律の金額は示せません。
長府によれば修理料金は技術料・部品代・出張料で構成されます。
温度ヒューズの交換だけで済むのか、給水側や熱交換器にも問題があるのかで作業量が変わるため、事前に見積もりを確認してください。
設置から年数が経っている場合は、修理と本体交換の両方で見積もりを取り、比較して判断することをおすすめします。
まとめ
140は、熱交換器が異常な高温になり温度ヒューズが回路を遮断した状態を示します。
温度ヒューズは一度切れると戻らないため、原則として部品交換が必要です。
ただし長府は、電源電圧の不安定やコンセントの緩みでも140になることがあり、その場合はリセットで解除できるとしています。
最初の一回のリセットが、電源側の問題か温度ヒューズの遮断かを分ける診断になります。
解除できたなら、コンセントの緩みやプラグの変形、たこ足配線を点検してください。
解除できなかったなら、断水や凍結、給水フィルタの詰まりといった給水不良がなかったかを思い返し、その情報を添えて修理を依頼します。
150・151・160は温度が下がれば復帰する第一段階の保護であり、140はその先の最終的な遮断です。
過去に150系が出ていたなら、それは140に至る経過を示す重要な手がかりになります。

