長府製の石油給湯器に164や334、911と表示された。
まず確認していただきたいのは、ご自宅に太陽熱温水器(ソーラーシステム)が設置されているかどうかです。
このページで扱うコードは、いずれも太陽熱を利用する構成でのみ発生します。
屋根の上に集熱器やタンクが載っている、あるいはリモコンに「ソーラー」と書かれたスイッチがある。
そうした機器で出るエラーです。
そして共通しているのは、給湯器に入ってくる水が、想定より熱かったという点です。
通常の石油給湯器では起こりえない異常であり、原因の探し方も違います。
この記事では、ソーラー併用機の仕組みを押さえたうえで、164と334の判定基準の違い、施工ミスが疑われる911とH7、そしてセンサー側の341・351・EFまでを整理します。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 解除方法 |
|---|---|---|
| 164 | ソーラー混合弁出口の目標温度+15℃以上を高温検知 | 運転スイッチのOFF/ON |
| 334 | ソーラー混合弁出口(缶体入口)温度の98℃以上を検知 | 温度低下後にOFF/ON |
| 911 | 給水温度の高温を検知 | 運転スイッチのOFF/ON |
| H7 | ASE-K13・K33では給水温度上昇(48℃以上)を検出 | 正常温度検出により復帰 |
| 341 | 太陽熱サーミスタの断線またはショート | 正常温度検出(交換)により復帰 |
| EF | 太陽熱サーミスタの断線またはショート | 正常温度検出(交換)により復帰 |
| 351 | ソーラー混合弁出口サーミスタの断線またはショート | 正常温度検出(交換)により復帰 |
| 090 | 太陽熱利用システムの異常 | 給湯は使用可能 |
前提:ソーラー併用機は「すでに温まった水」を受け取る
通常の石油給湯器は、水道水を受け取って設定温度まで加熱します。
入ってくる水は季節によって変わるものの、おおむね冷たいことが前提です。
ソーラー併用機は違います。
屋根の集熱器やタンクで太陽熱によって温まった水を受け取り、不足している分だけを燃料で補うという考え方で動きます。
晴れた日には燃料をほとんど使わずに済むのが利点です。
このとき重要な役割を果たすのが、ソーラー混合弁と呼ばれる部品です。
太陽熱で温まった水と水道水を混ぜ合わせ、給湯器の熱交換器に入る温度を適切な範囲に収める働きをしています。
つまりソーラー併用機には、通常機にはない「入口の温度が高すぎる」という異常が存在します。
164・334・911・H7は、いずれもこの入口側の温度を見て運転を止めるコードです。
熱を無駄なく使うという発想は、潜熱回収型の給湯器とも共通します。
仕組みの違いは潜熱回収型給湯器とは?仕組み・メリット・従来型との違いをわかりやすく解説で解説しています。
164と334は見ている基準が違う
この2つはどちらもソーラー混合弁の出口温度を検知しますが、判定の仕方が異なります。
| 164 | 334 | |
|---|---|---|
| 判定基準 | 目標温度+15℃以上(相対値) | 98℃以上(絶対値) |
| 解除の条件 | 運転スイッチのOFF/ON | 温度低下後にOFF/ON |
| 長府が挙げる確認事項 | 太陽熱給水接続口・給水接続口のフィルター詰まり、誤配管 | 給湯器の給水栓閉止、給水接続口フィルタの詰まり、太陽熱配管に直射があたるための異常高温 |
164は「混ぜきれていない」状態
164は目標温度に対して15℃以上高い、という相対的な判定です。
目標を定めて混合しているのに、その通りにならなかったという意味になります。
長府が挙げる確認事項は、フィルターの詰まりと誤配管です。
太陽熱側と水道水側のどちらかの流れが妨げられれば、混合の比率は崩れます。
水道水側のフィルターが詰まれば冷たい水が入らず、出口温度は上がります。
334は「絶対に危険な温度」の検知
一方の334は98℃という具体的な数値で判定します。
これは沸騰に近い温度であり、混合の精度以前に危険な状態です。
334の確認事項には、164にはない「太陽熱配管に直射があたるための異常高温」が含まれています。
屋根から給湯器までの配管が日光にさらされ続けると、配管の中の水そのものが高温になります。
真夏の午後、長時間お湯を使っていなかったあとに334が出るなら、この可能性が高いと考えられます。
また334は解除に温度低下を待つ必要があります。
表示直後にリセットしても消えないのは、条件を満たしていないためです。
911とH7は「給水そのものが熱い」
164・334がソーラー混合弁の出口を見るのに対し、911とH7は給水側の温度を見ています。
- 911:給水温度の高温を検知して運転停止
- H7:ASE-K13・K33が対象の場合、給水温度上昇(48℃以上)を検出して運転停止
そして長府が挙げる確認事項が、この2つを特徴づけています。
逆配管という施工ミス
ソーラ給水と水道水給水の逆配管が、911とH7の両方で確認事項として挙げられています。
ソーラー併用機には、太陽熱側から水を受ける接続口と、水道水を受ける接続口があります。
この2つが入れ替わって配管されていると、水道水が入るべき場所に太陽熱で温まった水が流れ込みます。
結果として給水温度が異常に高くなり、機器は運転を止めます。
これは使い方の問題ではなく、施工に起因する不具合です。
そのため、機器の設置直後、太陽熱システムの新設・更新直後、配管工事の直後に911やH7が出たなら、真っ先に疑うべき原因になります。
何年も正常に使えていた機器で突然出た場合は、直射日光側を先に見るのが順当です。
水道水給水配管への直射日光
もうひとつの確認事項が、水道水給水配管が長く直射日光にあたっているというものです。
配管が屋外を長く走っていて、日射を遮るものがない場合、中の水は日中に大きく温度を上げます。
とくに使用していない時間が長いほど、配管内に滞留した水が温まります。
この状態で蛇口を開けると、意図しない高温の湯が出てやけどにつながるおそれがあります。
911やH7が表示された直後は、いきなり肌に湯をかけず、手で温度を確かめてから使ってください。
混合水栓の種類によって温度の安定性は変わります。
種類ごとの違いは水栓とは?種類・選び方・交換費用まで住宅設備のプロがわかりやすく解説で整理しています。
341・351・EFはセンサーの断線
ここまでは実際に温度が高かったケースですが、温度を測る側の不具合を示すコードもあります。
| 表示 | 対象のセンサー |
|---|---|
| 341 | 太陽熱サーミスタ |
| EF | 太陽熱サーミスタ |
| 351 | ソーラー混合弁出口サーミスタ |
341とEFは、どちらも太陽熱サーミスタの断線またはショートを意味します。
機種によって表示のしかたが違うだけで、内容は同じです。
これらの警報解除方法は、いずれも「正常温度検出(交換)により復帰します」と記載されています。
つまり、センサーが正常な値を返すようになれば自動的に復帰するということです。
断線やショートが起きているなら部品交換が必要になり、リモコン操作では解決しません。
温度が実際に高いのか、測るセンサーが壊れているのか。
この切り分けは利用者側では困難なため、341・351・EFが出た場合は点検を依頼してください。
090はソーラー側の異常
090だけは性質が異なります。
太陽熱利用システムの異常を示すもので、給湯器そのもののエラーではありません。
長府は090について、給湯は使用可能であるとしたうえで、太陽熱利用システムのリモコンで確認するよう案内しています。
つまり見るべき場所は給湯器のリモコンではなく、ソーラーシステム側のリモコンです。
お湯は使えるため緊急性は高くありませんが、太陽熱が使えていない状態であれば燃料の消費は増えます。
復帰しない、あるいは再発する場合は点検を依頼してください。
応急的にソーラーを切って使う
ソーラー関連のトラブルで困るのが、修理までの間どうするかです。
長府の取扱説明書には、太陽熱温水器を接続している場合、その湯の温度によってはバーナーが燃焼しないことがあり、この場合はリモコンのソーラースイッチを「切」にして使用するよう案内されています。
これはお湯がぬるいときの対処として記載されているものですが、ソーラー系統を切り離して通常の石油給湯器として使うという考え方を示しています。
機種やリモコンによって操作は異なるため、手元の取扱説明書を確認するか、点検を依頼する際に業者へ相談してください。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 設置や配管工事の直後に911・H7が出た | 逆配管の可能性。施工した業者に確認する |
| 真夏の午後に334や911が出る | 配管への直射日光の可能性。点検時に伝える |
| 曇りや冬でも164が出る | フィルター詰まりや混合弁の不具合。点検を依頼 |
| 334が出て、リセットしても消えない | 温度低下待ち。時間を置いてから操作する |
| 341・351・EFが出た | センサーの断線またはショート。点検を依頼 |
| 090が出たが給湯はできる | ソーラーシステム側のリモコンを確認する |
| 蛇口から想定外に熱い湯が出た | 手で温度を確かめてから使う。点検を依頼 |
長府の他のエラー表示との関係は長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
記録すべきは「季節と時間帯」
ソーラー系のエラーは、太陽の状態に左右されるという特徴があります。
そのため、いつ出たかという情報が原因の絞り込みに直結します。
- 晴れた日の午後に集中する:日射による配管や貯湯の高温が疑われる
- 天候に関係なく出る:フィルター詰まりや混合弁、センサー側が疑われる
- 夏だけ出る:直射日光や給水温度の上昇が疑われる
- 通年で出る:配管や部品側の問題が疑われる
「晴れた日の15時ごろに多い」という一言が、業者にとっては大きな手がかりになります。
発生した日付と時刻、天候をメモしておくだけで、点検の精度は変わります。
よくある質問
Q1. うちには太陽熱温水器がありませんが、164が出ました。なぜですか?
164はソーラー混合弁の出口温度を検知するコードなので、太陽熱を利用する構成が前提です。
設置されていないのに表示された場合は、機種の設定が実際の構成と合っていない、あるいは配管や部品の判別に不具合がある可能性が考えられます。
とくに制御基板を交換した直後であれば、機種設定が正しく行われていないことも想定されます。
自己判断で操作を続けず、型名を確認したうえで販売店に相談してください。
Q2. 164と334はどちらが重い状態ですか?
334のほうが差し迫った状態です。
164は目標温度に対して15℃以上高いという相対的な判定ですが、334は98℃以上という絶対的な数値での判定だからです。
98℃は沸騰に近い温度で、混合の精度以前に危険な領域に入っています。
また334は解除に温度低下を待つ必要があり、表示直後にリセットしても消えません。
どちらも繰り返すようであれば点検を依頼してください。
Q3. 逆配管かどうかを自分で確認できますか?
配管の接続を目視で追うことは可能ですが、太陽熱側と水道水側のどちらがどの接続口に入るべきかは機種によって異なります。
見た目だけで判断すると誤った結論に至るおそれがあるため、確認は施工業者またはメーカーに任せてください。
判断材料として有効なのは、911やH7が出はじめた時期です。
設置直後や配管工事の直後であれば逆配管の可能性が高く、何年も正常だった機器なら別の原因を疑うことになります。
Q4. 341とEFは何が違うのですか?
意味は同じです。
どちらも太陽熱サーミスタの断線またはショートによる運転停止を示しており、機種によって表示のしかたが違うだけです。
警報解除の方法も共通で、正常な温度が検出されるようになれば復帰します。
逆に言えば、断線やショートが続いている限りリモコン操作では解決しません。
部品交換が必要になるため、点検を依頼してください。
Q5. 090が出ていますがお湯は使えます。急いで対応すべきですか?
緊急性は高くありません。
090は太陽熱利用システム側の異常を示すもので、長府も給湯は使用可能としています。
ただし太陽熱が使えていない状態であれば、その分だけ燃料の消費が増えます。
まずは太陽熱利用システムのリモコンで内容を確認してください。
復帰しない場合や繰り返し表示される場合は、燃料代の面でも早めに点検を受けたほうが結果的に得になります。
まとめ
164・334・911・H7は、いずれも給湯器に入ってくる水が想定より熱いことを検知して運転を止めるコードです。
太陽熱を利用する構成でのみ発生し、通常の石油給湯器では起こりません。
164は目標温度+15℃以上という相対的な判定、334は98℃以上という絶対的な判定です。
334には配管への直射日光が確認事項として加えられており、真夏の午後に集中するなら日射が疑われます。
911とH7は給水そのものの温度を見ており、確認事項に逆配管が挙げられています。
設置や配管工事の直後に出はじめたなら、施工に起因する可能性を先に確認してください。
341・EFは太陽熱サーミスタ、351はソーラー混合弁出口サーミスタの断線やショートで、いずれも部品側の問題です。
090は給湯器ではなく太陽熱利用システム側の異常を示します。
そして原因の絞り込みにもっとも役立つのは、発生した季節と時間帯の記録です。
天候と時刻をメモしておくことが、点検の精度を大きく左右します。

