地震のあとで暖房が止まり、リモコンに「エラー2」と表示されている。
揺れの直後というだけで不安になりますが、この表示に関しては機器が壊れたことを意味していないケースがほとんどです。
対震装置が揺れを感知して、燃焼を安全に止めた状態を示しています。
ただし、すぐ運転スイッチを押せばよいという話でもありません。
この記事では、エラー2が示す状態と、再運転の前に必ず確認しておきたい箇所、地震以外で作動する場合の考え方までを順に整理します。
エラー2は対震装置が作動した状態
メーカーが公表している内容では、エラー2は「対震装置の作動」とされ、処置方法には運転スイッチを押して再運転するよう記載されています。
運転しない場合は点検または修理が必要、という位置づけです。
対震装置は、強い揺れや衝撃を感知したときに自動で燃焼を止める安全装置です。
灯油を燃やす機器が揺れの最中に運転を続けると、転倒や油漏れが起きた場合に火災につながります。
それを未然に防ぐために、異常が起きる前の段階で先に止めているというのが実際の動作です。
つまりエラー2は、装置が設計どおりに働いた結果として表示されています。
表示そのものは、むしろ安全機能が生きている証拠だと考えてよい部類です。
再運転の前に確認する5つの箇所
ここがこの記事でもっとも重要な部分です。
揺れのあとは、機器の状態を確認してから再運転してください。
確認せずに運転を再開すると、漏れた灯油や外れた排気管が重大な事故につながる可能性があります。
① 灯油漏れ
油タンクの周囲、送油管の経路、機器の足元を見ます。
地面や床にしみができていないか、灯油特有のにおいが強くしていないかを確認してください。
少しでも漏れが疑われる場合は運転せず、火気を近づけないでください。
こぼれた灯油の処理手順は灯油をこぼしたときの正しい対処法にまとめています。
② 循環液漏れ
暖房ボイラーは循環液を温めて床暖房や温水ルームヒーターへ送ります。
機器の下や配管の接続部に、液のしみや水たまりがないかを確認してください。
床暖房の配管は床下を通るため、屋内側で異変に気づきにくい点にも注意が必要です。
循環液が不足した場合に表示される番号はコロナ暖房ボイラーのエラー3|循環液不足と空だき検知の対処で解説しています。
③ 本体の傾き・損傷
機器が動いていないか、傾いていないか、外装がへこんだり割れたりしていないかを見ます。
据付台からずれている場合は、配管に無理な力がかかっている可能性があります。
④ 給排気筒・排気管の外れ
屋内用のFF式では、ここが特に重要です。
給排気筒や排気管の接続部が外れると、排気ガスが室内に漏れて一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。
接続部に外れやゆるみ、位置のずれがないかを確認してください。
排気管が外れた場合に表示される番号についてはコロナ暖房ボイラーのエラー29|排気管抜け検知で止まったときで解説しています。
⑤ 周囲の状況
揺れで物が倒れ、機器や給排気筒トップの近くに寄っていないかを見ます。
可燃物が近づいた状態での運転は避けてください。
屋外設置であれば、周囲に倒れた物や飛来物がないかもあわせて確認します。
再運転の手順
5つの確認を終え、異常が見当たらなければ再運転に進みます。
- リモコンの表示がエラー2であることを確認する
- 運転スイッチを押す
- 正常に着火し、運転が続くことを確認する
- しばらくのあいだ、においや音に変化がないか様子を見る
多くの場合、これで復帰します。
再運転後に暖まり方が弱い、においが普段と違うといった変化があれば、いったん止めて連絡してください。
運転しない場合の考え方
運転スイッチを押しても復帰しない場合、次のような状況が考えられます。
| 状況 | 想定される内容 |
|---|---|
| すぐに再びエラー2が出る | 対震装置側の不具合、または機器が不安定な状態 |
| 別の表示に変わる | 揺れによって配管や部品に影響が出ている |
| 着火しない | 送油経路への空気混入、または別の要因 |
| 表示は消えるが暖まらない | 循環液の不足や循環経路の問題 |
いずれの場合も、繰り返し運転操作を試すのは避けてください。
取扱説明書では、処置をせずに何度もリセットを繰り返すと火災や事故の原因になると明記されています。
📎 出典:株式会社コロナ|取扱説明書のダウンロード
地震以外で作動するケース
揺れを感じていないのにエラー2が出た、という相談は珍しくありません。
対震装置は衝撃を感知する仕組みのため、地震以外の要因でも作動しうると考えられます。
- 機器や周囲の壁に強い衝撃が加わった
- 近くで除雪や工事の作業があった
- 屋根からの落雪が機器付近を直撃した
- 大型車の通行など、繰り返しの振動を受ける環境にある
- 据付が不安定で、風などで機器が揺れやすい状態になっている
思い当たることがなくても、体感できない程度の揺れで作動することもあります。
一度きりであれば再運転して様子を見て差し支えありませんが、原因が分からないまま繰り返す場合は状況が変わります。
繰り返し出るときは切り分けが必要
エラー2が短期間に何度も出る場合、考えられるのは大きく2つです。
ひとつは設置環境の問題です。
据付が不安定、あるいは振動を受けやすい場所にあると、通常の使用でも作動しやすくなります。
この場合は据付状態の見直しが必要になります。
もうひとつは対震装置そのものの不具合です。
本来作動すべきでない場面で反応している状態であれば、安全装置として正しく機能していないことになります。
どちらも使用者側で判断できる範囲を超えるため、発生の頻度とタイミングを控えたうえで点検を依頼してください。
表示の読み違いに注意
暖房ボイラーの表示体系では、数字の「2」とアルファベットを含む表示はまったく別の意味を持ちます。
たとえばE1はリモコン通信異常を示す表示で、対震装置とは無関係です。
| 表示 | 意味 | 対応 |
|---|---|---|
| 2 | 対震装置の作動 | 確認後に再運転 |
| E1 | リモコン通信異常 | 点検・修理が必要 |
表示された番号が2以外だった場合は、取るべき行動がまったく変わります。
番号ごとの意味はコロナ暖房ボイラー エラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準で一覧にまとめています。
日頃から備えておけること
地震そのものは防げませんが、揺れたあとの被害は準備で小さくできます。
- 油タンクが転倒しないよう固定されているか確認しておく
- 送油管に無理な張りや曲がりがないか点検しておく
- 機器や給排気筒トップの周囲に物を置かない
- 屋外設置の場合、落雪の当たる位置になっていないか見ておく
- 灯油を吸着させるものを備えておき、漏れに気づいたときにすぐ対応できるようにする
タンクの固定や送油管の状態は、年1回の点検の際に一緒に見てもらうのが確実です。
ゴム製送油管は2〜3年での交換が推奨されており、劣化したまま揺れを受けると漏れの原因になります。
よくある質問
Q1. 揺れを感じていないのにエラー2が出ました。故障ですか。
すぐに故障と判断する必要はありません。
対震装置は衝撃を感知する仕組みのため、体感しにくい小さな揺れや、機器への直接的な衝撃でも作動することがあります。
近くで除雪や工事があった、屋根から落雪があったといった心当たりがないか確認してみてください。
一度きりであれば、機器の状態を確認したうえで再運転して様子を見て構いません。
Q2. 再運転はすぐに押してもよいですか。
確認を先に行ってください。
灯油漏れ、循環液漏れ、本体の損傷や傾き、給排気筒の外れ、周囲の可燃物の5点を見てから再運転するのが安全な順序です。
特に灯油漏れと給排気筒の外れは、気づかずに運転すると火災や一酸化炭素中毒につながるおそれがあります。
数分で終わる確認なので、省略しないことをおすすめします。
Q3. 地震のあと、灯油のにおいがします。どうすればよいですか。
運転しないでください。
においが強い場合は、どこかから灯油が漏れている可能性があります。
火気を近づけず、油タンクの周囲や送油管の経路、機器の足元を確認してください。
漏れが確認できた場合も、自分で締め直したり運転を試したりせず、状況を伝えて点検を依頼するのが安全です。
Q4. エラー2が何度も出ます。使い続けても問題ありませんか。
繰り返す場合は原因の切り分けが必要です。
据付が不安定で揺れやすい、振動の多い環境にあるといった設置側の問題か、対震装置そのものの不具合かで対応が変わります。
本来作動すべきでない場面で反応しているのであれば、安全装置として正しく機能していない状態です。
発生した日時と頻度を控えたうえで、点検を依頼してください。
Q5. 冬に暖房が止まると困ります。復旧までの間はどうすればよいですか。
再運転で復帰しない場合、無理に運転操作を繰り返すのは避けてください。
暖房が使えない間は、別の暖房手段で室温を確保しつつ、配管の凍結に注意する必要があります。
寒冷地で長時間停止する見込みがある場合は、凍結予防の措置について連絡時にあわせて相談しておくと安心です。
状況を伝える際は、型番と表示されている番号を控えておいてください。
まとめ
エラー2は、対震装置が揺れや衝撃を感知して燃焼を止めた状態を示す表示です。
機器の故障を意味するものではなく、多くは再運転で復帰します。
ただし、押す前に確認すべきことがあります。
灯油漏れ、循環液漏れ、本体の損傷、給排気筒の外れ、周囲の可燃物。
この5点を見てから運転スイッチを押す、という順序を守ってください。
再運転しても復帰しない場合や、短期間に何度も表示される場合は、据付状態か装置側に原因が残っています。
繰り返し操作を試すのではなく、発生の状況を控えて点検を依頼してください。

