朝になっても残湯量の目盛が増えておらず、リモコンにHEから始まる番号が表示されていませんか。
HEの表示は、屋外に置かれたヒートポンプユニット側に異常が生じていることを示します。
お湯を沸かす動作が止まる一方で、タンクに溜まっているお湯は使えるのがこの系統の特徴です。
この記事では、まず試す操作、HE22で確認したい原因、番号別の想定部品と修理料金の目安、そして修理と交換の判断材料までを整理します。
HEはヒートポンプユニット側の異常
エコキュートは2つの機器で構成されています。
屋外に置かれた四角い機器がヒートポンプユニットで、空気中の熱を集めてお湯を沸かす役割を担います。
沸いたお湯を溜めておくのが、縦長のタンクである貯湯ユニットです。
HEから始まる番号は、このうちヒートポンプユニット側の異常を知らせます。
沸き上げができなくなるため、時間の経過とともにお湯が足りなくなっていきます。
現れる症状は次のとおりです。
- 朝になってもリモコンの残湯量目盛が全点灯していない
- お湯が沸かない、沸き増しをしても増えない
- タンクに溜まっているお湯は使える
つまり、気づいた時点ですぐお湯が止まるわけではないということです。
残っているお湯を使い切るまでのあいだに対処を進められます。
まず試す操作
- リモコンに操作案内が出ていれば、その指示どおりに操作する(例:メニューボタンの長押し)
- 案内がなければ、貯湯ユニットの漏電遮断器(ブレーカー)を「OFF」にする
- 約5秒後に「ON」に戻す
- リモコンの表示が立ち上がり、点検表示が消えているか確認する
- 開けた操作カバーを必ず閉じる
改善しない場合は、やけどや感電のおそれがあるため使用を控えてください。
そのうえで、販売店またはメーカーの修理受付センターへ連絡します。
修理受付センターの番号は0120-3121-68(携帯電話からは0570-0031-68)です。
なお、操作するのは貯湯ユニット側の漏電遮断器です。
屋外のヒートポンプユニットのカバーを開けたり、配管に触れたりしないでください。
ヒートポンプ配管は高温になり、内部には高圧の冷媒が入っています。
解除操作そのものの詳しい手順は日立エコキュートの点検表示を解除する方法|再発したときの判断もにまとめています。
HE22は原因が3つに分かれる
HE番号のなかで個別に案内が出ているのがHE22です。
ヒートポンプユニットと貯湯ユニットの間で、お湯が正常に循環していない状態を示します。
原因は次の3つに分かれ、それぞれ対処先が変わります。
| 原因 | 該当しやすい状況 | 対処 |
|---|---|---|
| 配管の凍結 | 冬場、氷点下の朝 | 自然解凍を待つ |
| 配管内の空気混入・詰まり・閉塞 | 据え付けて間もない時期 | 施工業者に連絡する |
| 機器側の異常 | 上記に当てはまらない | 販売店・修理受付センターへ連絡する |
据え付けから間もない時期に出た場合は、修理窓口ではなく工事を担当した施工業者に先に連絡するのが近道です。
配管内の空気抜きや接続の確認は、工事側の作業になります。
冬場の凍結が原因であれば、気温が上がって自然に解けるのを待ちます。
熱湯をかけて溶かそうとすると、配管が破裂して水漏れにつながるおそれがあります。
HE番号別の想定部品と修理料金の目安
日立は修理料金の目安を公表しており、番号ごとの想定部品と金額を確認できます。
金額は技術料・部品代・出張料の合計で、税込です。
温度センサー・基板に関する番号
| 表示 | 公表されている名称 | 想定部品 | 料金目安 |
|---|---|---|---|
| HE04 | 冷媒出口サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE05 | 水熱交入口サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE06 | 水熱交出口サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE09 | 外気温サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE10 | 水熱交出口冷媒温度サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE11 | 圧縮機出口温度サーミスタ異常 | ヒートポンプユニット温度センサー | 32,000〜34,000円前後 |
| HE14 | 基板通信異常 | ヒートポンプユニット基板 | 58,000〜60,000円前後 |
| HE25・HE27・HE28 | 力率改善回路異常/電源電圧異常/インバータ異常 | ヒートポンプユニット基板 | 58,000〜60,000円前後 |
| HE32・HE33 | 除霜電磁弁異常/コントロール部制御異常 | ヒートポンプユニット基板 | 58,000〜60,000円前後 |
圧縮機・熱交換器に関する番号
| 表示 | 公表されている名称 | 想定部品 | 料金目安 |
|---|---|---|---|
| HE01 | 冷媒漏れ異常 | コンプレッサまたは水熱交 | 116,000〜138,000円前後 |
| HE03 | 冷媒圧力高圧異常 | 水熱交またはポンプ | 57,000〜126,000円前後 |
| HE18 | ヒートポンプユニット水漏れ検出 | 水熱交 | 116,000〜126,000円前後 |
| HE19 | 冷媒漏れ異常 | コンプレッサ | 116,000〜138,000円前後 |
| HE20 | 冷媒吐出温度異常 | 水熱交またはポンプ | 57,000〜126,000円前後 |
| HE21 | 沸き上げ温度低温検出 | 水熱交またはポンプ | 57,000〜126,000円前後 |
| HE22 | 水系循環配管異常 | 水熱交またはポンプ | 57,000〜126,000円前後 |
| HE24・HE26・HE29 | 過電流異常/圧縮機起動異常/インバータ過負荷異常 | コンプレッサまたは基板 | 58,000〜138,000円前後 |
| HE31 | 圧力センサー異常 | 圧力センサ | 83,000〜86,000円前後 |
その他の番号
| 表示 | 公表されている名称 | 想定部品 | 料金目安 |
|---|---|---|---|
| HE15 | ファンモータ異常 | モータ | 38,000〜40,000円前後 |
| HE16 | 循環ポンプ異常 | ポンプ | 57,000〜59,000円前後 |
| HE23 | 過電圧異常 | 水熱交/ポンプ/基板 | 57,000〜126,000円前後 |
出張料は3,850円で、訪問後に修理をキャンセルした場合は診断料と合わせて5,830円の負担が生じます。
この目安はメーカーに直接依頼した場合のもので、販売店経由では料金体系が異なります。
費用から見た修理と交換の判断
HE系の表示で注意したいのは、部品によって費用の幅が非常に大きい点です。
- 温度センサーの交換であれば3万円台
- 基板やファンモータであれば4万〜6万円前後
- 圧縮機や水熱交換器になると11万〜14万円前後
同じHE表示でも、3万円台で済むものと13万円を超えるものがあります。
点検の際は、どの部品の交換なのかを必ず確認してください。
判断の目安は次のとおりです。
| 状況 | 傾向 |
|---|---|
| 設置5年以内・温度センサーの交換 | 修理で継続する判断がしやすい |
| 設置8〜10年・基板やモータの交換 | 修理費と本体交換費を比較する |
| 圧縮機や水熱交換器の交換提案が出た | 交換を前提に検討する |
| 補修用性能部品の保有期間を過ぎている | 交換を前提に検討する |
日立の家庭用エコキュートでは、補修用性能部品の保有期間は製造打切後10年とされています。
この期間を過ぎた機種では部品が確保できず、修理そのものが成立しない場合があります。
交換時期の考え方はエコキュートの寿命は何年?10年が目安と言われる理由と交換を考えるタイミングにまとめています。
Er番号側の費用も含めた一覧は日立エコキュートEr番号別の修理費用|想定部品と料金の目安で解説しています。
2021年製の一部で発生する事象
2021年10月から12月に製造された家庭用エコキュートの一部で、外気温が低いときの沸き上げ運転において、まれにHE19(冷媒吐出温度異常)を表示して沸き上げを行わない場合があることが公表されています。
この事象について案内されている内容は次のとおりです。
- タンクにお湯が残っていれば、給湯やふろ湯はりは行える
- 点検表示は、メニューボタンの3秒以上の長押し、または本体の電源スイッチのリセットで一時的に解除できる
- 製品の安全性に問題はない
冬場に沸き上げができない症状が出て、2021年製の機器をお使いの場合は、この案内に該当しないか確認してください。
貯湯ユニット本体のラベルで製造年を確かめ、型式と製造番号を控えたうえで窓口に連絡する流れになります。
冬にHE表示が出やすい理由
ヒートポンプは空気中の熱を集めてお湯を沸かす仕組みです。
外気温が下がるほど集められる熱が少なくなり、機器への負荷が大きくなります。
そのため、冬場は次のような状況が重なりやすくなります。
- 配管の凍結で循環できなくなる
- 沸き上げに時間がかかり、朝までに満タンにならない
- 除霜のための運転が入り、沸き上げが中断する
ここで区別したいのが、番号を伴わない正常な動作です。
ヒートポンプユニットの背面にある熱交換器に霜が付いて白くなる、運転と停止を繰り返す、といった現象は仕組み上の正常な挙動で、故障ではありません。
判断の分かれ目は、リモコンに番号が表示されているかどうかです。
番号が出ていなければ、まず残湯量の表示を確認し、少なければ沸き増しを行ってください。
点検を依頼するときに伝えること
| 伝える内容 | 確認場所 |
|---|---|
| 表示された番号 | リモコンの表示部(解除前に控える) |
| 機器の型式と製造番号 | 貯湯ユニット本体のラベル |
| いつから沸き上げができていないか | 残湯量の推移 |
| 設置からの年数と製造年 | 本体ラベル、保証書 |
| 据付けからの期間 | 直近で工事をしていないか |
HE系は部品によって費用の差が大きいため、番号を正確に伝えることが特に重要です。
想定部品を事前に把握してもらえれば、訪問時に持参してもらえる可能性が高まります。
表示された番号ごとの意味は日立エコキュートのエラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準から確認できます。
よくある質問
Q1. HE表示が出ていますが、今あるお湯は使っても大丈夫ですか?
タンクに溜まっているお湯を使うこと自体は可能です。
ただし、再起動しても改善しない場合は、やけどや感電のおそれがあるため使用を控えるよう案内されています。
再起動で表示が消えないのであれば、お湯の使用を控えて点検を依頼してください。
残湯を使い切ると新たに沸き上げができないため、当面の入浴計画も考えておくと安心です。
Q2. 修理費用が10万円を超えると言われました。交換したほうがよいですか?
圧縮機や水熱交換器の交換になると、11万〜14万円前後が目安とされています。
設置から8年以上経過している場合、この金額を払っても他の部位が近いうちに劣化する可能性があります。
点検の際に本体交換の見積もりも出してもらい、比較したうえで判断してください。
補助金の対象になる時期であれば、交換の負担が下がることもあります。
Q3. 屋外のヒートポンプユニットを自分で確認できますか?
外観を見る、周囲に物が置かれていないかを確認する、といった範囲であれば問題ありません。
ただしカバーを開けたり、配管や電線に触れたりする作業は行わないでください。
ヒートポンプ配管は高温になり、内部には高圧の冷媒が封入されています。
再起動の操作も、屋外機ではなく貯湯ユニット側の漏電遮断器で行います。
Q4. 冬だけ表示が出て、暖かくなると消えます。修理は必要ですか?
配管の凍結が原因であれば、気温の上昇とともに解消することがあります。
その場合は機器の故障ではない可能性が高いといえます。
ただし毎冬繰り返す場合は、配管の保温状態が不十分なことも考えられるため、施工業者に相談してみてください。
2021年製の機器であれば、公表されている事象に該当しないかもあわせて確認してください。
Q5. 沸き増しをしてもお湯が増えません。HE表示と関係がありますか?
沸き上げを担うのがヒートポンプユニットのため、HE表示が出ている状態では沸き増しをしてもお湯は増えません。
残湯量の目盛が減る一方であれば、沸き上げが止まっていると考えられます。
まずは再起動を試し、それでも増えないようであれば点検を依頼してください。
その間はお湯の使用量を抑え、残湯を計画的に使うようにしてください。
まとめ
HEから始まる表示は、ヒートポンプユニット側の異常を知らせるものです。
- お湯は沸かなくなるが、タンクの残り湯は使える
- まず案内どおりの操作か、漏電遮断器をOFF→約5秒後にONで再起動する
- 改善しない場合は使用を控えて点検を依頼する
- HE22は凍結、据付直後の配管、機器側で対処先が変わる
- 部品によって費用は3万円台から14万円前後まで開きがある
番号を控えたうえで、どの部品の交換になるのかを確認してから判断してください。

