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業務用レンジフードと家庭用の違いとは?法令上の基準を解説

業務用レンジフードと家庭用レンジフードの違いを比較し、法令上の基準を解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

飲食店の開業や厨房のリフォームを考え始めると、「レンジフード」という同じ言葉でも、家庭用とは規模も規制も違うことに気づかされます。

業務用の厨房設備は、消防法や条例にもとづく厳格な基準の対象になり、家庭用の感覚のまま選ぶと、設置基準を満たせないこともあります。

この記事では、業務用レンジフードと家庭用の違い、法令上の基準、選ぶときのポイントまでを解説します。

  • 業務用レンジフードと家庭用レンジフードの主な違い
  • 消防法・火災予防条例にもとづく設置基準
  • 業務用レンジフードを選ぶときのポイント
目次

業務用と家庭用の主な違い

業務用レンジフードと家庭用レンジフードは、同じ「油煙を排出する設備」でありながら、規模や求められる性能が大きく異なります。

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比較項目家庭用業務用
対応する熱源の数コンロ1台分(1〜3口)複数の調理機器(フライヤー・かまどなど)
サイズ幅60〜90cm程度厨房設備の規模に応じて特注されることが多い
風量家庭の調理量に合わせた設計大量の油煙・熱に対応する高い風量
グリスフィルターの規制金属製が基本用途・規模に応じてグリスエクストラクターなど高度な装置も使われる
法令上の位置づけ住宅の設備として、条例等で規制厨房設備として、より詳細な消防法令・条例の対象になる

業務用のレンジフードは、単に「大きい家庭用」ではなく、法令上も家庭用とは異なる、より詳細な基準の対象になります。

飲食店などの厨房設備を計画する場合は、家庭用の知識だけで進めず、専門の業者に相談することが不可欠です。

消防法・火災予防条例にもとづく設置基準

📎 出典:FUJIOH(富士工業)|消防法・火災予防条例における規制

富士工業は、東京消防庁により制定された火災予防条例(東京都条例第65号)にもとづき、共同住宅などでレンジフードを設置する場合の規制を紹介しています。

その内容として、レンジフード本体の幅及び奥行きは調理機器の幅及び奥行きの寸法以上とすること、金属製のグリスフィルターを用いること、グリスフィルターは調理機器表面より80cm以上離すことが挙げられています。

また、レンジフード本体と可燃物との距離は10cm以上離すこと(側方は9mm以上、上方は5mmまたは9mm以上の特定不燃材料で被覆した場合はこの限りではない)、排気ダクトと可燃物との距離も10cm以上離すことといった基準が示されています。

なお、この条例は施工される地域により異なる規制を受けることがあるため、事前に所轄の官公庁への相談が必要だとされています。

基準の項目内容(東京都の例)
レンジフードの幅・奥行き調理機器の幅・奥行き以上
グリスフィルターの材質金属製
グリスフィルターと調理機器の距離80cm以上
本体と可燃物との距離10cm以上(不燃材料での被覆により緩和される場合あり)
排気ダクトと可燃物との距離10cm以上(被覆により緩和される場合あり)

これらの基準は東京都の条例にもとづく一例であり、実際の規制は自治体によって異なります。

業務用厨房を計画する際は、必ず所轄の消防署や、設置予定の自治体の条例を確認しましょう。

「レンジフードファン」の法令上の定義

業務用の厨房設備に関する法令や通知では、「レンジフードファン」という用語が、特定の意味で定義されています。

📎 出典:総務省消防庁|消防予第231号(電気を熱源とする調理用機器とグリスフィルターの離隔距離について)

総務省消防庁の通知では、「レンジフードファン」とは、電気用品安全法施行令に規定する換気扇(厨房用)で、機器の一部を天蓋とした風量15立方メートル毎分以下のものと定義されています。

この定義に当てはまらない、より大きな風量の厨房設備は、「レンジフードファン」とは別の区分として扱われることがあります。

業務用の厨房設備を検討する際は、この法令上の区分によって、適用される基準が変わる場合があることを知っておきましょう。

グリスエクストラクターという選択肢

業務用の厨房では、通常の金属製グリスフィルターに加えて、「グリスエクストラクター」と呼ばれる高度な油煙処理装置が使われることがあります。

これは、天蓋内部で機械的に排気気流を縮流加速し、その遠心力によって排気中の油脂やじんあいを分離し、除去した油脂を自動的に洗浄する機能を持つ装置です。

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装置仕組み主な使用場面
グリスフィルター金属製の媒介物で油煙を物理的に分離する一般的な厨房設備
グリスエクストラクター遠心力で油煙を分離し、自動洗浄機能を持つ大量の油煙が発生する厨房、ダクト火災対策を重視する現場

グリスエクストラクターは、油煙の処理能力が高く、ダクト内部への油の蓄積を抑える効果が期待できる装置です。

導入コストは通常のグリスフィルターより高くなる傾向がありますが、火災リスクの低減や、清掃の手間の軽減につながる場合があります。

家庭用レンジフードの自動洗浄機能とは仕組みが異なるため、混同しないようにしましょう。

家庭用の自動洗浄機能については、レンジフードの自動洗浄機能とは?仕組みと注意点を解説で解説しています。

業務用レンジフードを選ぶときのポイント

確認ポイント内容
厨房設備の規模調理機器の種類・数に応じた適切なサイズを選ぶ
法令上の基準所轄の消防署・自治体の条例を確認する
グリスフィルターの種類通常のフィルターか、グリスエクストラクターかを検討する
清掃・メンテナンス体制定期的な清掃を行う体制を整える
ダクトの設計油の蓄積によるダクト火災を防ぐ設計にする

業務用のレンジフードは、家庭用以上に定期的な清掃とメンテナンスが重要です。

飲食店などの厨房では、専門の清掃業者による定期的なグリスフィルター・ダクトの清掃が求められることが一般的です。

設置や選定は、必ず業務用厨房設備の実績がある専門業者に依頼しましょう。

よくある質問

Q1. 業務用レンジフードと家庭用レンジフードは、同じ製品を使えますか?

対応できる場合もありますが、多くの場合は別の製品です。業務用は、複数の調理機器に対応する大きな風量や、厨房設備の規模に応じた特注のサイズが必要になることが多く、法令上の基準も家庭用より詳細です。飲食店などの厨房設備は、業務用として設計・施工することが基本です。

Q2. 業務用レンジフードの設置基準はどこで確認できますか?

所轄の消防署や、設置予定の自治体の火災予防条例で確認できます。東京都の例では、グリスフィルターと調理機器の距離を80cm以上、本体と可燃物との距離を10cm以上とする基準などが定められています。ただし、地域によって規制が異なるため、必ず事前に確認しましょう。

Q3. グリスエクストラクターとは何ですか?

天蓋内部で機械的に排気気流を縮流加速し、遠心力によって油煙を分離・除去する装置で、除去した油脂を自動的に洗浄する機能を持つものを指します。通常の金属製グリスフィルターより高い処理能力を持ち、ダクト内部への油の蓄積を抑える効果が期待できます。

Q4. 業務用の厨房でレンジフードの清掃を怠るとどうなりますか?

ダクト内部に油が蓄積し、火災のリスクが高まります。飲食店などの厨房では、定期的な清掃が法令や条例で求められることが一般的で、専門の清掃業者に依頼するケースも多く見られます。清掃を怠ると、火災だけでなく、換気性能の低下にもつながります。

Q5. 個人の飲食店開業でレンジフードを選ぶとき、誰に相談すればよいですか?

厨房設備の設計・施工に実績のある専門業者や、レンジフードメーカーの業務用窓口に相談することをおすすめします。所轄の消防署への確認も必要になるため、開業を計画する段階で、早めに専門家に相談しながら進めましょう。

まとめ

業務用レンジフードは、家庭用とは規模も法令上の基準も異なり、消防法や条例にもとづく詳細な規制の対象になります。

最後に、この記事のポイントを整理します。

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ポイント内容
家庭用との違い対応する熱源の数、サイズ、風量、法令上の位置づけが異なる
設置基準の例グリスフィルターと調理機器の距離80cm以上、可燃物との距離10cm以上(東京都の例)
レンジフードファンの定義風量15立方メートル毎分以下の、機器の一部を天蓋とした厨房用換気扇
グリスエクストラクター遠心力で油煙を分離し、自動洗浄機能を持つ高度な装置
選び方厨房規模、法令基準、清掃体制を踏まえ、専門業者に相談する

業務用レンジフードの導入を検討する際は、まず所轄の消防署に確認し、厨房設備の専門業者に相談するところから始めてみてください。

家庭用とは異なる基準を正しく理解することが、安全な厨房づくりの第一歩です。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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