ガスコンロを選んでいると、「水なし両面焼き」「片面焼き」という言葉が並んでいて、結局どちらが自分に合っているのか迷っていませんか。
どちらも魚を焼くための機能ですが、焼き方の仕組みも、かかる時間も、仕上がりも異なります。
価格差もあるため、「とりあえず良さそうなほう」で決めてしまうと、思っていた使い勝手と違うということにもなりかねません。
この記事では、両面焼きと片面焼きの仕組みの違い、見分け方、それぞれのメリット・デメリット、選ぶときの判断基準を、メーカーやガス会社の情報をもとに整理します。
両面焼きと片面焼きの仕組みの違い
まず、両面焼きと片面焼きが、グリルの中でどう違うのかを理解しておきましょう。
火口が上下にあるのが両面焼きで、上だけについているのが片面焼きです。
片面焼きのグリルは、庫内を覗き込むと受け皿の上部にだけ火がつくのが分かります。
一方、両面焼きのグリルは、受け皿の上部だけでなく下方にも火がつく部分があり、上下から同時に食材を熱することができます。
| 項目 | 片面焼き | 両面焼き |
|---|---|---|
| 加熱方式 | 上部バーナーのみ | 上下バーナー |
| 見分け方 | 庫内上部にしか火口がない | 庫内の上下に火口がある |
| ひっくり返す作業 | 必要 | 不要 |
自宅のコンロがどちらのタイプか分からない場合は、グリルの扉を開けて、庫内の上下どちらに火口があるかを確認すれば簡単に見分けられます。
焼き時間の違い
両面焼きと片面焼きの最大の違いは、焼き上がりまでの時間です。
両面焼きは上下にバーナーがあるぶん、調理時間は片面焼きの約3分の2になるとされています。
別の情報源では、両面焼きは片面焼きの約半分の時間で焼き上がるとも紹介されており、機種や食材によって差はあるものの、両面焼きのほうが明らかに短時間で調理できるという点は共通しています。
片面焼きは、十分に予熱してから焼き始める必要があり、焼けたのを確認したら一度グリルを開けて食材をひっくり返し、もう片面を焼くという工程が必要です。
この「ひっくり返す」というひと手間が、片面焼きと両面焼きの体感的な使い勝手の差につながっています。
それぞれのメリット・デメリット
片面焼きのメリット・デメリット
片面焼きは、直火でしっかり焼き上げる調理法のため、香ばしく美味しく仕上がるという声があります。
一方で、片面ずつ焼くため焼き上がりまでの時間がかかり、ひっくり返す作業自体が手間に感じられることもあります。
また、ひっくり返すときに、魚の身が崩れてしまうことがあるというデメリットも指摘されています。
| 片面焼きのメリット | 片面焼きのデメリット |
|---|---|
| 直火でしっかり焼ける | 焼き時間が長い |
| ひっくり返す工程で焼き加減を確認できる | ひっくり返す手間がかかる |
| 両面焼きより本体価格が安い傾向 | 身が崩れることがある |
両面焼きのメリット・デメリット
両面焼きは、ひっくり返す必要がないため、魚の身が割れる失敗がなく、同時に両面が焼けるため時短になるというメリットがあります。
途中で食材をひっくり返す手間がないため庫内の温度をしっかり保てる、という点も評価されています。
一方で、デメリットとして、片面焼きに比べて、魚が焼き上がるまでまったく動かさないため、焼き網にくっついてしまうことがあるという点が挙げられています。
| 両面焼きのメリット | 両面焼きのデメリット |
|---|---|
| ひっくり返す手間がなく身崩れしにくい | 焼き網に食材がくっつきやすいことがある |
| 焼き時間が短い(片面焼きの約2/3〜半分) | 本体価格がやや高め |
| 庫内の温度を保ちやすい | ── |
焼き網へのくっつきが気になる場合は、専用のグリル調理器やクッキングシートを併用すると軽減できます。
「水あり」と「水なし」の違いにも注意
両面焼き・片面焼きとあわせて確認しておきたいのが、「水あり(有水式)」と「水なし(無水式)」の違いです。
有水式は、高温になった魚の油が庫内の鉄板に落ちて発火するのを防ぐため、受け皿に水を入れて使う方式です。
一方、水なし(無水式)のグリルは、水の用意や、調理後に水の入った受け皿をシンクまで運んで洗う手間がありません。
現在発売されているグリル付きコンロのほとんどが、この無水式を採用しているとされています。
水なしグリルの受け皿に誤って水を入れると、こぼれる危険があるほか、熱反射が弱くなって裏面の焼けが悪くなるため、絶対に水を入れないでください。
以前は水ありグリルが片面焼きの主流でしたが、現在は水なしで両面焼きができるグリルも普及しています。
コンロを選ぶときは、「両面焼きか片面焼きか」だけでなく、「水ありか水なしか」もあわせて確認しておくと、実際の使い勝手をイメージしやすくなります。
価格の違い
両面焼きグリルは、片面焼きグリルに比べると本体価格がやや高くなる傾向にあります。
両面焼きの機能付きコンロのほうが便利な分、価格も上がり、より高価なモデルとなるのが一般的です。
価格差を踏まえたうえで、時短や身崩れの防止といったメリットにどれだけ価値を感じるかが、選ぶときのポイントになります。
グリル以外の機能も含めた本体価格の比較は、ガスコンロのおすすめ8選|テーブルコンロの選び方と価格帯別の比較で紹介しています。
どちらを選ぶべき?判断基準
ここまでの内容を踏まえて、両面焼き・片面焼きのどちらが向いているかを整理します。
| 判断基準 | 両面焼きが向いている人 | 片面焼きでも十分な人 |
|---|---|---|
| グリルの使用頻度 | 週に数回以上グリルを使う | グリルはたまにしか使わない |
| 時短を重視するか | 焼き時間を短くしたい | ひっくり返す手間を気にしない |
| 魚の扱い | 身の崩れやすい魚をよく焼く | 崩れにくい厚めの切り身が中心 |
| 予算 | 本体価格が多少高くても機能を優先したい | できるだけ価格を抑えたい |
グリルの出番が多い人ほど、両面焼きの時短効果や手間の少なさを実感しやすくなります。
逆に、グリルをあまり使わない、または価格を優先したい場合は、片面焼きでも十分に満足できる可能性があります。
グリルをまったく使わない場合は、グリルなしのコンロという選択肢も検討できます。
グリルなしコンロのメリット・デメリットは、グリルなしガスコンロは後悔する?メリット・デメリットを解説で詳しく解説しています。
お手入れのしやすさも比較しておく
グリルは、両面焼きか片面焼きかだけでなく、日々のお手入れのしやすさも選ぶときの重要なポイントです。
日々の料理でグリルの出番が多い人ほど、お手入れがしやすい機種を選ぶことをおすすめします。
グリルのお手入れがしにくい機種だと、使うたびの掃除が面倒になり、結果的にグリルを使う頻度も減ってしまうことがあるとされています。
両面焼き・片面焼きにかかわらず、焼き網や受け皿が取り外しやすいか、グリル専用のクリーナーが使えるかといった点もあわせて確認しましょう。
グリルの掃除方法については、グリルの掃除方法|焼き網・受け皿・庫内の汚れと臭いの落とし方で詳しく解説しています。
グリル調理器を使えばさらに便利に
両面焼きグリルの中には、専用のグリル調理器(ふた付きの調理容器)に対応した機種もあります。
グリル調理器を使うと、魚を焼くだけでなく、揚げ物の温めなおしや、オプション品によってはパンや炊飯、煮物まで作れる多機能なタイプもあるとされています。
魚以外の調理にもグリルを積極的に活用したい場合は、対応するグリル調理器があるかどうかも、機種選びのポイントになります。
よくある質問
自宅のグリルが両面焼きか片面焼きか、どうやって確認しますか?
グリルの扉を開けて、庫内を覗き込むことで確認できます。受け皿の上部にしか火口が見えない場合は片面焼き、上部と下部の両方に火口がある場合は両面焼きです。取扱説明書に記載がある場合もあるため、型式が分かれば、メーカーの公式サイトで仕様を確認する方法もあります。判断に迷う場合は、実際に一度グリルを使ってみて、上下どちらから熱が伝わってくるかを確認するのもひとつの方法です。
両面焼きグリルはひっくり返さなくてよいと聞きましたが本当ですか?
はい、上下のバーナーで同時に加熱するため、片面焼きのように途中で食材をひっくり返す必要はありません。この点が、両面焼きの大きなメリットとされています。ただし、機種や食材の厚みによっては、焼き加減を均一にするために説明書で位置の調整などが案内されている場合もあるため、購入した機種の取扱説明書も確認しておくと安心です。
水なしグリルに水を入れてしまったらどうなりますか?
水なし(無水式)のグリルは、受け皿が水を入れる形状になっていないため、水を入れるとこぼれてしまう危険があります。また、熱反射が弱くなり、裏面の焼け方が悪くなるとされています。誤って水を入れてしまった場合は、すぐに拭き取り、正しい使い方(水を入れずに使う)に戻してください。取扱説明書に記載された使用方法を守ることが、安全においしく調理するための基本です。
片面焼きから両面焼きに交換すると、費用はどのくらい変わりますか?
一般的に、両面焼きグリル付きのコンロは、片面焼きグリル付きのコンロよりも本体価格が高くなる傾向にあります。具体的な差額は機種やメーカーによって異なるため、候補となる複数の機種を比較して確認することをおすすめします。ビルトインコンロへの交換であれば、本体価格に加えて工事費もかかるため、総額での比較が必要です。交換費用の内訳については、別記事で詳しく解説しています。
両面焼きグリルは食材がくっつきやすいと聞きましたが対策はありますか?
両面焼きグリルは、焼いている間に食材を動かさないため、片面焼きに比べて焼き網にくっつきやすいことがあるとされています。対策としては、グリル専用のクッキングシートを敷く、油を軽く塗ってから焼く、対応するグリル調理器を使うといった方法があります。機種によっては、くっつきにくい加工がされた焼き網を採用しているものもあるため、購入時にあわせて確認してみるとよいでしょう。
まとめ
両面焼きと片面焼きは、加熱の仕組み・焼き時間・価格・お手入れのしやすさで違いがあります。
最後に要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 仕組みの違い | 片面焼きは上部のみ、両面焼きは上下から加熱 |
| 焼き時間 | 両面焼きは片面焼きの約半分〜3分の2 |
| 片面焼きの利点 | 直火でしっかり焼ける、価格が安め |
| 両面焼きの利点 | ひっくり返す手間がなく身崩れしにくい、時短になる |
| あわせて確認 | 水あり・水なしの違い、お手入れのしやすさ、グリル調理器への対応 |
グリルをどのくらいの頻度で使うか、時短と価格のどちらを優先したいかを振り返り、自分に合ったタイプを選んでみてください。

