ガスコンロからIHクッキングヒーターへの交換を考えているものの、電気工事が必要と聞いて、費用や流れがイメージできず足踏みしていませんか。
IHへの交換は、同じガスコンロ同士の交換とは違い、200V電源の工事やガス栓の閉鎖作業が加わるため、費用も工程も変わってきます。
この記事では、ガスコンロをIHに変える際にかかる費用の内訳、工事の流れ、マンションで注意すべき点、無資格でのDIYが危険な理由までを整理します。
ガスコンロをIHに変えるときにかかる費用の内訳
ガスコンロからIHへの交換では、通常のコンロ交換にはない工事が加わります。
まずは、どんな費用が発生するのかを確認しましょう。
| 費用項目 | 目安 |
|---|---|
| IH本体価格 | 安いもので35,000円、高いもので270,000円程度 |
| 交換設置工事 | 2万円程度 |
| ガス閉栓工事 | 5千円程度 |
| 200V電源の設置工事 | 3万〜4万円程度(配線状況によって2万〜5万円) |
| 分電盤の交換・増設(必要な場合) | 3万〜5万円程度アップ |
据置型のガスコンロから据置型のIHへの交換であれば、5万〜7万円程度の工事費用を想定しておくとよいとされています。
一方、ビルトインコンロの場合は、本体価格や電源工事の規模によって、費用相場が20万〜30万円程度になることもあるとされています。
本体価格は、2口IHにラジエントヒーターが付いた30,000円〜40,000円程度のモデルから、多機能な上位モデルまで幅があります。
ビルトインガスコンロ同士の交換工事が2万円程度であるのに対し、IHへの変更はそのぶん工事費が上乗せされると理解しておきましょう。
なぜ200V電源の工事が必要なのか
ビルトインタイプのIHクッキングヒーターは、その大半が200Vの電圧を必要とする製品です。
200Vの電源を使うには「単相3線式」と呼ばれる配線が必要で、現在の自宅がこの方式でない場合は、配線工事をしなければなりません。
分電盤を開けて、ブレーカーに3本の線が通っていれば単相3線式が来ていると判断でき、この場合は比較的簡単な配線工事で200Vに対応できるとされています。
分電盤の交換・増設が必要になるケース
分電盤にIH用のブレーカーを新しく1つ追加する必要がありますが、分電盤に予備スペースがない場合は、分電盤そのものを大きなものに交換するか、横に子盤(増設用ボックス)を取り付ける必要があります。
分電盤の交換が必要になると、費用が3万〜5万円ほどアップするとされています。
また、家全体で使える電気の量(契約アンペア)が足りない場合は、電力会社への申請が必要で、一般的にIHを導入するなら50A〜60A以上の契約が推奨されるとされています。
契約アンペアを増やすと、電気の基本料金が上がる点も理解しておきましょう。
工事の流れ
ガスコンロをIHに変える工事は、次のような流れで進みます。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 養生・ガスコンロの取り外し | 周辺を保護し、既存のガスコンロを撤去 |
| 2. ガス管の閉鎖作業 | 使わなくなるガス栓・配管を安全に閉じる |
| 3. (据置型からビルトインにする場合)キッチンのリフォーム | ユニットタイプからシステムタイプへの変更が必要になることがある |
| 4. 配線方式の変更 | 単相2線式の場合は単相3線式へ変更 |
| 5. 分電盤の交換・増設 | 200Vに対応していない、空きブレーカーがない場合に実施 |
| 6. 専用コンセントの新設 | 分電盤からコンロ設置箇所まで200V専用ケーブルを配線 |
| 7. IHの搬入・取り付け | 本体を設置し、配線を接続 |
| 8. 試運転・清掃・説明 | 動作確認と使い方の説明を受けて完了 |
作業時間の目安としては、既存ガスコンロの取り外しとガス栓閉止に30〜45分、IH本体の搬入・据付調整に30分、専用ブレーカーへの配線接続と絶縁・漏電チェックに60〜90分程度かかるとされています。
全体の作業時間は、配線工事の規模によって半日から1日程度を見込んでおくとよいでしょう。
配線方法によって費用と仕上がりが変わる
IH専用電源の配線方法には、外部からキッチンまで直接引き込む方法、宅内を露出配線で回す方法、天井や壁内に隠蔽して這わせる方法など、いくつかのやり方があります。
どの方法を選ぶかによって、工事の内容とリフォーム費用が大きく変わります。
依頼する工事業者には、仕上がりと費用の違いをよく説明してもらい、IH以外の部分で後悔が残らないようにすることが大切です。
リフォームの費用・工事方法は業者によって大きく異なるため、必ず複数の業者から相見積もりを取って比較しましょう。
マンションで交換する場合の注意点
マンションでガスコンロをIHに変更する場合は、戸建てとは異なる注意点があります。
マンションは1つの建物に複数の世帯が住んでいるため、ガス設備や電気設備の変更が管理規約で制限されている場合があります。
IHへのリフォームは建物全体の電力供給に影響を及ぼす可能性があるため、事前に管理組合や大家への確認が必要です。
場合によっては工事の許可が下りないこともあるため、早めに相談しておきましょう。
また、マンションによっては契約アンペア数が不足していることがあるため、事前確認が欠かせません。
無資格でのDIY配線は違法・危険
200Vの配線工事は「電気工事士法」により有資格者しか行うことができません。
無資格で工事をした場合は法律違反となり、大変危険です。
「工事費用を浮かせたい」とネット動画を見て見よう見まねでDIYすると、配線ミスによる漏電や火災などの大事故につながる危険性があります。
コンセントに挿すだけの100V据え置きタイプ以外は、必ず有資格者のいるリフォーム会社に依頼してください。
また、ガス管の閉鎖作業についても、専門の資格が必要な作業であるため、自分で行うことはできません。
ビルトインコンロの取り外し・取り付けが有資格者による作業であることは、ガスコンロ同士の交換でも同様です。
交換工事の詳しい内訳はガスコンロ交換の費用はいくら?工事費の内訳と追加費用の目安で解説しています。
見積もりで確認すべきこと
見積もりを取る際、「基本工事費コミコミ」といったチラシの表記には、追加工事が含まれていない場合が多い点に注意しましょう。
価格の安さだけで業者を選ぶと、あとから「分電盤交換費」「配線延長費」などの名目で想定外の追加請求をされるケースがあるとされています。
見積もり時には、次の点を確認しておくと安心です。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 分電盤の状況 | 200Vの配線が引けるか、空きブレーカーの有無 |
| 配線方法 | 露出配線か隠蔽配線か、それぞれの費用差 |
| ガス閉栓の範囲 | 閉栓作業がどこまで含まれているか |
| コンロ下の状況 | 収納かオーブンか(オーブンがある場合は追加工事が必要になることがある) |
| 追加費用の条件 | どのような場合に追加費用が発生するか |
築15年以上の住宅であれば、IH単体の交換だけでなく、キッチン全体のリフォームもあわせて検討する価値があるとされています。
IHとガスコンロそれぞれのメリット・デメリットは、ガスコンロとIHどっちがいい?光熱費・安全性・使い勝手を徹底比較で詳しく解説しています。
IHに変える前に確認しておきたいこと
工事を依頼する前に、次の点も確認しておきましょう。
| 確認すること | 理由 |
|---|---|
| 使えない調理器具がないか | IH非対応の鍋・フライパンは買い替えが必要 |
| 停電時の代替手段 | IHは停電時に使用できないため |
| 中華鍋など鍋振り調理の頻度 | IHは鍋を大きく動かす調理に制約がある |
| ガスの他の用途(給湯・暖房) | ガスを完全に使わなくなるか、他の用途で残すかを整理する |
よくある質問
ガスコンロをIHに変える費用は最低いくらくらいですか?
据置型のガスコンロから据置型のIHへの交換であれば、5万〜7万円程度が目安とされています。ビルトインコンロの場合は、本体価格や電源工事の規模によって20万〜30万円程度になることもあります。分電盤の交換が必要かどうかで費用が大きく変わるため、正確な金額は現地調査を受けたうえでの見積もりで確認することをおすすめします。
自宅が単相3線式かどうかはどうやって確認しますか?
分電盤(ブレーカーの箱)を開けて、ブレーカーに3本の線が通っているかを確認する方法があります。3本の線が通っていれば単相3線式が来ている可能性が高く、比較的簡単な配線工事で200Vに対応できるとされています。ただし、正確な判断は専門知識が必要なため、最終的には電気工事業者に現地調査を依頼して確認してもらうことをおすすめします。
マンションでIHへの交換をするには何を確認すればよいですか?
まず、管理規約でガス・電気設備の変更が制限されていないかを確認する必要があります。IHへのリフォームは建物全体の電力供給に影響することがあるため、管理組合や大家への事前確認が欠かせません。また、契約アンペア数が足りるかどうかも、マンションによっては制約があるため、早めに管理会社に相談し、必要であれば専門業者に現地調査を依頼しましょう。
IHへの交換工事は自分でできますか?
できません。200Vの配線工事は電気工事士法により有資格者しか行えず、無資格での工事は法律違反となります。また、ガス栓の閉鎖作業にも専門の資格が必要です。「工事費用を浮かせたい」という理由でDIYを試みると、配線ミスによる漏電や火災など重大な事故につながる危険があります。必ず有資格者のいるリフォーム会社や電気工事業者に依頼してください。
見積もりで追加費用を防ぐにはどうすればよいですか?
「基本工事費コミコミ」という表記だけで判断せず、分電盤の交換や配線方法、コンロ下の状況(収納かオーブンか)によって追加費用が発生する条件を、見積もり時に具体的に確認しておくことが大切です。また、複数の業者から相見積もりを取り、工事内容と費用の内訳を比較することで、想定外の追加請求を受けるリスクを減らせます。
まとめ
ガスコンロをIHに変える工事は、本体価格に加えて、ガス閉栓・200V電源の設置・分電盤の交換といった費用が必要になります。
最後に要点を整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 主な費用 | 本体価格、交換設置工事、ガス閉栓、200V電源工事、分電盤交換 |
| 費用の目安 | 据置型は5万〜7万円、ビルトインは20万〜30万円程度 |
| 単相3線式の確認 | 分電盤のブレーカーに3本の線があるかで判断できる |
| マンションの注意点 | 管理規約・契約アンペアの確認が必須 |
| 絶対に守ること | 200V配線・ガス閉栓は必ず有資格者に依頼する |
まずは自宅の分電盤の状況を確認し、複数の業者に現地調査を依頼して、正確な見積もりを比較するところから始めてみてください。

