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整流板にフィルターは必要?吸引力への影響を解説

レンジフードの整流板に取り付けたフィルターと吸引力への影響を解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

整流板タイプのレンジフードを使っていると、「掃除を楽にするために、整流板の上に市販のフィルターを貼った方がいいのでは」と考える方も多いのではないでしょうか。

実際、100円ショップやホームセンターには、整流板に貼り付けるタイプのフィルターが数多く販売されています。

しかし、整流板にフィルターを重ねる使い方には、吸引力の低下や法令上の注意点があることをご存じでしょうか。

この記事では、整流板とフィルターを組み合わせる際に知っておきたいポイントを、東京ガスの公式コラムをもとに解説します。

  • 整流板にフィルターを重ねると吸引力が弱まる理由
  • 法令上の離隔距離とフィルター素材の関係
  • 掃除の手間を減らすための代替案
目次

整流板にフィルターを重ねると吸引力が弱まる

📎 出典:東京ガス|レンジフードの整流板とは?

東京ガスの公式コラムでは、整流板を覆う不織布タイプのフィルターの使用について、「レンジフードに整流板を覆い隠す不織布タイプのフィルターをつけてしまうと、レンジフードの吸引力は弱まってしまいます」と明確に説明されています。

整流板は、コンロから上がってきた煙や油を含んだ空気を効率よく取り込むために設計された部品です。その表面を不織布フィルターで覆ってしまうと、空気の通り道がふさがれ、本来の吸引性能が発揮されにくくなります。

掃除を楽にしたいという理由でフィルターを重ねた結果、かえって油煙や調理臭が部屋に広がりやすくなってしまっては本末転倒です。整流板そのものの仕組みについては、レンジフードの整流板とは?仕組みと役割を解説でも詳しく解説しています。

法令上の離隔距離とフィルター素材の関係

東京ガスの公式コラムでは、吸引力の低下に加えて、法令上の注意点も指摘されています。不燃性以外の不織布フィルターは、「ガスコンロから100cm(1m)以上離して使用することが義務付けられています」とされています。

項目内容
不燃性フィルター標準的な設置距離(コンロから80〜100cm程度)で問題ない
不燃性以外(難燃性・可燃性)のフィルターコンロから100cm以上の離隔距離が義務付けられている
一般的なレンジフードの設置距離コンロから80〜85cm程度が多い

一般的な住宅のレンジフードは、コンロから80〜85cm程度の高さに設置されていることが多く、不燃性以外のフィルターが求める100cm以上という基準を満たせないケースがほとんどです。東京ガスの公式コラムでも、この点を踏まえて「ほとんどの家庭でこの距離要件を満たすことができず、使用が法的に不可能」であると説明されています。

離隔距離のルールについては、レンジフードの離隔距離は何cm必要?消防法・条例との関係を解説、素材の安全性についてはレンジフードの後付け不織布フィルターは危険?公式見解を解説でも詳しく解説しています。

なぜ整流板だけでも汚れをキャッチできるのか

整流板タイプのレンジフードは、そもそもフィルターなしで使うことを前提に設計されています。

整流板の表面には、油を含んだ空気が通過する際に油分が付着しやすい構造になっており、フィルターがなくても一定の油汚れをキャッチできる仕組みになっています。

整流板の役割内容
吸気の効率化開口部を絞り込み、吸引力を高める構造
油分の付着空気が整流板を通過する際に油分の一部が表面に付着する
掃除のしやすさフラットな形状のため、拭き取りだけで汚れを落としやすい

整流板は、フィルターがなくても機能するように設計された部品です。定期的に拭き取ることを前提にした構造なので、「フィルターがないと油汚れが防げない」というわけではありません。

それでもフィルターをつけたい場合の考え方

とはいえ、「毎回整流板を拭くのが面倒」「少しでも掃除の頻度を減らしたい」と感じる方もいるでしょう。その場合は、吸引力や法令上のリスクを理解したうえで、優先順位を整理することが大切です。

優先したいこと考え方
とにかく掃除の手間を減らしたいフィルターを重ねるより、こまめな拭き取り習慣に切り替える方が吸引力を落とさずに済む
換気性能を落としたくない整流板にフィルターは重ねず、整流板そのものを定期的に拭く
どうしても後付けフィルターを使いたい「不燃」表示があり、かつ自宅の離隔距離が基準を満たす製品を慎重に選ぶ
抜本的に手入れを楽にしたいフィルターレスタイプへの交換や、自動洗浄機能付きモデルへの買い替えを検討する

整流板の掃除の手間を根本的に減らしたい場合は、フィルターを重ねるのではなく、お手入れが簡単な設計のレンジフードへの交換を検討するのも一つの方法です。

自動でお手入れしてくれるタイプについては、レンジフードの自動洗浄機能とは?仕組みとメリットを解説、フィルターを使わない設計については、レンジフードのフィルターレスタイプとは?仕組みとお手入れの特徴でも詳しく解説しています。

100均の「整流板専用フィルター」との付き合い方

100円ショップやホームセンターには、整流板の形状に合わせてカットされた「整流板専用フィルター」も販売されています。手軽に使える一方で、こうした製品の多くも不織布素材でできているため、ここまで解説してきた吸引力低下・離隔距離の問題がそのまま当てはまります。

チェック項目確認すべき内容
素材表示パッケージに「不燃」と明記されているか
設置距離自宅のレンジフードとコンロの距離が100cm以上あるか(不燃性以外の場合)
使用頻度の想定頻繁に交換する前提なのか、長期間貼りっぱなしにする想定なのか
メーカーの取扱説明書後付けフィルターの使用について記載がないか

「整流板専用」とうたわれている製品であっても、不燃性が明記されていない不織布素材であれば、吸引力低下と離隔距離の両方の問題を抱えている可能性があります。購入前にパッケージの表示を必ず確認してください。

100均フィルター全般の選び方については、レンジフードフィルターは100均で代用できる?選び方の注意点でも詳しく解説しています。

整流板タイプとフィルター内蔵型、そもそもの設計思想の違い

「フィルターがないと不安」と感じる背景には、フィルター内蔵型のレンジフードとの比較があるかもしれません。しかし、整流板タイプとフィルター内蔵型は、もともと汚れへの対処方法が異なる設計思想でつくられています。

項目整流板タイプフィルター内蔵型
汚れの受け止め方整流板の表面に油分を付着させるフィルターの網目で油煙をキャッチする
掃除の考え方定期的に拭き取ることが前提フィルターを外して洗浄・交換することが前提
フィルターを追加する意味想定されていない使い方であり、吸引力低下のリスクがある標準の使い方の範囲内

整流板タイプにフィルター内蔵型の発想(フィルターで汚れをキャッチする)を持ち込むと、本来の設計とかみ合わず、吸引力の低下という形でデメリットが表面化しやすくなります。まずは自宅のレンジフードがどちらの設計思想でつくられているのかを理解しておくことが、適切なお手入れ方法を選ぶ近道です。

自宅のタイプの見分け方については、レンジフードのフィルターはどこにつける?取り付け位置の見分け方でも解説しています。

整流板の掃除頻度の目安

整流板タイプでフィルターを使わない場合、こまめな拭き取りが吸引力を維持するポイントになります。

使用状況拭き取りの目安
毎日油を使う調理が多い週1回程度、表面の軽い拭き取り
揚げ物など油を多く使う日が多い使用後、油が冷えて固まる前の早めの拭き取り
使用頻度が少ない月1〜2回程度の点検と拭き取り

整流板は、こまめに軽く拭き取ることで、頑固な油汚れの蓄積を防ぎやすくなります。汚れが固まってからまとめて掃除するより、こまめな拭き取りの方が結果的に手間が少なく済むことが多いです。

よくある質問

Q1. 整流板にフィルターを重ねても大丈夫ですか?

東京ガスの公式コラムでは、整流板を覆う不織布タイプのフィルターを使用すると、レンジフードの吸引力が弱まると説明されています。掃除を楽にするつもりが、換気性能の低下につながる可能性があります。

Q2. なぜ吸引力が弱まるのですか?

整流板は、空気の通り道を絞り込むことで吸引力を高める構造になっています。その表面を不織布フィルターで覆うと、空気の通り道がふさがれ、本来の性能が発揮されにくくなるためです。

Q3. 整流板にフィルターをつけるのは法律上も問題があるのですか?

不燃性以外の不織布フィルターは、ガスコンロから100cm以上離して使用することが義務付けられています。一般的なレンジフードの設置距離(80〜85cm程度)では、この基準を満たせないケースがほとんどです。

Q4. 整流板だけで油汚れは防げますか?

整流板は、フィルターがなくても油を含んだ空気が通過する際に油分の一部が表面に付着する構造になっています。定期的に拭き取ることを前提に設計されているため、フィルターがなくても一定の対策になります。

Q5. 掃除の手間を減らしたい場合、どうすればいいですか?

フィルターを重ねるのではなく、こまめな拭き取り習慣に切り替える、または自動洗浄機能付きモデルやフィルターレスタイプへの交換を検討するのがおすすめです。

まとめ

整流板にフィルターを重ねる使い方は、吸引力の低下と法令上の離隔距離の両方に注意が必要です。

最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
吸引力への影響不織布フィルターで整流板を覆うと吸引力が弱まる
法令上の注意点不燃性以外のフィルターは100cm以上の離隔距離が必要
整流板だけでも機能する理由フィルターなしで油分をキャッチする設計になっている
掃除を楽にしたい場合の代替案こまめな拭き取り、自動洗浄機能、フィルターレスタイプへの交換

整流板にフィルターを重ねる前に、吸引力の低下と法令上のリスクを理解したうえで、本当に必要かどうかを検討しましょう。

掃除の手間を根本的に減らしたい場合は、こまめな拭き取り習慣や、お手入れしやすい設計のレンジフードへの交換も選択肢に入れてみてください。

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この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

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