冬キャンプで「電気ストーブなら火を使わないから安全では」と考える人は多いです。
しかし、電気ストーブには、使える場所の条件と、必要な電源の条件があります。
この記事では、取扱説明書の使用場所の条件、電源の確保方法、W数の考え方、テント内で使うときの注意点を整理します。
確認したアイリスオーヤマの電気ストーブの取扱説明書では、屋外で使用しないとされています。
キャンプでの使用を勧めるものではなく、確認すべき点を整理する記事です。
まず取扱説明書の「使ってはいけない場所」を確認する
キャンプで使えるかどうかは、機種の取扱説明書で決まります。
アイリスオーヤマの電気ストーブ IEH-800W の取扱説明書には、次の禁止事項が記載されています。
| 項目 | 取扱説明書の内容 |
|---|---|
| 屋外 | 屋外で使用しない |
| 水まわり・風呂場など | 湿気のある場所では絶対に使用しない |
| 水 | 水につけたり、水をかけたりしない |
| 前方 | 1m以内にものを置かない |
| 本体 | 上に乗ったり、寄りかかったり、ものを置いたりしない |
| コンセント | 延長コードなどの定格を超える使い方をしない |
「屋外で使用しない」とされている製品は、タープの下や、屋外の電源サイトでも、使用が認められていないと考えるのが基本です。
機種によって記載は異なるため、手持ちの機種の取扱説明書で、「使用してはいけない場所」の欄を確認してください。
キャンプでの電気ストーブの使い方は3つに分かれる
キャンプで電気ストーブを検討する場面を、場所別に整理します。
| 場面 | 考え方 |
|---|---|
| 屋外(タープ下・サイトのテーブル周り) | 取扱説明書で屋外が禁止の機種は不可 |
| テント内 | 取扱説明書とテントの両方の条件を確認 |
| バンガロー・コテージ・ロッジの室内 | 室内の暖房として使う場合は、通常の室内使用に近い |
最後の「バンガロー・コテージ・ロッジの室内」は、建物の中なので、屋外使用には当たりません。
ただし、施設ごとに、持ち込める電化製品や、使える電気容量の決まりがあります。
施設の管理者に、持ち込める暖房器具とW数の条件を、先に確認してください。
電源の確保方法
電気ストーブは、使った電力のほとんどを熱にするため、消費電力が大きい暖房器具です。
キャンプでは、電源の確保方法が、使えるかどうかを大きく左右します。
| 電源の確保方法 | 考え方 |
|---|---|
| 電源付きサイト | サイトごとに使える電力の上限が決まっていることがある。事前に確認 |
| ポータブル電源 | 定格出力が、電気ストーブの消費電力を上回る必要がある |
| 発電機 | 騒音や排気の面で、使える場所に決まりがある |
| 内蔵バッテリー | 電気ストーブにバッテリー内蔵のものは、一般的ではない |
ポータブル電源で使う場合の計算は、ポータブル電源で電気ストーブは使える?の記事で整理しています。
バッテリー式の電気ストーブについては、充電式・コードレスの電気ストーブはある?の記事で解説しています。
W数の目安と、電源側の上限
アイリスオーヤマの IEH-800W は、強で800W、弱で400Wです。
山善の DS-SD083 も、強800W、弱400Wで、電気代の目安は強が1時間あたり約24.8円、弱が約12.4円(31円/kWh基準)と案内されています。
| 運転 | 消費電力 | 1時間の電力量 |
|---|---|---|
| 強 | 800W | 0.8kWh |
| 弱 | 400W | 0.4kWh |
一般的な家庭用コンセントは、1口あたり1,500Wが上限です。
キャンプ場の電源サイトでは、サイト全体で使える電力に上限があり、ほかの機器と同時に使うと、ブレーカーが落ちることがあります。
電気ケトルやホットプレートなど、消費電力の大きい機器と同時に使わないよう、計画しておくと安心です。
コンセントの容量の考え方は、コンセントのワット数の記事で整理しています。
テント内で使うときの注意
テント内で電気ストーブを使うことを考える場合は、次の点を確認します。
| 確認する点 | 理由 |
|---|---|
| 電気ストーブの取扱説明書 | 屋外が禁止の機種があるため |
| テントの取扱説明書 | 暖房器具の使用可否がテントごとに決まっているため |
| 床の素材・グラウンドシート | 熱で溶けたり、焦げたりするおそれがあるため |
| 本体の前方1mの空間 | 衣類、寝袋、テントの壁を近づけないため |
| 転倒したときの動き | 安全装置が働くか、地面が水平か |
| 電源コード | 地面の湿気、水たまりに触れないよう配線する |
テントの壁や寝袋、衣類は、電気ストーブの熱で燃えるおそれがあります。
前方1m以内にものを置かないでください。
火を使わなくても、電気ストーブは、可燃物に熱が当たると発火する危険があります。
事故の仕組みは、電気ストーブによる火事の記事で解説しています。
就寝中は使わない
日立の公式のよくある質問では、就寝中の使用について、やけどのおそれがあり、寝具などに触れると火災の原因にもなるため、絶対に使用しないよう案内されています。
📎 出典:就寝中に使用しても良いですか?(日立)
寝袋に入る前に、電気ストーブは必ず消してください。
キャンプの夜は冷え込むため、つけたまま寝たくなりますが、就寝中の使用は避けてください。
防寒は、寝袋、マット、湯たんぽなど、火災の心配が小さい方法を組み合わせるほうが安心です。
石油ストーブとの違い
キャンプで使う暖房として、石油ストーブも検討されます。
電気ストーブと石油ストーブでは、注意点が異なります。
| 項目 | 電気ストーブ | 石油ストーブ |
|---|---|---|
| 一酸化炭素 | 燃焼しないため発生しない | 発生するおそれがあり、換気が必要 |
| 電源 | 必要 | 電池点火の機種が多く、電源は基本不要 |
| 消費エネルギー | 電力(W)が大きい | 灯油 |
| 屋外での使用 | 取扱説明書で禁止の機種がある | 取扱説明書で禁止の機種が多い |
石油ストーブの場合は、石油ストーブをキャンプで使う場合や、テント内で使えるかの記事で整理しています。
どちらの暖房も、取扱説明書の使用場所の条件を守ることが前提です。
電気代と電力量の目安
電源付きサイトでは、電気代が別料金になる場合があります。
サイトの料金と合わせて、電力量の目安を知っておくと、計画を立てやすくなります。
山善の DS-SD083 の電気代の目安(31円/kWh基準)から、使う時間ごとの金額を計算します(当サイト試算)。
| 使い方 | 1時間 | 3時間 | 5時間 |
|---|---|---|---|
| 強(800W) | 約24.8円 | 約74円 | 約124円 |
| 弱(400W) | 約12.4円 | 約37円 | 約62円 |
電源付きサイトの料金体系は、サイトごとに異なります。
電気の使用量に応じた料金か、定額かを、予約の際に確認しておくと安心です。
ポータブル電源や発電機を使う場合は、電気代ではなく、容量や燃料が使用時間を決めます。
キャンプで電気ストーブを検討する前のチェックリスト
| チェック項目 | 確認 |
|---|---|
| 取扱説明書で、屋外使用が禁止されていないか | □ |
| 使う場所が、建物の室内か、屋外・テントか | □ |
| 電源の上限(W)に余裕があるか | □ |
| 前方1m以内に、燃えるものを置かないレイアウトか | □ |
| 水がかからず、地面が水平か | □ |
| 就寝時と外出時は、必ず消す計画か | □ |
| 延長コードを使う場合、定格を超えないか | □ |
ひとつでも「いいえ」があれば、使用を見送ることも選択肢です。
よくある質問
Q1. キャンプで電気ストーブは使えますか?
機種の取扱説明書によります。
確認したアイリスオーヤマの IEH-800W では、屋外で使用しないとされています。
建物の中(コテージなど)で使う場合は、施設の条件を確認してください。
Q2. テント内で電気ストーブを使ってもよいですか?
電気ストーブとテントの両方の取扱説明書を確認してください。
使える場合でも、前方1m以内にものを置かないなど、可燃物への配慮が必要です。
Q3. 電気ストーブは何Wの電源が必要ですか?
確認した2機種は、強で800W、弱で400Wです。
電源側の上限と、ほかの機器との合計で、余裕があるかを確認してください。
Q4. 寝る前につけたままにしてもよいですか?
だめです。
日立の公式のよくある質問では、就寝中の使用は、絶対に避けるよう案内されています。
Q5. 冬キャンプの暖房として、何を優先すべきですか?
暖房器具だけに頼らず、寝袋やマットなどの防寒を優先してください。
暖房器具は、取扱説明書の使用場所の条件に合う機種を選び、可燃物から離して使うことが大切です。
まとめ
キャンプで電気ストーブが使えるかどうかは、取扱説明書の使用場所の条件と、電源の確保で決まります。
最後に、この記事のポイントを整理します。
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 使用場所 | IEH-800Wは屋外で使用しないとされている |
| 電源 | 800W(強)・400W(弱)が目安。電源の上限に余裕を持たせる |
| テント内 | 電気ストーブとテント、両方の条件を確認 |
| 可燃物 | 前方1m以内にものを置かない |
| 就寝中 | 絶対に使用しない(日立) |
| 石油ストーブ | 一酸化炭素の注意が必要。取扱説明書の条件を確認 |
まずは、お手持ちの電気ストーブの取扱説明書で、「使ってはいけない場所」を確認してみてください。

