暖房が止まり、表示部に「EH」または「Eh」が出ていませんか。
コロナの温水ルームヒーターに表示されるEH・Ehは、機器内部の温度が異常に上昇したことを検知して停止したサインです。
公式に案内されている処置方法は点検または修理ですが、背景に設置環境の問題が隠れていることがある点が、他の表示と異なります。
そのため、連絡する前に見ておくと状況が整理しやすくなる箇所があります。
この記事では、EHとEhの違い、内部温度が上がる背景として考えられること、室外機側と室内機側でそれぞれ確認できること、点検を依頼する判断基準までを整理します。
EHとEhの違いは検知した場所
2つは内容が同じで、検知した側が異なります。
| 表示 | 内容 | 検知場所 |
|---|---|---|
| EH | 内部温度異常を検知 | 室外機 |
| Eh | 内部温度異常を検知 | 室内機 |
大文字のEHは室外機側、小文字のEhは室内機側です。
同じ使い分けは、停電を示すEEとEeにもあります。
表示部では大文字と小文字が見分けにくく、点滅中はなおさら判別しづらくなります。
2文字目が1文字目よりわずかに小さく、下に寄って見える場合はEhだと考えてください。
判断がつかない場合は、表示部を撮影しておくと後から確認でき、販売店に伝えるときにも役立ちます。
大文字と小文字の見分け方はコロナ温水ルームヒーターのEE・Ee|停電検知表示の解除と復帰手順でも触れています。
何を検知しているのか
EH・Ehが見ているのは、機器内部の温度です。
燃焼している部分の温度を測るE5・E6とは別のもので、制御基板をはじめとする内部の部品が置かれている環境の温度を指します。
電子部品には、正常に動作できる温度の範囲があります。
その範囲を超えると誤動作や損傷につながるため、一定の温度に達した時点で運転を止める仕組みになっています。
つまりEH・Ehは、機器が壊れたことを知らせる表示というより、このまま運転すると壊れる状態になったことを知らせる表示と考えるほうが実態に近くなります。
内部温度が上がる背景
内部の温度が上がる要因は、機器そのものだけとは限りません。
| 背景 | 関係しやすい表示 |
|---|---|
| 給気口・排気口が雪や落ち葉でふさがれている | EH |
| 機器を波板や物置で囲っている | EH |
| 塀や建物が近く、排ガスを再び吸い込んでいる | EH |
| 室内機の吸込口・吹出口がふさがれている | Eh |
| 室内機に直射日光が当たり続けている | Eh |
| 室内機の近くで別の暖房器具を使っている | Eh |
| 内部の部品や基板そのものの不具合 | EH・Eh |
上から6つは設置環境に関わるもので、確認と改善が可能な範囲です。
一方、環境を整えても表示が出る場合は、部品側の問題が疑われます。
室外機側(EH)で確認できること
室外機の設置場所を見に行き、次の点を確認してください。
- 給気口・排気口の周囲に雪が積もっていないか
- 落ち葉やゴミが吸込口に張り付いていないか
- 波板、段ボール、物置などで機器を囲っていないか
- 屋根からの落雪で本体が埋もれていないか
- 塀や建物との距離が近く、空気がよどんでいないか
機器や排気口を波板・段ボールなどで囲わないでください。
排ガスがこもり、不完全燃焼や火災につながるおそれがあります。
雪よけや風よけのつもりで設置したものが原因になっている場合は、取り除いてください。
見落とされやすいのが、排ガスの再循環です。
出したばかりの高温の排ガスを再び給気口から吸い込むと、内部の温度が上がりやすくなります。
機器の周囲に十分な空間があるかどうかは、雪が積もる時期になって初めて問題になることもあります。
積雪の影響は地域や設置場所によって差が大きい部分です。
シーズン中に何度か状態を見ておくと、表示が出る前に気づけます。
室内機側(Eh)で確認できること
室内機の場合、原因は身近なところにあることが少なくありません。
- 吸込口・吹出口の前に家具や荷物を置いていないか
- カーテンが吹出口にかぶさっていないか
- 洗濯物を機器の上や前に干していないか
- 吸込口にほこりが詰まっていないか
- 直射日光が長時間当たる位置にないか
- 近くで別の暖房器具を使っていないか
空気の出入りが妨げられると、機器内部に熱がこもります。
冬場は洗濯物を室内で干す機会が増えるため、暖房の前が物置き場になっているという状況は起こりやすくなります。
ほこりの詰まりも同様です。
シーズン初めに吸込口まわりを掃除しておくと、内部に熱がこもりにくくなります。
環境を整えても出る場合は点検が必要
周囲の状況を改善しても表示が出る場合、内部の部品側に原因があります。
- 給排気をふさぐものがないのに、繰り返しEHが出る
- 室内機の周囲を片づけても、Ehが再発する
- 運転を始めて短時間で表示が出る
- 表示と同時に、焦げたようなにおいがする
- 他の表示(E6・E8など)も一緒に出ている
焦げたにおいがする場合は、その時点で運転を中止してください。
内部の部品が過熱している可能性があります。
電源プラグを抜いたうえで、販売店またはコロナサービスセンターに連絡してください。
リセット操作で表示が消えることはありますが、原因が解消したわけではありません。
過熱を伴う状態で運転を繰り返すのは避けてください。
連絡するときに伝えるとよいこと
- 室外機と室内機の型式(CRB・CRHから始まる記号)
- 表示が大文字のEHか、小文字のEhか
- いつから、どのくらいの頻度で出ているか
- 給排気口や室内機まわりの状況(積雪、囲い、家具の配置など)
- 環境を改善してみたか、その後どうなったか
- 焦げたにおいや異音の有無
環境を改善しても再発したという事実は、点検する側にとって重要な情報です。
確認済みの項目を伝えることで、部品側の点検から入ってもらえます。
間違えやすい表示
| 表示 | 内容 | 違い |
|---|---|---|
| EE・Ee | 停電の検知 | 大文字・小文字の使い分けは同じだが内容は別 |
| E6 | バーナの高温異常 | 燃焼部そのものの温度。内部温度とは別 |
| E8 | 空焚き防止サーモの作動 | 熱交換器まわりの過熱。循環液の状態も関係する |
燃焼まわりの表示との違いはコロナ温水ルームヒーターのE1・E5〜E8|燃焼まわりの異常表示にまとめています。
表示の全体像はコロナ温水ルームヒーターのエラーサイン一覧|表示の意味と対処の目安を確認してください。
修理か買い替えかを判断する材料
EH・Ehで部品交換が必要になる場合、制御基板が対象になることがあります。
判断材料として押さえておきたいのが、補修用性能部品の保有期間は製造打ち切り後7年という点です。
基板のように機能の中心を担う部品が手に入らなければ、修理そのものができません。
| 状況 | 考え方 |
|---|---|
| 設置環境に原因が見つかった | 改善したうえで様子を見る |
| 環境を整えても繰り返す | 部品側の点検を依頼する |
| 設置から10年以上で、修理歴が複数回ある | 買い替えを含めて検討する |
| 88が表示されている | 点検を受けたうえで判断する |
年数の目安についてはコロナ温水ルームヒーターの88表示|点検時期お知らせの意味と消し方で整理しています。
📎 出典:株式会社コロナ 取扱説明書のダウンロード
よくある質問
Q1. EHとEhはどう見分ければいいですか。
2文字目の大きさと位置で判断します。
大文字のEHは室外機側、小文字のEhは室内機側で内部温度の異常を検知した表示です。
セグメント表示では見分けにくいため、2文字目が1文字目よりわずかに小さく、下に寄って見える場合はEhだと考えてください。
判断がつかない場合は表示部を撮影しておくと、後から確認できます。
どちらかによって確認する場所が室外機と室内機で分かれるため、この区別は重要です。
Q2. 雪よけのために室外機を囲っていました。関係ありますか。
関係している可能性が高い状況です。
波板や段ボールで機器を囲うと、排ガスがこもって内部の温度が上がりやすくなります。
不完全燃焼や火災につながるおそれもあるため、囲いは取り除いてください。
雪よけが必要な場合は、給気口と排気口の周囲に十分な空間を確保できる方法を販売店に相談するのが確実です。
自己判断で囲い直すのは避けてください。
Q3. 室内機の前に洗濯物を干していました。
Ehの原因として考えられる状況です。
吹出口や吸込口が洗濯物やカーテンでふさがれると、空気の流れが妨げられて機器内部に熱がこもります。
冬場は室内干しの機会が増えるため、暖房の前が物置き場になっていないか確認してみてください。
あわせて、吸込口にほこりが詰まっていないかも見ておくとよいでしょう。
片づけても再発する場合は、部品側の点検が必要です。
Q4. 環境を改善したら表示が出なくなりました。点検は必要ですか。
すぐに依頼する必要はありません。
給排気の妨げが原因であれば、それを取り除くことで内部温度は下がります。
ただし、過熱状態を何度も繰り返していた場合、部品に負担がかかっている可能性はあります。
その後の運転で異音や暖まりにくさなど別の変化が出てきた場合は、点検を依頼してください。
設置から10年前後が経過している場合も、次の点検の機会に状況を伝えておくと安心です。
Q5. リセットすれば使い続けられますか。
原因を確認せずに使い続けるのは避けてください。
EH・Ehは、そのまま運転すると内部の部品が損傷する状態になったことを知らせる表示です。
リセット操作で表示は消えますが、温度が上がる原因は残っています。
まず給排気の状況や室内機まわりを確認し、改善できる点がないか見てください。
とくに焦げたにおいがする場合は、リセットせずその時点で運転を中止し、販売店に連絡してください。
安全に使い続けるためのポイント
EH・Ehは、機器内部の温度が異常に上昇したことを知らせる表示です。
部品の不具合だけでなく、設置環境が背景にあることもあります。
- 大文字のEHは室外機、小文字のEhは室内機。まず表示を正確に読み取る
- EHなら給排気口の積雪・落ち葉・囲い、塀との距離を確認する
- Ehなら吸込口・吹出口の前の家具、カーテン、洗濯物、ほこりを確認する
- 波板や段ボールでの囲いは、不完全燃焼の原因にもなる
- 環境を整えても繰り返す場合は部品側の点検が必要
- 焦げたにおいがあるときは、その時点で運転を中止する
シーズン初めに室外機の周囲を片づけ、室内機の吸込口を掃除しておく。
この2つを済ませておくだけでも、EH・Ehが出る場面はかなり減らせます。

