MENU

灯油価格の推移とは?|過去10年のグラフと価格が動く時期

灯油価格の過去10年間の推移をイメージした折れ線グラフと灯油ポリタンク、石油ストーブのイラスト
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

灯油の値段は、毎年のように「高い」と言われます。
けれども、10年前と比べたらどれくらい上がったのか、そもそも昔から高かったのか、と問われると、答えに詰まる方も多いのではないでしょうか。

実際に年ごとの全国平均を並べてみると、灯油は2016年の底から、この10年でほぼ倍の水準まで上がってきたことが分かります。
その途中には、急に上がった年も、いったん下がった年もありました。

この記事では、過去10年の推移をグラフと表で確かめたうえで、価格が大きく動いた年に何が起きていたのか、そして「いつ買えば安いのか」という素朴な疑問に、どう向き合えばよいのかを整理していきます。

目次

過去10年の全国平均をグラフで見る

まずは、全体像をつかみましょう。
資源エネルギー庁の石油製品価格調査(週次)のデータから、年平均を計算し、18リットルあたりの金額でグラフにしました。

📎 出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」の週次データをもとに年平均を算出(税込)

グラフから、次のことが読み取れます。2016年から2018年にかけての急な上昇。2019年から2020年にかけての小さな下落。
そして、2021年から2022年にかけて再び大きく上がり、その後は、毎年少しずつ高い水準へ切り上がっている、という流れです。

年ごとの数字を表で確かめる

グラフの数字を、表にまとめておきます。前の年と比べて、いくら動いたのかもあわせて載せました。

年店頭(18L)前年との差配達(18L)
2016年1,157円−320円1,311円
2017年1,406円+249円1,549円
2018年1,653円+247円1,800円
2019年1,636円−17円1,789円
2020年1,487円−149円1,640円
2021年1,717円+230円1,875円
2022年2,024円+307円2,185円
2023年2,065円+41円2,232円
2024年2,109円+44円2,282円
2025年2,236円+127円2,413円
2026年(1〜10月)2,458円集計途中2,645円

2016年の店頭1,157円に対し、2025年は2,236円で、約1.9倍です。18リットルあたり1,000円以上、1リットルに直せば60円ほど高くなりました。
2026年は、10月までの平均がすでに2,458円と、前の年の通年平均を上回っています。

大きく動いた年には、何があったのか

灯油の価格が動くとき、背景にはたいてい、原油や為替、そして国の政策の動きがあります。
とくに変化の大きかった年を、整理してみましょう。

時期価格の動き背景
2016年大きく下落(底)2014年後半から続いた原油価格の急落の影響が残った
2017〜2018年2年連続で約250円上昇原油価格が持ち直し、国内の価格にも波及した
2020年150円ほど下落新型コロナの影響で需要が落ち込み、原油が下がった
2021〜2022年2年で500円超の上昇需要の回復に加え、ロシアのウクライナ侵攻や円安が重なった
2023〜2025年毎年少しずつ上昇補助の有無や円安など、複数の要因が続いた
2026年さらに上昇3月に2004年6月以降の最高水準を記録し、国の補助も拡大された

こうして並べると、灯油は国内の事情だけで動くのではなく、海外の原油と、円とドルの関係に強く左右されることが見えてきます。

価格を動かす3つの要因を、もう少し詳しく

先ほどの表に出てきた原油、為替、補助について、灯油の価格にどう効くのかを補足します。

スクロールできます
要因灯油の価格への効き方気をつけたい点
原油価格原料の値段なので、上がれば灯油も上がる国内の価格に反映されるまで、数週間の時間差がある
為替(円安・円高)原油はドルで買うため、円安だと円換算の仕入れ値が上がる原油が下がっても、円安だと下がり方が小さくなる
国の補助店頭の価格を、補助の分だけ押し下げる補助が縮小・終了すると、反動で上がりやすい

3つは、同時に動くこともあります。
原油が下がっても円安が進めば、国内の価格は横ばいということも起こりますし、補助の変更が重なれば、動きはさらに複雑になるでしょう。
そのため、価格の先行きを、一つの要因だけで判断するのは危ういといえます。

もっと長い目で見ると、どうか

10年より前までさかのぼると、灯油の価格はずっと上がり続けてきたわけではない、と分かります。
2008年には、原油の高騰で、店頭の年平均が1,903円まで上がりました。
ところが翌2009年には、リーマンショックの影響で、1,202円まで急落しています。
また、2014年の店頭の年平均は1,893円でしたが、2016年には1,157円まで下がりました。
このように、灯油の価格は、数年で数百円単位の上下を繰り返してきました。

「いまは高い」と感じても、数年後に下がる可能性はあるでしょう。
反対に、いまが底だと思っても、翌年に上がることもあります。
先を言い当てようとするより、動きの仕組みを知っておくほうが、役に立ちます。

1リットルに直すと、どう見えるか

18リットルの金額は、1リットルの単価に直すと、販売店の看板とも見比べやすくなります。
年ごとの店頭価格を、18で割って並べてみました。

年店頭の1リットルあたり
2016年約64.3円
2018年約91.8円
2020年約82.6円
2022年約112.4円
2024年約117.2円
2025年約124.2円
2026年(1〜10月)約136.6円

2016年には1リットル60円台だったものが、いまは130円台です。
10年前の看板を覚えている方なら、ずいぶん高くなったと感じるのも、無理はないでしょう。

2026年は、どんな年なのか

2026年は、3月16日に、店頭の全国平均が2,774円を記録しました。
これは、2004年6月以降で最も高い水準です。
その後は、国の補助が拡大されたこともあって、4月以降はおおむね2,500円前後で推移しています。
10月26日時点の店頭価格は、全国平均で18リットルあたり約2,580円です。

補助は、店頭の価格を押し下げる働きをしています。
そのため、補助の単価や終わる時期が変わると、原油が動かなくても、店頭の価格が動くことがあります。
この冬の見通しは、2026年冬の灯油価格の見通しで整理しています。

年平均だけでは見えない、年内の動き

グラフは、年ごとの平均で描いています。
平均にならすと、一年のなかで価格がどれだけ上下したのかは、見えなくなります。
たとえば2026年は、3月16日に店頭が2,774円でしたが、10月13日には2,563円でした。
同じ年のなかで、18リットルあたり200円以上も動いたことになります。

つまり、年平均のグラフは、大きな流れをつかむための道具です。
今日、いくらで買えるのかを知るには、直近の週次の数字や、販売店への確認が欠かせません。
確認の方法は、灯油価格の今日の値段はどこで分かる?販売店・価格サイトの確認先で紹介しています。

「冬は高い」「いつ買えば安い」の本当のところ

灯油は、冬に高くなる、と思われがちです。
需要が増えるのだから、当然だと感じるでしょう。
ところが、月ごとの全国平均を長い期間にわたって調べても、冬だから高い、夏だから安い、という偏りははっきりしません。
年のなかの季節差よりも、原油や為替の動きのほうが、はるかに大きいためです。

ですから、「夏のうちに買っておけば得」と決めつけるのは、危険でしょう。
夏に買った灯油が、結果的に高くついた年もあれば、冬になって値下がりした年もあります。
さらに、灯油は長く置くと劣化し、保管の手間もかかります。
買いだめの是非は、価格の予想だけでなく、保管の条件も含めて考えるのが妥当です。

では、価格の動きを、どう活かせばよいのでしょうか。
大切なのは、次の3点だと思います。

  1. 毎週水曜に公表される全国平均を見て、前の週より動いたかを確かめる。
  2. 自分の販売店の単価が、統計の同じ区分の数字から離れていないかを見る。
  3. 値上がりが続く局面では、買う量や時期をずらさず、必要な分を切らさないようにする。

統計の見方は、灯油価格の調べ方|全国平均・都道府県別・店頭と配達の違いに詳しく書きました。

これからの動きを考えるときの、3つのチェック先

先行きを言い当てることはできなくても、動きの兆しに気づくことはできます。
次の3つを、ときどき眺めておくと、値上がりや値下がりの気配をつかみやすくなるでしょう。

原油価格のニュース。 原油が急に動いたときは、数週間おくれて灯油にも波及しやすくなります。
円相場。 円安が進むと、原油が横ばいでも、国内の仕入れ値は上がります。
補助の発表。 補助の単価や期間が発表されたら、店頭の価格にどう響くかを意識しましょう。

なお、いずれも、今日明日の値段を決めるものではありません。
あくまで、数週間から数か月先の流れを考える材料です。
実際に買う日の値段は、毎週の統計と、販売店への確認で押さえてください。

推移を知ると、家計の見通しも立てやすくなる

過去の数字は、これからの灯油代を見積もるときにも役立ちます。
たとえば、前の冬に150リットルを使った家庭なら、単価の差を掛けるだけで、今季の増減が分かります。

単価の差150リットルの場合300リットルの場合
+5円+750円+1,500円
+10円+1,500円+3,000円
+20円+3,000円+6,000円

2025年と2026年(1〜10月)の店頭平均の差は、18リットルあたり222円、1リットルに直して約12円です。
同じ量を使うなら、150リットルで約1,850円、300リットルで約3,700円、昨年より負担が増える計算になります。
こうして数字に置き換えると、価格の上昇が家計にどれくらい響くのかが、はっきり見えてきます。

よくある質問

Q1. 灯油の価格は、この10年でどれくらい上がりましたか?

全国平均の店頭価格で、2016年の1,157円から、2025年の2,236円へ、約1.9倍になりました。
18リットルあたりでは、1,000円以上の上昇です。

Q2. 灯油が最も高かったのは、いつですか?

2026年3月16日に、店頭の全国平均が2,774円となり、2004年6月以降で最も高い水準を記録しました。
その後は、補助の拡大もあり、おおむね2,500円前後で推移しています。

Q3. 灯油は、冬に高くなりますか?

月ごとの平均を長期間で見ても、冬に高くなるという偏りははっきりしません。
原油や為替、補助の動きのほうが、価格への影響は大きいといえます。

Q4. 夏のうちに買っておくと、安くなりますか?

安くなるとは限りません。
価格は原油や為替で動くため、夏に買って結果的に高くついた年もあります。
保管の手間や、灯油の劣化も考えて判断してください。

Q5. 過去の価格は、どこで確認できますか?

資源エネルギー庁の石油製品価格調査に、週次のデータが公開されています。
年ごとの平均を知りたいときは、週次の数字を月ごと、年ごとに平均して計算します。

まとめ

灯油価格の推移について、要点を整理します。

ポイント内容
10年の流れ店頭の年平均は、2016年の1,157円から2025年の2,236円へ、約1.9倍
価格を動かす要因原油価格、為替、国の補助の3つが大きい
長期の傾向2008年や2014年に高く、2009年や2016年に急落。数年で数百円動く
2026年3月16日に2,774円と、2004年6月以降の最高水準
季節の影響冬だから高いという偏りははっきりしない
活かし方毎週の前週比と、自分の販売店との比較を習慣にする

まずは、前の冬の請求書から使った量を調べ、単価の差を掛けて、今季の灯油代を見積もってみませんか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次