給湯器のリモコンに「5」や「10」と表示され、調べても意味がつかみにくいと感じていませんか。
このあたりの番号は「擬似火炎」「水比例弁モータ」といった聞き慣れない言葉で説明されており、状況がイメージしづらいのが正直なところだと思います。
結論からお伝えすると、エラー5は炎がないのに炎があると検知してしまっている状態を示し、10は機種の区分によって擬似火炎と水比例弁モータの異常に分かれます。
いずれも安全や温度の管理に関わる部分で、メーカーの処置方法はどちらも点検・修理とされています。
この記事では、それぞれの表示が何を意味しているのか、確認してよい範囲はどこまでか、点検を依頼するときに伝えるべきことまでを解説します。
エラー5・10が示す内容を整理する
メーカーが公開しているエラーサイン一覧では、次のように記載されています。
| 表示 | 機種区分 | 内容 |
|---|---|---|
| 5 | その他の給湯機 | 擬似火炎を検知 |
| 10 | アビーナGシリーズ | 燃焼していないのに炎を検知 |
| 10 | その他の給湯機 | 水比例弁モータの異常を検知 |
整理すると、擬似火炎に関する表示はアビーナGシリーズでは10、それ以外の給湯機では5という番号の割り当てになっています。
そしてそれ以外の給湯機の10は、まったく別の水比例弁モータの異常です。
同じ10でも機種によって内容が変わるため、まずは取扱説明書の表紙や本体の銘板に書かれた型式から、自分の機種がどちらの区分かを確認してください。
処置方法については、3つのいずれも「点検または修理が必要です」と記載されています。
灯油切れや掃除のように、利用者側で解消できる案内は付いていません。
他のコードもあわせて調べたい場合は、コロナ石油給湯器のエラーコード一覧|自分で確認できる表示の見分け方にコード別の一覧をまとめています。
擬似火炎とは何を指しているのか
石油給湯器は、燃焼を始めたあとに「本当に火がついているか」を常に監視しています。
炎の有無を検知する部品が組み込まれており、その信号をもとに燃焼を続けるか止めるかを判断しているためです。
擬似火炎とは、実際には燃焼していないのに、炎があるという信号が出ている状態を指します。
一覧の表現をそのまま読めば「燃焼していないのに炎を検知している」ということになります。
なぜ安全側で停止するのか
炎の検知は、機器の安全制御の土台になっています。
たとえば燃焼が途中で消えたとき、機器は炎がないことを検知して灯油の供給を止めます。
ところが炎の検知が誤っていると、この判断の前提そのものが成り立ちません。
つまり擬似火炎は、単なる部品の不調というより、安全装置が正しく働けない状態を機器自身が見つけたという性質の表示です。
だからこそ、運転を続けさせずに停止する設計になっていると考えられます。
考えられる要因
利用者が特定できるものではありませんが、一般論としては次のような要因が挙げられます。
- 炎を検知する部品に、すすや汚れが付着している
- 湿気や結露の影響で、信号が正しく伝わっていない
- 部品や配線の経年劣化
- 制御基板側の不具合
炎の検知に関わる異常が出ている状態で、運転スイッチを入れ直して使い続けるのは避けてください。安全装置が正常に機能しない可能性があります。
燃焼まわりの表示については、コロナ石油給湯器のエラー4とは?着火不良と灯油切れの見分け方もあわせて読むと、機器がどこを見ているのかが整理しやすくなります。
水比例弁モータの異常とは
その他の給湯機の10は、水比例弁モータの異常です。
擬似火炎とはまったく別の系統で、こちらはお湯の温度をつくる部分に関わります。
水比例弁の役割
水道直圧式の給湯器は、流れてきた水を熱交換器で温めてお湯にしています。
このとき、設定した温度にするために、通す水の量と火力の両方を調整しています。
水比例弁は、その水量側を受け持つ弁です。
弁の開き具合をモータで変えることで、水の量を細かく制御しています。
ここが正しく動かなくなると、次のような形で表れることがあります。
- 設定温度より熱いお湯、またはぬるいお湯が出る
- 使用中に湯温が上下して安定しない
- 給湯栓の開け方を変えたときの追従が悪い
仕様による温度変化と混同しないために
湯温が安定しないという症状は、故障でなくても起こります。
メーカーの案内では、サーモ付混合水栓を使っている場合、給湯機の設定温度が低いと温度調節の性能が十分に出ないと説明されています。
この場合は、リモコンの設定温度を使いたい温度より5〜10℃ほど高めにすることで改善します。
夏場に水温が上がり、シャワー使用中に火がついたり消えたりするのも、故障ではなく仕様による現象です。
エラー10が表示されているかどうかが、ひとつの目安になります。
表示が出ていないのに湯温が気になるだけであれば、まず設定温度の見直しから試してみてください。
表示が出たときに確認してよい範囲
どの表示であっても内部の部品に関わるため、利用者ができることは限られます。
確認してよいこと
- リモコンの表示をもう一度読み、5なのか10なのかを正確に把握する
- 取扱説明書や銘板で機種の型式を確認する
- 屋外の機器まわりに異臭、煙、油のにじみがないか見る
- 給気口や排気口の周囲に物や雪がないか確認する
- 運転スイッチを一度切って入れ直す(1〜2回まで)
避けるべきこと
- 表示が消えないまま運転を繰り返す
- 本体のカバーを外して内部を見る
- 炎の検知部分やバーナーを自分で清掃する
- 弁やモータ、配線に触れる
擬似火炎は安全装置の判断に関わる表示、水比例弁モータは温度制御の中枢に関わる表示です。
どちらも分解を前提としない部分なので、確認は外側にとどめてください。
点検を依頼するときの判断基準
| 状況 | 考えられること | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 表示が出たまま消えない | 部品または基板の不具合 | 販売店・サービス窓口へ点検を依頼 |
| 入れ直すと一時的に使えるが再発する | 劣化が進行している可能性 | 早めに点検を依頼 |
| 湯温が設定と大きくずれる | 水比例弁まわりの不具合 | 症状を伝えて点検を依頼 |
| 異臭や煙、油のにじみがある | 燃焼まわりの異常 | 運転を止めて速やかに連絡 |
| 設置から10年以上たっている | 部品の経年劣化 | 修理と交換を並べて検討 |
連絡するときは、表示されている番号、機種の型式、いつから出ているか、入れ直して変化があったか、湯温に異常があるかを伝えてください。
特に「番号」と「型式」の2つがそろっていれば、同じ10でもどちらの内容かがすぐ判別できます。
使用年数が長い機器では、部品の在庫状況によって修理が難しくなることもあります。
点検時期を知らせる表示が出ている場合の考え方はコロナ石油給湯器のエラー88とは?点検時期のお知らせと正しい対応で整理しています。
再発を減らすために日常でできること
内部部品の不具合そのものを利用者が防ぐことはできませんが、機器にかかる負担を減らすことはできます。
機器の周囲を空けておく
給気や排気が妨げられると燃焼が不安定になり、すすの付着も増えやすくなります。
本体の周囲は、点検スペースも兼ねて物を置かないようにしてください。
冬は雪が吹き寄せて排気口を塞ぐこともあるため、降雪後の確認も習慣にしておくと安心です。
設定温度を極端に下げたまま使わない
サーモ付混合水栓を使っている家庭では、給湯機側の設定を低くしたままだと温度が安定しません。
使いたい温度より5〜10℃高めに設定しておくほうが、結果として湯温の変動は減ります。
湯温の変化に早めに気づく
「最近ぬるい気がする」「熱すぎるときがある」といった違和感は、温度制御の不調が表に出始めたサインであることがあります。
表示が出る前の段階で相談しておくと、部品交換だけで済む可能性が高まります。
定期的に点検を受ける
石油給湯器は屋外に設置されることが多く、日常的に目にする機会が少ない機器です。
使用年数が7年を超えたあたりからは、不具合が出ていなくても点検の機会をつくっておくと、故障による突然の停止を避けやすくなります。
よくある質問
Q1.擬似火炎とはどういう状態のことですか?
実際には燃焼していないのに、炎があるという信号が機器に届いている状態です。
メーカーのエラーサイン一覧でも「燃焼していないのに炎を検知しています」と記載されています。
炎の有無は安全制御の土台になっている情報なので、ここが正しく読み取れていないと、燃焼を止めるべきときに止められない可能性があります。
そのため機器は安全側で停止し、表示を出して知らせる設計になっています。
Q2.エラー5と10は同じ意味ですか?
擬似火炎という点では共通する部分があります。
その他の給湯機では5が擬似火炎、アビーナGシリーズでは10が「燃焼していないのに炎を検知」として記載されています。
ただし、その他の給湯機の10は水比例弁モータの異常であり、まったく別の内容です。
番号だけで判断せず、取扱説明書や銘板で自分の機種の区分を確認してから読み進めてください。
Q3.運転スイッチを入れ直せば使えますか?
一時的に表示が消えることはありますが、根本的な解決にはなりません。
特に擬似火炎に関わる表示は、安全装置が正しく働けない可能性を示しているため、そのまま使い続けるのは避けてください。
入れ直すのは1〜2回までにとどめ、表示が再び出るようであれば販売店またはメーカーのサービス窓口へ連絡してください。
異臭や煙を感じた場合は、入れ直さずに運転を止めて連絡してください。
Q4.水比例弁とはどこにある部品ですか?
給湯器の内部にあり、熱交換器へ送る水の量を調整している弁です。
モータで弁の開き具合を変えることで、設定した温度のお湯になるよう水量を制御しています。
利用者が目にしたり触れたりする部分ではないため、点検や交換は専門の作業になります。
異常が表示された場合は、自分で分解せずに点検を依頼してください。
Q5.お湯の温度が安定しないのですが、必ず故障でしょうか?
必ずしもそうとは限りません。
サーモ付混合水栓を使っている場合、給湯機側の設定温度が低いと温度調節の性能が十分に発揮されず、ぬるく感じることがあります。
この場合は、リモコンの設定温度を使いたい温度より5〜10℃高めにすることで改善します。
リモコンにエラー表示が出ている場合は仕様ではなく異常の可能性があるため、点検を依頼してください。
まとめ
コロナの石油給湯器に表示されるエラー5と10は、炎の検知と湯温の制御という、それぞれ異なる重要な部分に関わる表示です。
擬似火炎はその他の給湯機で5、アビーナGシリーズで10、そして水比例弁モータの異常はその他の給湯機の10として記載されています。
対応の順序を整理しておきます。
- リモコンの番号を正確に読み、機種の型式を確認する
- 屋外の機器まわりに異臭や煙、油のにじみがないかを見る
- 運転スイッチを入れ直すのは1〜2回までにとどめる
- 表示が続く場合は、番号と型式を伝えて点検を依頼する
どちらの表示も、処置方法は点検・修理とされています。
自分で解決しようとせず、状況を正確に伝えて専門家に渡すことが、安全にも費用にもいちばん効いてきます。

