給湯器のリモコンに「16」「17」「A3」「A4」といった表示が出て、冬を前に不安になっていませんか。
この4つは、いずれも凍結予防サーミスタの断線または短絡を示しています。
ここで誤解されやすいのですが、これは今まさに凍結しているという意味ではなく、凍結を防ぐ仕組みが正しく働けない状態を知らせる表示です。
つまり、厳冬期にこの表示が出ているということは、本来なら自動で守ってくれるはずの機能が当てにできない可能性があるということになります。
この記事では、この部品が何を見ているのか、断線と短絡の違い、表示が出たときのリスク、そして凍結を防ぐために自分でできる備えまでを解説します。
16・17・A3・A4が示す内容
メーカーが公開しているエラーサイン一覧では、次のように記載されています。
| 機種区分 | 断線 | 短絡 |
|---|---|---|
| アビーナGシリーズ | 16 | 17 |
| その他の給湯機 | A3 | A4 |
つまり、同じ「凍結予防サーミスタの異常」を、機種の区分によって数字とアルファベットで表示し分けているだけです。
意味するところは共通なので、どちらの表示が出ていても読み替えて構いません。
処置方法については、4つとも「点検または修理が必要です」と記載されています。
利用者側で解消できる案内は付いていません。
他のコードもあわせて調べたい場合は、コロナ石油給湯器のエラーコード一覧|自分で確認できる表示の見分け方にコード別の一覧をまとめています。
凍結予防サーミスタは何を見ているか
石油給湯器には、外気温が下がったときに自動で機器を守る仕組みが組み込まれています。
機内を温めるヒータが働いたり、浴槽の水を循環させるポンプが動いたりするのがそれにあたります。
この仕組みを動かすかどうかを判断するために、温度を見張っているのが凍結予防サーミスタです。
温度が一定まで下がったことを検知して、保温の動作を始める合図を出す役割を担っています。
ここで大切なのは、サーミスタが異常になると寒くなったこと自体を機器が把握できなくなるという点です。
温度が下がっても保温が始まらない、あるいは必要もないのに動き続ける、といった状態が起こり得ます。
だからこそ、この表示は冬の入り口で見つけたときほど早く手を打つ価値があります。
機器が自分で守ってくれる前提が崩れている以上、人の側で備えておく必要が出てくるためです。
断線と短絡は何が違うのか
16とA3が断線、17とA4が短絡です。
サーミスタは、温度によって電気の通しにくさが変わる部品で、機器はその値を読んで温度を判断しています。
| 状態 | 何が起きているか | 機器から見た状況 |
|---|---|---|
| 断線 | 信号の経路が途切れている | 電気が流れず、値が読めない |
| 短絡 | 本来の経路を飛ばしてつながっている | ありえない値が返ってきている |
断線は配線が切れている、接続が外れているといった状態です。
短絡は、被覆の傷みや水分の侵入などによって、途中で電気がつながってしまっている状態を指します。
屋外に設置される機器である以上、雨水や結露、経年による配線の劣化が背景にあることは十分に考えられます。
ただし、実際にどこが原因かを特定できるのは点検の場だけです。
この表示が冬に出たときのリスク
凍結予防の仕組みが働かないまま厳冬期を迎えると、配管の凍結や破損につながるおそれがあります。
凍結は、お湯が出なくなるだけでは終わりません。
配管内の水が凍って膨張すれば、配管そのものが割れることがあります。
解けたときに初めて水漏れが分かる、というケースもあります。
そのため、この表示が出ている状態で冬を越そうとするのは避けてください。
点検を依頼するまでのあいだは、次の章の手順を人の手で補っておく必要があります。
メーカーが案内している凍結予防の手順
凍結予防にはいくつかの方法があり、機種のタイプによって手順が異なります。
電源プラグは抜かない
もっとも基本的で、もっとも見落とされやすいのがこれです。
外気温が下がると自動的に機内を保温するヒータが働くため、電源プラグをコンセントから抜かないよう案内されています。
長期の外出時も、節電のつもりで抜いてしまわないようにしてください。
貯湯式は運転スイッチを入れたまま、設定を「F」に
貯湯タイプの場合、メインリモコンの運転スイッチを「入」にしたうえで、給湯温度の設定を「F」にします。
冷え込みが厳しいときは「3」以上に設定するよう案内されています。
浴槽に水を残す(UKBタイプ)
浴槽の循環口より10センチ以上の水を残しておくと、凍結のおそれがある気温になったときに循環ポンプが自動で運転します。
水が足りないとポンプが空運転してしまうため、量は必ず確保してください。
機外の配管は自分で保温する
ここが重要な点です。
機器に組み込まれた保温機能では、機外の給水・給湯配管や減圧弁、逃し弁の凍結までは防げません。
メーカーも、これらは必ず保温材やヒータで保温するよう明記しています。
むき出しの配管が残っている、保温材が経年で割れている、テープがはがれているといった箇所は、寒波の前に手当てしておきたいところです。
配管の太さに合わせた筒状の保温材であれば、切って巻きつけるだけで対応できます。
冷え込みが厳しい地域や、日陰を配管が通っている家では、保温材だけでは足りないこともあります。
その場合は電気式の凍結防止帯を併用する方法もありますが、取り付け方法や電源の確保については施工業者に相談してから判断してください。
なお、必要な対策の度合いは地域によって大きく変わります。
同じ方法が全国どこでも十分というわけではないため、周囲の住宅がどうしているかも参考にしてください。
凍結してしまったときの対応
メーカーの案内では、凍結した場合は気温の上昇によって自然に解けるまで待つよう説明されています。
急いで解かそうとして熱湯をかける方法は避けてください。
急激な温度差によって、配管や部品を傷めるおそれがあります。
どうしても早く復旧させたい場合は、無理に自分で対応せず、施工業者や販売店に相談してください。
解けたあとは、水漏れが起きていないかを必ず確認してください。
配管の継ぎ目や機器の下が濡れている場合は、使用を控えて連絡することをおすすめします。
点検を依頼するときの判断基準
| 状況 | 考えられること | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 表示が出たまま消えない | サーミスタまたは配線の不具合 | 販売店・サービス窓口へ点検を依頼 |
| 冬を前にこの表示が出た | 凍結予防が働かない可能性 | 早めに点検を依頼し、保温で備える |
| 出たり消えたりする | 接触不良や水分の影響 | 頻度が上がるようなら点検を依頼 |
| 寒くないのに保温動作が続く | 温度が正しく読めていない可能性 | 症状を伝えて点検を依頼 |
| すでに凍結や水漏れが起きた | 配管の損傷 | 使用を控えて速やかに連絡 |
連絡するときは、表示されている番号や記号、機種の型式、いつから出ているか、機器まわりの配管に保温がされているかを伝えてください。
冬本番前であれば、点検と同時に保温の状態も見てもらえると効率的です。
使用年数が長い機器では、部品の在庫状況によって修理が難しくなることもあります。
点検時期を知らせる表示が出ている場合の考え方はコロナ石油給湯器のエラー88とは?点検時期のお知らせと正しい対応で整理しています。
冬を迎える前にやっておきたいこと
秋のうちに保温材の状態を見ておく
保温材は紫外線や風雨で少しずつ傷みます。
割れている、はがれている、下地が見えているといった箇所は、寒波が来る前に補修しておいてください。
真冬に脚立を出して作業するより、10月から11月のうちに済ませておくほうが安全です。
灯油まわりの冬支度もあわせて
冬は灯油の消費が増え、タンクの管理が忙しくなります。
屋外タンクは結露で内部に水がたまることがあり、水が混ざった灯油は燃焼トラブルの原因になります。
確認の手順は灯油タンクの水抜きのやり方とは?|手順・頻度・水が溜まる理由を解説にまとめています。
給排気口の周囲を空けておく
積雪期は、雪が吹き寄せて給排気口を塞ぐことがあります。
降雪後の確認を習慣にしておくと、燃焼まわりのトラブルも減らせます。
着火や燃焼で気になることがある場合は、コロナ石油給湯器のエラー4とは?着火不良と灯油切れの見分け方もあわせて確認してみてください。
よくある質問
Q1.この表示が出たら、給湯器が凍っているということですか?
いいえ、凍結そのものを知らせる表示ではありません。
凍結予防サーミスタは、外気温の低下を検知して保温の動作を始める合図を出す部品です。
16・17・A3・A4は、その部品が断線または短絡していて、温度を正しく読めていない状態を示しています。
つまり、凍結を防ぐ仕組みが働けないおそれがあるという意味であり、冬を前に見つけた場合は早めの点検をおすすめします。
Q2.16とA3、17とA4は違うエラーですか?
意味は同じで、機種の区分によって表示が分かれているだけです。
アビーナGシリーズでは16が断線、17が短絡として記載されています。
それ以外の給湯機ではA3が断線、A4が短絡にあたります。
処置方法もいずれも点検・修理とされているため、対応の考え方は共通と考えて差し支えありません。
Q3.この表示が出ていても、お湯は使えますか?
使えている場合もありますが、そのまま冬を越すのはおすすめできません。
凍結予防の仕組みが働かない状態で厳しい冷え込みを迎えると、配管の凍結や破損につながるおそれがあります。
点検を依頼するまでのあいだは、電源プラグを抜かない、機外の配管を保温するといった備えを人の手で補ってください。
貯湯タイプであれば、運転スイッチを入れたまま給湯温度の設定を「F」にしておく方法もあります。
Q4.凍ってしまった場合、お湯をかけて溶かしてもよいですか?
避けてください。
メーカーの案内では、凍結した場合は気温の上昇によって自然に解けるまで待つよう説明されています。
急激な温度差は配管や部品を傷めるおそれがあり、かえって水漏れなどの被害を広げることになりかねません。
解けたあとは、配管の継ぎ目や機器の下が濡れていないかを必ず確認してください。
Q5.節電のため、冬の外出中は電源プラグを抜いてもよいですか?
抜かないでください。
外気温が下がると自動的に機内を保温するヒータが働く仕組みになっているため、電源が入っていないと凍結予防そのものが機能しません。
長期の外出時こそ、プラグは差したままにしておくのが基本です。
なお、機外の給水・給湯配管や減圧弁、逃し弁については機器側では守れないため、別途保温材やヒータでの対策が必要です。
まとめ
コロナの石油給湯器に表示されるエラー16・17・A3・A4は、凍結予防サーミスタの断線または短絡を示しています。
凍結が起きているという意味ではなく、凍結を防ぐ仕組みが正しく働けない状態を知らせる表示です。
冬の入り口で見つけたのであれば、それは備えを整える猶予があるということでもあります。
やっておきたいことを整理します。
- 電源プラグを抜かず、貯湯タイプは設定を「F」にしておく
- 浴槽に循環口より10センチ以上の水を残す(UKBタイプ)
- 機外の給水・給湯配管は保温材やヒータで保温する
- 保温材の割れやはがれを、寒波が来る前に補修する
- 表示が出ている場合は、冬本番前に点検を依頼する
機器任せにできない冬こそ、人の側の準備が効いてきます。
表示の意味を正しく読み取り、できる備えを先に済ませておきましょう。

