長府製の石油給湯器に651や661と表示された。
弁の名前が出てきても、それが何をする部品なのか分からないと対処のしようがありません。
このグループには、他のエラーにはない特徴があります。
長府がエラーコード一覧のなかで、部品の役割まで書いているのです。
たとえば651については「水比例弁は、お湯の量・温度を安定させる為の部品です」、661については「給湯混合弁は水と湯を混合して設定温度のお湯を作る部品です」と説明されています。
この2つを起点にすれば、他の弁のエラーも整理できます。
この記事では、弁ごとに何ができなくなるのかを軸にまとめていきます。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 対象の部品 | 給湯の可否 |
|---|---|---|
| 651 | 水比例弁 | 使用可能(出湯量が多いとぬるくなる) |
| P8 | 水比例弁 | 使用可能(出湯量が多いとぬるくなる) |
| 661 | 給湯混合弁 | 運転停止 |
| P4 | 混合弁 | 解除方法の記載なし |
| 541 | 機種により三方弁またはソーラ混合弁 | 表示により異なる |
| P1 | 機種により三方弁・二方弁・ソーラー混合弁 | 運転停止 |
| 550 | ダンパーモータ | 運転停止 |
| H1 | ダンパーモータ | 運転停止 |
| C2 | 排水切替弁 | 給湯は使用可能 |
| C3 | 循環出口切替弁 | 給湯は使用可能 |
弁は「水と湯の行き先と割合」を決めている
給湯器は、沸かしたお湯をそのまま蛇口へ送っているわけではありません。
熱いお湯と冷たい水を混ぜ、量を絞り、経路を切り替えながら、必要なものを必要な場所へ届けています。
その調整を担っているのが弁です。
だから弁が動かなくなると、沸かす力は残っていても、思ったとおりのお湯が出てこないという状態になります。
長府が説明している2つの部品を見ると、役割の違いがはっきりします。
| 部品 | 長府の説明 |
|---|---|
| 水比例弁 | お湯の量・温度を安定させるための部品 |
| 給湯混合弁 | 水と湯を混合して設定温度のお湯を作る部品 |
651・P8は「使えるがぬるくなる」
このグループでもっとも実感しやすいのが651とP8です。
長府は警報解除方法の欄に、「使用可能です(出湯量が多いとお湯がぬるくなります)」と記載しています。
エラーが出ているのに使える、しかも症状まで予告されているという珍しい書き方です。
体感と一致する症状
水比例弁はお湯の量と温度を安定させる部品なので、これが働かないと流量が増えたときに温度を保てません。
つまり次のような状態になります。
- シャワーの勢いを強くするとぬるくなる
- 台所と浴室で同時にお湯を使うとぬるくなる
- 湯量を絞れば設定温度に近づく
「最近シャワーを強くするとぬるい」という感覚は、この症状と一致します。
使えるがゆえに放置されやすい
お湯が出ないわけではないため、そのまま使い続けてしまいがちです。
しかし冬になると給水温度が下がり、同じ症状でもぬるさが際立ちます。
夏のうちに気づいたら、その時点で点検を依頼するのが得策です。
長府も、復帰しない場合や再発する場合には点検・修理を依頼するよう案内しています。
661とP4は「設定温度が作れない」
661は給湯混合弁の作動不良です。
水と湯を混ぜて設定温度を作る部品なので、ここが止まると運転そのものが停止します。
P4も混合弁の作動不良ですが、書き方が違います。
| 表示 | 警報解除方法 | 確認事項 |
|---|---|---|
| 661 | 運転スイッチのOFF/ON | 記載なし |
| P4 | 記載なし | 記載なし |
P4には解除方法が示されておらず、処置の欄に点検・修理の依頼とあるだけです。
利用者が試す手順が用意されていないため、表示されたら点検を依頼してください。
なお、お湯の温度が設定どおりにならない原因は給湯器側だけとは限りません。
長府は取扱説明書で、1箇所の混合水栓だけ設定した給湯温度にならないときは混合水栓の故障が考えられるとしています。
台所は正常なのに浴室だけおかしいという場合は、水栓側を疑うことになります。
水栓の種類による違いは水栓とは?種類・選び方・交換費用まで住宅設備のプロがわかりやすく解説で整理しています。
541とP1は機種によって意味が変わる
この2つは、対象機種によって指す部品が入れ替わります。
541
| 対象機種 | 意味 | 機器の状態 |
|---|---|---|
| KIBF-4511MA | 三方弁作動不良 | 運転停止 |
| EHIF-4750DSW、4765DSW | ソーラ混合弁作動不良 | 運転停止 |
| KIBF-4565MA、KIBF-4567MA | ソーラ混合弁作動不良検知 | 警告表示。給湯は使用可能 |
注目したいのは3行目です。
同じ541でも、機種によっては警告表示にとどまり給湯を続けられます。
運転停止か警告表示かは、型名を確認しないと判断できません。
P1
| 対象機種 | 意味 |
|---|---|
| IBF-(3800・388・4400・3804)MT、KIB-334MA2、KIBF-(3800・3804・388・4400・4510)MA、KIBF-388MAS、KTBF-3800GA | 三方弁作動不良 |
| KIBF-322SGX | 二方弁作動不良 |
| ASE-K13、K33 | ソーラー混合弁作動不良 |
三方弁は経路を3方向で切り替える弁、二方弁は開閉する弁です。
ソーラー混合弁は、太陽熱で温まった水と水道水を混ぜて缶体入口の温度を整える部品です。
いずれの場合も、まず機器前パネルの銘板で型名を確認してください。
550・H1はダンパーモータ
550とH1は、ダンパーモータの作動不良です。
ダンパーは燃焼にかかわる風路の開閉を担う部分で、送風機そのものとは別の部品になります。
送風機の回転不良は610・611・612として表示されるため、コードで区別できます。
どちらも運転スイッチのOFF/ONで警報解除を試せますが、復帰しない場合や再発する場合は点検が必要です。
C2・C3は洗浄・循環まわりの切替弁
| 表示 | 部品 | 状態 |
|---|---|---|
| C2 | 排水切替弁 | 給湯は使用可能 |
| C3 | 循環出口切替弁 | 給湯は使用可能 |
どちらも給湯は使用可能とされているため、シャワーや蛇口のお湯は使えます。
浴槽まわりの自動機能が制限される形になります。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
弁は可動部品である
このグループに共通するのは、いずれも動く部品だということです。
弁やモータは、開いたり閉じたり回ったりを繰り返しています。
そのため、経年によって動きが渋くなったり、途中で止まったりすることは避けられません。
一度リセットで復帰しても、それは部品が偶然動いただけということがあります。
同じコードが繰り返し出るようであれば、部品側の劣化が進んでいると考えたほうが実態に近くなります。
また、弁はいずれも機器の内部にあり、点検には分解が必要です。
長府は改造や分解を禁止しており、火災・感電・漏電などの事故につながるとしています。
利用者ができるのはリセットまでで、そこから先は業者の領域です。
設置から年数が経っている場合は、部品交換と本体交換を比較することになります。
交換時期の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインを徹底解説で整理しています。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 651・P8が出て、湯量を増やすとぬるい | 使用は継続できるが点検を依頼する |
| 651が出て冬にぬるさが増した | 給水温度低下で症状が目立つ。早めに点検を |
| 661が出て運転が止まる | リセットを試し、復帰しなければ点検を依頼 |
| P4が出た | 解除方法の記載がない。点検を依頼する |
| 541が出た | 銘板で型名を確認。運転停止か警告表示かが変わる |
| P1が出た | 銘板で型名を確認。三方弁・二方弁・ソーラー混合弁に分かれる |
| 550・H1が出た | ダンパーモータ。リセット後、再発なら点検 |
| C2・C3が出た | 給湯は使える。浴槽まわりの機能を点検 |
| リセットで直るが繰り返す | 部品の劣化。点検を依頼する |
| 特定の水栓だけ温度がおかしい | 混合水栓側の可能性。水栓を確認する |
よくある質問
Q1. 651が出ていますがお湯は使えます。放置してよいですか?
放置は避けてください。
長府は651について「使用可能です(出湯量が多いとお湯がぬるくなります)」としており、使えることと正常であることは別です。
水比例弁はお湯の量と温度を安定させる部品なので、これが働かないと流量が増えたときに温度を保てません。
冬になり給水温度が下がると、同じ症状でもぬるさが際立ちます。
長府も復帰しない場合や再発する場合は点検・修理を依頼するよう案内しています。
Q2. シャワーを強くするとぬるくなります。651の症状ですか?
可能性はあります。
651やP8は水比例弁の作動不良で、長府自身が「出湯量が多いとお湯がぬるくなります」と記載しています。
湯量を絞れば設定温度に近づき、増やすとぬるくなるという症状は、この説明と一致します。
ただしエラーコードが表示されていない場合は、混合水栓側や給水温度、配管の放熱といった別の要因も考えられます。
リモコンの表示を確認したうえで判断してください。
Q3. 661とP4は何が違うのですか?
どちらも混合弁の作動不良ですが、長府の記載が違います。
661は警報解除方法として運転スイッチのOFF/ONが示されていますが、P4には解除方法も確認事項も記載がなく、処置の欄に点検・修理の依頼とあるだけです。
つまりP4には、利用者が試す手順が用意されていません。
表示された場合はリセットに時間を使わず、販売店へ連絡してください。
Q4. 541が出ましたが、お湯は使えています。故障ではないのですか?
機種によって扱いが変わります。
KIBF-4565MAとKIBF-4567MAが対象の場合、541はソーラ混合弁作動不良検知の警告表示で、給湯は使用可能とされています。
一方、KIBF-4511MAでは三方弁作動不良、EHIF-4750DSW・4765DSWではソーラ混合弁作動不良として運転停止になります。
まず機器前パネルの銘板で型名を確認し、どの扱いに当たるかを特定してください。
Q5. リセットすると直りますが、また出ます。修理は必要ですか?
必要になる可能性が高い状態です。
弁やモータは開閉や回転を繰り返す可動部品で、経年によって動きが渋くなります。
リセットで復帰したのは、部品がたまたま動いたためということがあります。
同じコードが繰り返し出るなら、部品側の劣化が進んでいると考えてください。
弁は機器内部にあり点検には分解が必要なため、利用者ができるのはリセットまでです。
まとめ
541・651・661とその関連コードは、いずれも弁やモータの作動不良を示します。
沸かす力は残っていても、水と湯の割合や行き先を調整できない状態です。
651とP8は水比例弁で、長府は使用可能としたうえで出湯量が多いとぬるくなると明記しています。
使えてしまうため放置されやすいものの、冬に症状が目立つようになります。
661は給湯混合弁の作動不良で運転停止、P4は同じ混合弁でも解除方法の記載がありません。
541とP1は機種によって指す部品が変わり、541は運転停止か警告表示かも型名次第です。
550とH1はダンパーモータ、C2とC3は洗浄・循環まわりの切替弁で、後者は給湯を続けられます。
いずれも可動部品であり、リセットで直っても繰り返すなら劣化を疑ってください。

