長府製の石油給湯器に641や642と表示されているが、お湯は普通に出ている。
急いで直さなくてもよさそうに見えるかもしれません。
たしかに長府は、641と642について警告表示であり、給湯は使用可能としています。
シャワーも蛇口も使えます。
ただし642には、季節によって見過ごせない意味があります。
取扱説明書には、642のときふろ配管の凍結予防ができないと記載されているのです。
この記事では、3種類のポンプの違いを整理したうえで、冬季に642を放置してはいけない理由と、252・PC・PF・P0の見方までをまとめます。
このページで扱うエラーコード
| 表示 | 意味 | 機器の状態 |
|---|---|---|
| 641 | 給湯加圧ポンプ異常検知 | 警告表示。給湯は使用可能 |
| 642 | ふろ循環ポンプ異常検知 | 警告表示。給湯は使用可能 |
| 252 | ふろ循環ポンプ作動前のふろ水流スイッチ作動を検出 | 運転停止 |
| PC | ふろ循環ポンプ作動前のふろ水流スイッチ作動検出 | 運転停止 |
| PF | ふろ循環ポンプ作動前のふろ水流スイッチ作動検出 | 運転停止 |
| P0 | 機種により給水ポンプの連続作動時間超過 | 運転停止 |
ポンプは3種類ある
給湯器のなかで「ポンプ」と呼ばれる部品は1つではありません。
役割が違うため、どのポンプの異常かで困ることも変わります。
| ポンプ | 役割 | 該当コード |
|---|---|---|
| 給湯加圧ポンプ | 給湯側の水圧を補う | 641 |
| ふろ循環ポンプ | 浴槽の湯を吸い込み、温めて戻す | 642 |
| 給水ポンプ | 給水を機器へ送る | P0(対象機種) |
なお、灯油をバーナーへ送る電磁ポンプもありますが、こちらの不具合は510として表示されます。
同じポンプでも系統が異なります。
642を冬に放置してはいけない理由
長府の取扱説明書には、642が表示されたときにできなくなる機能が列挙されています。
ふろ自動・ふろ保温・追いだき・たし湯・たし水・ふろ配管の凍結予防ができません
前半の5つは、お風呂の自動機能が使えなくなるという話です。
蛇口から浴槽にお湯を張れば入浴自体はできるため、不便ではあっても致命的ではありません。
問題は最後の項目です。
ふろ配管の凍結予防が働かなくなる
ふろ配管の凍結予防は、浴槽の水を循環させることで行われます。
そのためには循環ポンプが動く必要があり、642が出ている状態ではこの機能そのものが使えません。
つまり、寒波が来ても配管内の水は動かないまま放置されることになります。
凍結破損の修理は保証期間内でも有料
長府は、凍結により機器が破損した場合の修理は保証期間内でも有料になると明記しています。
夏に642が出たなら、冬までに直せば実害はありません。
しかし冬に出た場合、放置したまま寒波を迎えると、ポンプの修理では済まなくなる可能性があります。
季節によって緊急度がまったく変わるコードだと考えてください。
修理までのあいだにできること
浴槽まわりの凍結対策は、機種や配管の状況によって適切な方法が異なります。
自己判断で対処するより、点検を依頼する際に「修理までのあいだ、ふろ配管の凍結をどう防げばよいか」を業者に確認するのが確実です。
なお、おふろの水位は循環口上部から約5cm以上必要とされています。
凍結予防、追いだき、ふろ熱交換器の掃除のいずれにも共通する条件です。
循環まわりの考え方はコロナ エコキュートのE22エラー解除方法とは?|原因・対処手順・修理費用まとめも参考になります。
641は給湯加圧ポンプ
641は給湯加圧ポンプの異常検知です。
642と同じく警告表示であり、給湯は使用可能とされています。
給湯加圧ポンプは給湯側の水圧を補う役割を持つ部品です。
搭載されている機種と搭載されていない機種があるため、すべての長府製給湯器に存在するわけではありません。
使えるとはいえ、本来の水圧が得られていない可能性があります。
シャワーの勢いが以前より落ちたと感じるなら、その情報も点検時に伝えてください。
252・PC・PFは「動く前に水流を検知した」
この3つは、いずれも同じ内容です。
ふろ循環ポンプが作動する前に、ふろ水流スイッチの作動が検出された状態を示します。
何が起きているのか
ふろ水流スイッチは、ふろ配管に水の流れがあるかどうかを検知する部品です。
本来であれば、循環ポンプが動いて初めて流れが生じます。
ところがポンプが動く前の段階で流れが検知されているため、機器は状態を正しく把握できないと判断して運転を止めます。
長府のエラーコード一覧では、252・PC・PFいずれも確認事項の欄が空欄になっています。
利用者が確認すべき項目は示されていません。
対処
警報解除方法は運転スイッチのOFF/ONです。
一度で復帰してその後問題がなければ、一過性の可能性があります。
復帰しない場合や繰り返す場合は、水流スイッチや配管側の点検が必要です。
長府も、復帰しない場合または再発する場合には点検・修理を依頼するよう案内しています。
P0は給水ポンプが止まらない状態
P0は機種によって意味が変わるコードです。
| 対象機種 | P0の意味 | 確認事項 |
|---|---|---|
| IB-340S、IB-4020S | 給水ポンプの連続作動時間超過 | 給湯配管の漏水、蛇口の閉止不良 |
| 上記以外 | ふろ運転時の浴槽水循環不良 | 循環口フィルターの汚れ |
連続作動時間超過とは
給水ポンプは、水が使われているあいだ動きます。
使用が終われば止まるはずのポンプが動き続けているということは、どこかで水が流れ続けているということです。
長府が挙げる確認事項も、給湯配管の漏水と蛇口の閉止不良です。
機器の故障ではなく、水が漏れているか出っぱなしになっている可能性を示しています。
確認のしかた
- 家中の蛇口とシャワーが完全に閉まっているか確認する
- 屋外の散水栓も含めて確認する
- すべて閉めた状態で水道メーターを見る
- パイロット(回転する小さな部品)が回っていないか確認する
すべて閉めているのにメーターが回っていれば、どこかで漏水しています。
放置すれば水道代に直結するため、早めに水道業者へ連絡してください。
給湯器まわりの漏れについては給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由で扱っています。
長府の他のエラー表示については長府製 石油給湯器のエラーコード一覧|原因と自分でできる対処法を解説で確認できます。
判断の早見表
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 642が出た。夏である | 冬までに必ず修理する。忘れないうちに予約を |
| 642が出た。冬である | 早急に点検を依頼。凍結対策を業者に相談する |
| 641が出た | 給湯は使えるが点検を依頼する |
| シャワーの勢いが落ちた気がする | 点検時にその情報も伝える |
| 252・PC・PFが出てリセットで復帰した | 一過性の可能性。日付を記録しておく |
| 252・PC・PFが繰り返す | 水流スイッチや配管の点検を依頼 |
| P0が出たが浴槽は使っていない | 銘板で型名を確認。給水ポンプ側の可能性 |
| P0が出た。給水ポンプ側だった | 蛇口を全部閉めて水道メーターを確認する |
| メーターが回っている | 漏水の可能性。水道業者へ連絡する |
よくある質問
Q1. 642が出ていますがお湯は使えます。急ぎませんか?
季節によります。
長府は642を警告表示とし、給湯は使用可能としています。
ただし取扱説明書には、642のときはふろ自動・ふろ保温・追いだき・たし湯・たし水に加えて、ふろ配管の凍結予防ができないと記載されています。
冬季に放置すると、寒波でふろ配管が凍結して破損するおそれがあります。
凍結により破損した場合の修理は保証期間内でも有料になるため、冬に出たなら早急に点検を依頼してください。
Q2. 641と642は何が違うのですか?
対象のポンプが違います。
641は給湯加圧ポンプ、642はふろ循環ポンプの異常検知です。
どちらも警告表示で給湯は使用可能とされていますが、642ではお風呂の自動機能とふろ配管の凍結予防が使えなくなります。
641は給湯側の水圧を補う部品なので、シャワーの勢いが落ちたと感じることがあります。
いずれも点検を依頼してください。
Q3. 252が出ました。何を確認すればよいですか?
長府のエラーコード一覧では、252・PC・PFいずれも確認事項の欄が空欄になっており、利用者が確認すべき項目は示されていません。
これらはふろ循環ポンプが作動する前に、ふろ水流スイッチの作動が検出された状態を示します。
まず運転スイッチをOFF/ONして復帰するか確認してください。
一度で復帰してその後問題がなければ一過性の可能性がありますが、繰り返す場合は点検を依頼してください。
Q4. P0が出ましたが、お風呂は使っていません。なぜですか?
機種によって意味が変わるためです。
IB-340SやIB-4020Sが対象の場合、P0は給水ポンプの連続作動時間超過を意味し、確認事項は給湯配管の漏水と蛇口の閉止不良です。
浴槽とは関係がなく、どこかで水が流れ続けている可能性を示しています。
それ以外の機種では、P0はふろ運転時の浴槽水循環不良を意味します。
まず機器前パネルの銘板で型名を確認してください。
Q5. 漏水しているかどうかを自分で確認できますか?
水道メーターで確認できます。
家中の蛇口とシャワー、屋外の散水栓まで含めてすべて閉めた状態にしてから、水道メーターのパイロットが回っていないかを見てください。
すべて閉めているのに回っているなら、どこかで水が漏れています。
漏水は水道代に直結するため、確認できたら早めに水道業者へ連絡してください。
なお給湯器本体からの漏れが疑われる場合は、給湯器の販売店にも連絡が必要です。
まとめ
641・642は警告表示で、給湯は使用可能とされています。
ただし642では、お風呂の自動機能に加えてふろ配管の凍結予防ができなくなります。
夏に出たなら冬までに直せば実害はありませんが、冬に出た場合は事情が変わります。
凍結により破損した場合の修理は保証期間内でも有料になるため、放置すればポンプの修理では済まなくなる可能性があります。
252・PC・PFは、ふろ循環ポンプが動く前に水流が検知された状態です。
確認事項は示されていないため、リセットで復帰しなければ点検を依頼してください。
P0は機種によって給水ポンプの連続作動時間超過を意味します。
どこかで水が流れ続けている可能性があるため、蛇口を全部閉めて水道メーターを確認してください。

