MENU

電気ストーブで部屋全体を暖められる?難しい理由と代わりの方法

電気ストーブで部屋全体を暖められるのか、難しい理由と代わりの方法を紹介するサムネイル画像。室内に電気ストーブが1台設置されているイラスト。
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

電気ストーブで部屋全体を暖めるのは、基本的に難しいです。
赤外線は空気をほとんど暖めず、さらに家庭用コンセントで使える電力には上限があるため、広さのある部屋を1台で暖めきるだけの熱量を出せないことが多いからです。

この記事では、部屋全体が暖まりにくい理由、必要な熱量の試算、部屋全体を暖めたいときの代わりの方法、電気ストーブの活かし方を解説します。
部屋を暖めたいからといって、電気ストーブを複数台つけっぱなしにしたり、延長コードでつないだりするのは危険です。

目次

部屋全体が暖まりにくい理由

理由は、大きく2つあります。

理由内容
暖め方の性質赤外線は当たった人や物を暖め、空気はほとんど暖めない
熱量の上限家庭用コンセントで使える電力に上限があり、出せる熱量に限りがある

理由1:空気が暖まらない

電気ストーブは、赤外線で人や物の表面を暖める暖房です。
赤外線は、空気をほとんど通り抜けるため、部屋の温度計の数字は上がりにくくなります。
体は暖かいのに、部屋は寒いままという状態になりがちです。
仕組みは、電気ストーブの仕組みの記事で解説しています。

理由2:熱量に上限がある

家庭用のコンセントは、100Vで15Aまで、つまり1500Wが目安です。
電気ストーブは、使った電気とほぼ同じ量の熱しか出せないため、1台あたりの熱量は、最大でも1.5kW程度になります。

部屋を暖めるのに必要な熱量の試算

どれくらいの熱量が必要か、試算してみます。
暖房の目安畳数の表示(燃焼式のファンヒーターの例)から逆算すると、1畳あたりの必要な熱量は、おおよそ次のようになります。

住まいの構造1畳あたりの目安備考
木造(断熱が弱い)約0.36kW熱が逃げやすい
コンクリート(マンションなど)約0.28kW熱が逃げにくい

(当サイト試算。
1機種の表示から逆算した値で、すべての住宅に当てはまるものではありません)
この数字を使って、6畳の部屋に必要な熱量を計算します。

住まいの構造6畳に必要な熱量の目安電気ストーブ1台の上限(1.5kW)との比較
木造約2.2kW(0.36×6)足りない
コンクリート約1.7kW(0.28×6)やや足りない

6畳でも、1台の電気ストーブでは、熱量が足りない可能性が高いことが分かります。
実際には、断熱性能、窓の大きさ、外気温によって変わります。
また、暖房の効果は、「暖め続ける」ことで維持されるため、熱量に余裕のない暖房は、寒い日にはいつまでも暖まらないことがあります。

「部屋が暖まらない」ときに起きていること

電気ストーブを使っても、部屋が暖まらないと感じるのは、次のような状況です。

状況原因
正面は暖かいが、背中が寒い赤外線が当たる面しか暖まらない
離れた場所が寒い距離が離れると、赤外線の強さが急激に弱まる
足元が冷える暖かい空気が少なく、床の冷気が残っている
部屋の温度計の数字が上がらない空気を暖めていないため
窓際が寒い窓からの冷気で、熱が逃げている

こうした状況は、故障ではなく、電気ストーブの仕組みによるものです。
寒さの原因が、電気ストーブの性能ではなく、暖房の種類の選び方にある場合が多くあります。

部屋全体を暖めたいときの代わりの方法

部屋全体を暖めたい場合は、次のような暖房が向いています。

暖房特徴向いている場面
エアコン空気を暖める。少ない電気で多くの熱を運べる部屋全体を長時間暖める
石油ストーブ・ファンヒーター暖房能力が大きい。換気が必要寒冷地、広い部屋
ガスファンヒーター・ガスストーブ暖房能力が大きく、即暖性が高い。換気が必要ガス栓がある部屋
床暖房床から全体を暖める新築・リフォーム時

エアコンとの電気代の比較は、電気ストーブとエアコンの電気代を比較した記事で整理しています。
石油ストーブとの違いは、電気ストーブと石油ストーブの違い、ガスストーブとの違いは、電気ストーブとガスストーブの違いの記事で解説しています。
電気のファンヒーターとの違いは、電気ストーブとファンヒーターの違いをご覧ください。

電気ストーブを「補助」として活かす

部屋全体は、ほかの暖房に任せ、電気ストーブを補助として使うと、効果的です。

場面使い方効果
エアコンを使っている部屋足元だけ電気ストーブエアコンの設定温度を低めにできる
暖房のない廊下・脱衣所使う数分間だけ電気ストーブ一時的に暖かくなる
デスクワーク足元に電気ストーブ足元の冷えを和らげる
起きてすぐの時間エアコンが効くまでの間だけ使う立ち上がりの寒さを減らす

電気ストーブは、部屋全体の暖房ではなく、「寒い場所を、短時間だけ補う」道具と考えると、満足しやすくなります。
暖房の使い分けは、電気代の面でも有利になります。
電気代の考え方は、電気ストーブの電気代は1時間いくら?の記事で整理しています。

暖かさが逃げない環境をつくる

どの暖房を使うにしても、暖かさが逃げにくい環境をつくることで、効果が高まります。

対策内容
窓の断熱断熱カーテン、断熱シート、すき間テープ
床の冷気対策ラグ、断熱マット
ドアのすき間すき間テープ、ドア下のカバー
暖房する範囲を絞る使わない部屋のドアを閉める
空気を循環させるサーキュレーターで、天井付近の暖かい空気を下ろす(電気ストーブに風を当てない向きで)

サーキュレーターの風を、電気ストーブの発熱体に直接当てないでください。
ほこりが舞い上がったり、異常な発熱につながったりするおそれがあります。

自分の部屋で試算してみる

自分の部屋で電気ストーブが足りるかどうかは、次の流れで大まかに確認できます。

手順内容
1部屋の広さ(畳数)を確認する
2住まいの構造(木造か、コンクリートか)を確認する
3木造なら0.36、コンクリートなら0.28を畳数に掛けて、必要な熱量(kW)を出す
4電気ストーブの消費電力(kW)と比べる
5足りなければ、エアコンなどを主役にして、電気ストーブは補助にする

たとえば、木造8畳なら、0.36×8で約2.9kWです。
1500Wの電気ストーブ1台では、約1.4kW足りません。
試算は、あくまで、暖房を選ぶときの目安です。
断熱が良い部屋や、暖房を使う時間が短いなら、試算より少ない熱量でも暖かく感じることがあります。
畳数別の目安は、電気ストーブは何畳まで?の記事でも整理しています。

電気ストーブで部屋を暖めたいときの注意点

注意点理由
複数台を同時に使わない消費電力が増え、ブレーカーが落ちたり、コードが発熱したりするおそれがある
延長コードやたこ足配線を避けるコンセントやコードの発熱を防ぐ
近づけすぎない衣類の焦げや、低温やけどにつながる
就寝中は使わないやけどや火災のおそれ
つけっぱなしにしない電気代がかさみ、消し忘れの危険もある

コンセントの容量は、コンセントのワット数の記事で確認できます。また火災の仕組みは、電気ストーブによる火事の記事で解説していますので、詳細はそちらをご覧ください。

よくある質問

Q1. 6畳の部屋なら、電気ストーブ1台で暖まりますか?

試算では、木造の6畳で約2.2kW、コンクリートの6畳で約1.7kWの熱量が目安になります。
電気ストーブ1台の上限(1.5kW程度)を超えるため、部屋全体を暖めきるのは難しいと考えられます。
断熱性の高い部屋では、足りる場合もあります。

Q2. 電気ストーブを2台使えば、部屋全体が暖まりますか?

消費電力が増え、コンセントやコードに負担がかかります。
同じ回路で使うと、ブレーカーが落ちたり、コードが発熱したりするおそれがあります。
おすすめしません。

Q3. 電気ストーブは、部屋のどこに置くのがよいですか?

部屋全体を暖めるのではなく、人の近くに置くのが基本です。
壁や家具から、取扱説明書の距離を空けて置いてください。

Q4. 部屋が暖まらないときは、どうすればよいですか?

エアコンなど、空気を暖める暖房を併用してください。
窓の断熱や、床の冷気対策も効果があります。

Q5. 電気ストーブは、どんな場面なら役に立ちますか?

脱衣所やトイレなどで短時間使う、デスクの足元を暖めるなど、近くを短時間暖める場面です。
エアコンの補助としても役立ちます。

まとめ

電気ストーブで部屋全体を暖めるのは難しいため、役割を分けて使うことが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
難しい理由赤外線は空気を暖めない。コンセントの上限で熱量にも限りがある
試算6畳で、木造約2.2kW・コンクリート約1.7kW。1台の上限(約1.5kW)を超える
代わりの暖房エアコン、石油・ガスのストーブやファンヒーターなど
電気ストーブの役割足元や短時間の補助
併用のコツ窓の断熱、床の冷気対策、サーキュレーター
注意複数台・延長コード・就寝中は避ける

部屋全体の暖房と、足元の補助を分けて考えてみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次