「ふろ自動」を押しても湯はりが完了せず、リモコンにEr38と表示されて困っていませんか。
Er38は、湯はりやたし湯の温度を制御する部品に異常が生じていることを知らせる点検表示です。
設定した温度のお湯を作れない状態のため、機器は湯はりを始めないか、途中で止めてしまいます。
この記事では、表示の意味と最初に試す操作、湯はりが止まる他の表示との切り分け方、解除できても油断できない理由、そして点検を依頼する判断基準までを整理します。
Er38が示しているのは「設定温度を作れない」状態
エコキュートは、タンクの高温のお湯に水を混ぜて設定温度を作り、浴そうに送り出しています。
この温度を作る部分に異常があると、狙った温度のお湯を用意できません。
そのため機器は、無理に湯はりを続けるのではなく動作を止めるという判断をします。
結果として現れるのが、次の症状です。
- 「ふろ自動」を押しても湯はりが完了しない
- 湯はりが途中で停止する
- 何度やり直しても同じところで止まる
なお、公表されているのは「温度を制御する部品」という表現までで、どの部位かまでは示されていません。
機種によって構成が異なるため、具体的な部品名は点検で特定してもらうことになります。
まず試す操作と、先に見ておきたいこと
解除の前に、機器側の異常ではない可能性を1分で確認できます。
残湯量の表示を見る
タンクのお湯が少ない、または温度が低い状態では、設定温度のお湯を作れず湯はりが途中で止まることがあります。
残湯量の目盛が少ないときは、沸き増しを行ってから湯はりを試してください。
浴そうの栓とフィルターを見る
栓が抜けている、ふろ循環アダプターのフィルターが詰まっているといった状態でも湯はりは完了しません。
どちらも数分で確認できるため、先に済ませておくと切り分けが楽になります。
そのうえで、次の手順で解除します。
- リモコンに操作案内が出ていれば、その指示どおりに操作する(多くの機種は「メニュー」ボタンを3秒以上長押し)
- 案内がなければ、貯湯ユニットの漏電遮断器を「切」にし、約5秒以上待ってから「入」に戻す
- 表示が消えたことを確認する
- あらためて「ふろ自動」ボタンを押す
解除操作そのものの詳しい手順は日立エコキュートの点検表示を解除する方法|再発したときの判断もにまとめています。
湯はりが止まる表示は5種類ある|切り分け方
日立エコキュートでは、湯はりに関する表示がいくつかあり、それぞれ原因が異なります。
どこで止まっているかを思い出すと、番号を確認する前でも見当がつきます。
| 表示 | 異常の場所 | 症状の特徴 |
|---|---|---|
| Er15 | ふろの流量 | ふろ自動を押しても何も出ない、水しか出ない |
| Er23・C23 | ふろの循環 | 途中で止まる。追いだきやたし湯もできない |
| Er24 | 浴そうの水位検知 | 途中で止まる。仕上がりの水位が毎回違う |
| Er26・Er28 | 湯はり温度の制御 | 熱い湯やぬるい湯が出る。入浴しない |
| Er38 | 温度を制御する部品 | 湯はりが完了しない、途中で停止する |
Er38とEr26・Er28は、どちらも温度に関わる表示ですが、現れ方が違います。
Er26・Er28は設定と違う温度のお湯が実際に出てしまうのに対し、Er38はお湯を出す前に止まるのが特徴です。
それぞれの詳しい対処は次の記事にまとめています。
- 湯はりがまったく始まらない場合は日立エコキュートEr15とは|湯はりできないときに見る4か所
- 追いだきやたし湯もできない場合は日立エコキュートEr23・C23とは|湯はりが途中で止まるとき
- 水位が毎回ばらつく場合は日立エコキュートEr24とは|湯はりが止まる水位センサー異常
- 熱い湯やぬるい湯が出ている場合は日立エコキュートEr26・Er28|熱い湯が出るときの対処
給湯やシャワーは使えるのか
Er38は湯はり・たし湯に関わる表示のため、蛇口やシャワーからの給湯は使えることが多い状態です。
おふろの自動湯はりだけができない状況であれば、給湯や食器洗いはそのまま続けて差し支えありません。
ただし、次のような症状が併発している場合は、給湯側にも異常が及んでいる可能性があります。
- シャワーの温度が設定と合わない
- 給湯中に温度が上下して安定しない
- 蛇口から急に熱いお湯が出た
この場合は給湯の使用も控えてください。
温度が制御できていない状態で使い続けると、やけどのおそれがあります。
解除で消えても油断できない理由
Er38は解除操作で表示自体を消せますが、部品の異常が直るわけではありません。
注意したいのは、解除後の湯はりで設定と違う温度のお湯が出る可能性があることです。
湯はりが完了したからといって、温度が正常とは限りません。
解除して湯はりできた場合も、次の点を守ってください。
- 入浴の前に、必ず手で湯温を確かめる
- 小さなお子さまや高齢の方が先に入らないよう声をかけておく
- 溜まったお湯が熱ければ、入らずに水を足すか入れ替える
「表示が消えた」ことと「安全に使える」ことは別の話です。
特に温度に関わる異常は、気づかないうちに家族が高温のお湯に触れる事故につながります。
点検が必要な状態の線引き
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 残湯量が少なく、沸き増し後に湯はりできた | 湯量不足が原因。様子を見てよい |
| 栓やフィルターの対処で復帰した | 対処完了 |
| 解除後に正常な温度で湯はりできた | 一時的な検知。湯温を確認しつつ様子を見る |
| 解除しても当日中に再表示される | 点検を依頼する |
| 何度解除しても湯はりが完了しない | 点検を依頼する |
| 湯はりできても温度がばらつく | 使用を控えて点検を依頼する |
改善しないまま使い続けると、やけどや感電のおそれがあります。
再発する場合は無理に操作を繰り返さず、販売店またはメーカーの修理窓口へ点検を依頼してください。
依頼するときは、次の情報を控えておくと訪問前の準備が進みます。
| 伝える内容 | 確認場所 |
|---|---|
| 表示された番号 | リモコンの表示部(解除前に控える) |
| 機器の型式と製造番号 | 貯湯ユニット本体のラベル |
| 止まるタイミング | 開始直後か、ある程度溜まってからか |
| 残湯量の状態 | 目盛がどのくらい出ていたか |
| 解除を試した回数 | 何回試して、どうなったか |
表示された番号ごとの意味は日立エコキュートのエラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準から確認できます。
湯はりができないあいだの過ごし方
点検までのあいだ、おふろをまったく使えないわけではありません。
蛇口から浴そうにお湯を溜める方法であれば、湯はり機能を使わずに入浴できます。
ただし温度の自動調整は働かないため、次の点に気をつけてください。
- 溜めながら湯温を確かめ、熱ければ水を足す
- 給湯温度を高い設定のままにしない
- ふろリモコンで「浴室優先」を設定し、入浴中に台所側で温度を変えられないようにする
また、水位がふろ循環アダプターの上端より10cm以上ないと追いだきはできません。
冬季は凍結防止のため、この水位を保った状態で残り湯を置いておくと、配管の凍結を防げます。
温度を制御する部品は消耗品として扱われている
Er38のような症状は、使い方の問題というより経年で起こりやすいトラブルです。
日立の取扱説明書では、消耗部品として次のような部位が挙げられています。
- 逃し弁、減圧弁、パッキン類
- 電動混合弁、三方切換弁、電磁弁
- 循環ポンプ、ゴムホース
- センサー類、水流スイッチ
温度の調整や湯の切り替えに関わる弁やセンサーが、いずれも消耗部品に含まれている点に注目してください。
これらは使用年数に応じて劣化する前提の部品で、交換のときは純正部品を使うことが求められています。
また、長く安心して使うために、3〜4年に1度の専門技術者による定期点検(有料)が推奨されています。
点検では据付状態や配管の水漏れ、弁類の動作、タンク内の清掃などが行われます。
設置から年数が経っている機器で症状が出た場合は、その部位だけを直すのか、機器全体の状態を見てもらうのかを含めて相談するとよいでしょう。
よくある質問
Q1. 残湯量が十分あるのに湯はりが止まります。湯量不足ではないということですか?
残湯量の表示は約45℃以上のお湯の量を示しているため、目盛が出ていてもタンク内の温度が湯はりに足りていない場合があります。
まずは沸き増しを行い、タンクの温度を上げた状態でもう一度試してください。
それでも同じところで止まるようであれば、湯量ではなく温度を作る部分の問題が濃厚です。
この段階では点検を依頼するのが確実です。
Q2. Er38とEr26は何が違うのですか?
どちらも湯はりの温度に関わる表示ですが、症状の出方が異なります。
Er26・Er28は設定と違う温度のお湯が実際に浴そうに出てしまう状態で、入浴を避ける必要があります。
一方Er38は、温度を作れないために湯はり自体が完了しない状態です。
ただしEr38でも解除後に温度が安定しない可能性はあるため、湯温の確認は同じように行ってください。
Q3. 何回か解除を繰り返せば直りますか?
解除は表示を消す操作であり、部品の異常を直すものではありません。
2回目でまた表示された時点で、部品側に原因が残っていると判断できます。
何度も入れ直しても改善することはなく、通電と停止の繰り返しが機器に負担をかける場合もあります。
目安として2回までにとどめ、それ以上は点検に切り替えてください。
Q4. 修理にはどのくらい時間がかかりますか?
故障箇所と部品の在庫状況によって変わるため、一律には言えません。
訪問時に部品が用意されていれば当日中に終わることもありますが、取り寄せになれば数日かかる場合もあります。
連絡の段階で表示された番号と型式を伝えておくと、必要な部品を持参してもらえる可能性が高まります。
補修用性能部品の保有期間を過ぎた機種では、修理自体が難しくなる点も確認しておいてください。
Q5. 表示が出た状態で放置しても大丈夫ですか?
湯はりが使えないだけであれば、生活が完全に止まるわけではありません。
ただし、温度を制御する部分の異常は放置すると症状が広がる可能性があります。
また、解除して使えてしまう状態が続くと、湯温の確認を忘れて熱いお湯に触れる危険もあります。
症状が安定しているうちに点検を受けるほうが、結果的に負担が小さく済みます。
まとめ
Er38は、湯はりやたし湯の温度を作る部品に異常があることを知らせる表示です。
- 症状は「湯はりが完了しない」「途中で止まる」
- 解除の前に、残湯量・浴そうの栓・フィルターを確認する
- 熱い湯が実際に出るEr26・Er28とは症状の出方が違う
- 解除できても、湯温の確認は毎回行う
- 2回目の再表示が出た時点で点検を依頼する
湯はりが止まる表示は複数あり、どこで止まったかで原因が変わります。
番号を控えたうえで、症状に合った対処を選んでください。

