MENU

業務用・大型の電気ストーブの特徴とは|店舗・作業場での選び方

店舗や作業場で使用する大型の円筒型電気ストーブを描いた、業務用電気ストーブの特徴と選び方を解説するサムネイル画像
Yuta
記事監修者
現:ガス会社に勤める兼業WEBライター。所持資格はガス開栓作業に必要な高圧ガス販売主任者二種、ガス工事に必要な液化石油ガス設備士、灯油の取り扱いに必要な危険物乙四種、その他ガス関連資格多数と電気工事士などの資格も多数所持。

業務用・大型の電気ストーブを選ぶときは、「暖めたい範囲」「電源(100Vか200Vか)」「設置場所の安全条件」の3つを先に確認することが大切です。
家庭用と違い、消費電力が大きく、電気工事や契約容量の確認が必要になる場合があるためです。
この記事では、業務用・大型の電気ストーブの特徴、選ぶときの確認点、電気代の考え方、導入前のチェックリストを解説します。
業務用・大型の機種は、取扱説明書や施工条件に従って設置し、電気工事が必要な場合は、必ず有資格者に依頼してください。

目次

業務用・大型の電気ストーブとは

「業務用」「大型」とされる電気ストーブには、決まった定義があるわけではありません。
一般には、家庭用より消費電力が大きく、店舗、作業場、倉庫、ガレージなど、広めの空間で使うことを想定した機種を指します。

項目家庭用業務用・大型
消費電力数百W〜1500W程度数kW以上の機種もある
電源100V(コンセント)100Vのほか、200V・専用回路の機種もある
取り付け置くだけ壁掛け、天吊り、専用スタンドなど
使う場所住居の部屋、脱衣所など店舗、作業場、倉庫、休憩所など
暖め方足元・近くの補助人のいる場所を、広めに暖める
工事ほぼ不要電気工事が必要な場合がある

暖め方の基本は、家庭用と同じ放射式が中心です。
赤外線で人や物を直接暖めるため、天井が高い空間や、扉の開け閉めが多い場所でも、人のいる場所を暖めやすい特徴があります。
仕組みは、電気ストーブの仕組みの記事で解説しています。

家庭用で足りるか、業務用が必要か

最初に、家庭用の電気ストーブで足りるかどうかを考えます。

状況向いている選択
1〜2人が近くで使う家庭用でも足りることが多い
数人が広めの範囲で使う業務用・大型を検討
天井が高い、扉の開閉が多い業務用・大型の放射式を検討
営業時間中、長時間つけたい電気代、安全面から、ほかの暖房との比較が必要
家庭用コンセントの容量では足りない業務用・専用回路の機種、またはほかの暖房

家庭用コンセントで使える電力は、1500W程度が上限です。
これを超える熱量が必要なら、電源の条件が合う業務用か、別の暖房方式を検討します。
部屋全体の暖房が必要な場合は、電気ストーブで部屋全体を暖められる?の記事も参考になります。

選ぶときの確認点

業務用・大型を選ぶときは、次の項目を順に確認します。

確認する項目内容
消費電力必要な暖かさと、使える電気容量に合うか
電源の種類100V、200V、単相、三相など。設置場所の配線と合うか
設置方法床置き、壁掛け、天吊りなど。取り付け場所の強度は十分か
暖める範囲・向き人がいる場所に熱が届くか。首振りや角度調整があるか
使う環境湿気、粉じん、水しぶき、油煙があるか。環境に合う仕様か
安全装置転倒時オフ、過熱防止、タイマーなど
防水・防じん性能屋外や水気のある場所で使うなら確認
電源コード・プラグ長さ、容量、取り回し
保証・修理体制業務で使う場合、故障時の対応は重要

消費電力が大きいほど、電源と安全条件の確認が重要になることを、頭に置いておきます。
家庭用に比べると、確認する項目が増えますが、一つずつ確認すれば難しくはありません。

電源と電気工事の考え方

業務用・大型の電気ストーブでは、電源の確認が欠かせません。

項目内容
100V・15A一般のコンセント。上限は1500W程度
100V・20A専用のコンセントで使える場合がある。機種の対応を確認
200V大きな消費電力の機種で使われる。専用回路・専用コンセントが必要になることが多い
三相工場などで使われる電源。機種によって対応

電源の種類や、専用回路が必要かどうかは、機種の仕様と、設置場所の配線条件で決まります。
電気工事は、法令により、有資格者でなければできない作業があります。
自分で配線を変更したり、コンセントを交換したりせず、電気工事士や、施設の管理者に相談してください。

家庭用コンセントの容量については、コンセントのワット数の記事で整理しています。

契約容量とブレーカーの確認

消費電力が大きい機種を追加すると、施設全体の電気の使い方にも影響します。

確認すること理由
契約している電力の容量他の設備と同時に使うと、超えるおそれがある
ブレーカーの容量容量を超えると落ちる。無理に大きくしない
同じ回路につながる機器他の機器との合計が、回路の容量以内か
使う時間帯ほかの設備の使用が重なる時間帯に注意

賃貸の店舗や事務所では、建物のオーナーや管理会社に、設備の追加を伝えておくと、後のトラブルを避けられます。
契約の見直しが必要かどうかは、電力会社や、電気工事の専門家に相談してください。

設置場所と安全上の注意

業務用・大型は、本体が高温で、熱の強さも大きくなります。
設置場所の安全条件は、家庭用以上に重要です。

注意点理由
可燃物から十分に離す段ボール、紙、布、木材などが発火するおそれ
取扱説明書の離隔距離を守る壁、天井、床、棚との距離が決められている
スプレー缶・油・溶剤を近くに置かない引火、破裂のおそれ
粉じんが多い場所では使用条件を確認する粉じんへの引火のおそれ
通路をふさがない避難経路の確保、接触事故の防止
固定する倒れたり、落ちたりしないように
無人のときは使わない閉店後・夜間・外出時は切る

段ボールや紙、布、木くずなどが近くにある作業場では、特に注意してください。
離隔距離を取り、整理整頓を保つことが欠かせません。

事故が起きる仕組みは、電気ストーブによる火事の記事で解説しています。

防火上の届出

電気ストーブも、一定以上の規模や条件では、地域の火災予防条例にもとづき、設置の届出が必要な場合があります。
条件は、地域や施設の種類、機器の容量によって異なります。
導入前に、管轄の消防署または施設の管理者に確認するのが確実です。

電気代の計算例

大きな消費電力の機種は、電気代の計算も重要です。
仮の単価を30円/kWhとして、計算します。

消費電力1時間の電気代(仮)8時間使った場合(仮)
1.5kW約45円約360円
3kW約90円約720円
5kW約150円約1,200円

(当サイト計算。
単価は仮の値です。
業務用の電気料金は、契約の種類によって単価や基本料金が異なります)
電気代は、消費電力と使用時間に比例します。
長時間使う場所では、電気代がかさむため、人のいる時間と場所に絞って使うことが重要です。
電気代の考え方は、電気ストーブの電気代は1時間いくら?の記事で整理しています。

業務用・大型が向いている場面と向かない場面

場面向き不向き理由
天井が高い作業場向いている放射式は、人のいる場所を直接暖められる
扉の開閉が多い店舗向いている空気が逃げても、人の体感が保たれやすい
屋根のあるガレージ向いている作業する人の近くを暖められる
広い倉庫全体を暖めたい向かない空気を暖める暖房が向く
長時間、無人で暖めたい向かない安全面、電気代から不向き
可燃物が多い場所注意が必要離隔距離を確保できない場合は使えない

広い空間全体を暖めたい場合は、電気ストーブ以外の暖房(エアコン、燃焼式の暖房など)も比較してください。
石油ストーブとの違いは、電気ストーブと石油ストーブの違い、ガスストーブとの違いは、電気ストーブとガスストーブの違いの記事で整理しています。

取り付け方式の違い

業務用・大型の電気ストーブは、取り付け方式によって、使い勝手が変わります。

方式特徴向く場所
床置き(スタンド式)移動できる。コードが通路にかかりやすい作業場、イベント会場
壁掛け床面を使わない。壁の強度が必要店舗、休憩室
天吊り床面が空き、上から暖められる。取り付け工事が必要天井の高い作業場、倉庫
ポール・可動式向きや高さを調整できる作業位置が変わる場所

取り付け場所の強度と、熱が当たる向きを確認することが大切です。
壁掛けや天吊りは、落下すると大きな事故につながるため、取り付けは、取扱説明書の手順に従い、必要に応じて専門業者に依頼してください。

導入前のチェックリスト

チェック項目確認方法
暖めたい場所・人数現場で確認
必要な暖かさ使う人の位置、距離
消費電力・電源の種類仕様、設置場所の配線
契約容量・ブレーカー管理者・電力会社
電気工事の要否電気工事士、管理者
設置方法・強度設置場所の構造
離隔距離・可燃物取扱説明書、現場の確認
防火上の届出管轄の消防署、管理者
保証・修理体制メーカー・販売店
電気代の見込み消費電力×時間×単価

よくある質問

Q1. 業務用の電気ストーブは、家庭用コンセントで使えますか?

機種によります。
100Vで使える機種もありますが、消費電力が大きい機種は、200Vや専用回路が必要です。
仕様と、設置場所の電源を確認してください。

Q2. 電気工事は必要ですか?

消費電力や、電源の種類によっては必要です。
法令により、有資格者でなければできない作業があります。
電気工事士や、施設の管理者に相談してください。

Q3. 業務用の電気ストーブで、広い作業場全体を暖められますか?

放射式は、人のいる場所を暖めるのが得意で、空間全体の空気を暖めるのは苦手です。
広い空間全体を暖めたい場合は、ほかの暖房方式も比較してください。

Q4. 設置の届出は必要ですか?

地域の火災予防条例により、一定の条件で必要になることがあります。
管轄の消防署か、施設の管理者に確認してください。

Q5. 電気代は、家庭用と比べてどれくらい高くなりますか?

消費電力に比例します。
1.5kWなら1時間約45円、3kWなら約90円(仮の単価30円/kWhでの計算)です。
業務用の契約では、基本料金や単価が異なるため、契約の内容を確認してください。

まとめ

業務用・大型の電気ストーブは、電源、安全条件、電気代を、導入前に確認することが大切です。
最後に、この記事のポイントを整理します。

ポイント内容
特徴消費電力が大きく、広めの場所で、人のいる範囲を暖める
電源100Vのほか、200V・専用回路の機種もある。電気工事は有資格者に
設置離隔距離を守る。可燃物から離す。固定する
届出地域の条例で必要な場合がある。消防署や管理者に確認
電気代消費電力×時間×単価(3kWで1時間約90円、仮の単価)
注意無人のときは使わない

使う場所の条件を整理して、管理者や専門家に相談してみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「暮らしの設備ガイド」は、給湯器・ストーブ・換気設備など、
家庭の安心と快適を支える“住まいの設備”に関する専門メディアです。

現在もガス業界で設備施工・保守に携わるYuta(ガス関連資格保有者)が監修し、一般家庭向けのガス機器・暖房設備・給湯器交換の実務経験をもとに、現場の知識に基づいた、正確で実用的な情報を発信しています。

目次