地震のあとに暖房が止まり、表示部に「E9」が出ていませんか。
コロナの温水ルームヒーターに表示されるE9は、対震自動消火装置が働いて運転を停止した状態を知らせるサインです。
機器が壊れたことを示す表示ではないため、安全を確認したうえで運転スイッチを押し直せば、再び使えるケースがほとんどです。
ただし、揺れの後は機器そのものより、周囲の状況や送油まわりの確認が先になります。
この記事では、E9が示す内容と再運転の前に見ておきたい点、地震以外でE9が出る場面、繰り返すときの判断基準までを整理します。
E9は対震自動消火装置が働いたサイン
対震自動消火装置は、地震などの強い揺れを感知したときに自動で燃焼を停止させる安全装置です。
揺れによる転倒や油漏れ、火災を未然に防ぐために備えられています。
温水ルームヒーターの室外機では、震度約5以上の地震や、強い振動・衝撃を受けたときに作動して運転を停止します。
E9は、この装置が正常に働いた結果として表示されるものです。
| 表示される場所 | 見え方 |
|---|---|
| 室内機(CRHタイプ)のデジタル表示部 | E9 |
| 別売リモコン(CRB-R1) | エラー9 |
コロナの公式案内でも、E9の処置方法は「運転スイッチを押して再運転してください」と示されています。
他の多くのサインが点検・修理を前提としているのに対し、E9は利用者の操作で復帰できる数少ない表示のひとつです。
故障ではないが、その場で押し直さない
E9が出たとき、室内のリモコンだけを見て運転スイッチを押し直したくなりますが、先に室外機の設置場所を見に行ってください。
理由は単純で、揺れで危険な状態になっているかどうかは、室外機の前でしか判断できないためです。
装置が働いたということは、機器がそれだけの衝撃を受けたということでもあります。
油漏れや可燃物の接触が起きている状態で燃焼を再開すれば、装置が守ろうとしたリスクをそのまま引き受けることになります。
コロナの取扱説明書でも、地震などによって作動した場合は、設置場所へ行って周囲の可燃物、機器の損傷、油漏れなどの異常がないことを確認してから再び運転操作をするよう案内されています。
再運転の前に確認する5つのポイント
室外機の前で、次の点を順に見てください。
| 確認する場所 | 見るポイント |
|---|---|
| 機器の周囲 | 物が倒れてきていないか、燃えやすい物が接触していないか |
| 本体の状態 | 傾いていないか、水平が保たれているか、外装に損傷がないか |
| 送油管の接合部 | 油のにじみ、外れ、ゆるみがないか |
| 機器の下・地面 | 灯油のたまり、しみ、においがないか |
| 給気口・排気口 | 落下物や倒れた物でふさがれていないか |
とくに送油管の接合部と機器の下は見落とされやすい箇所です。
揺れで配管に力がかかり、接合部がわずかにゆるんでにじみが出ることがあります。
暗い時間帯であれば、懐中電灯を使って地面の色の変化まで確認してください。
灯油のにおいや油漏れがあるときは、再運転しないでください。
電源プラグを抜いたうえで、販売店またはコロナサービスセンターに連絡してください。
漏れた灯油に着火すると火災につながります。
こぼれた灯油や地面にしみた灯油の扱いについては、灯油をこぼしたときの正しい対処法|臭い・火災・健康リスクを防ぐ掃除と処理の完全ガイドで解説しています。
本体が傾いている場合も、その場で動かさないでください。
水平が崩れた状態は燃焼や送油に影響します。
据え付け直しが必要になるため、販売店に相談するのが確実です。
再運転の手順
安全を確認できたら、次の操作で復帰します。
- 室内機の運転キー(または別売リモコンの運転スイッチ)を押す
- E9の表示が消灯する
- もう一度運転キーを押して再運転する
- 燃焼マークが表示され、しばらくして温風が出るか確認する
運転しない場合、あるいは押してもすぐにE9が再表示される場合は、点検または修理が必要な段階です。
なお、E-CON接続の放熱器だけで室外機を運転している構成では、エラー表示もリセットもできません。
この場合は別売のCRBリモコンが必要になります。
再運転後に点火しない、途中で止まるといった症状に変わった場合は、揺れで送油経路に空気が入った可能性があります。
その状況では表示もE2やE4に変わるため、コロナ温水ルームヒーターのE2・E4|着火不良と途中失火の確認点を確認してください。
📎 出典:株式会社コロナ 取扱説明書のダウンロード
地震がないのにE9が出ることもある
対震自動消火装置は地震専用のセンサーではなく、強い振動や衝撃全般に反応します。
そのため、揺れを感じていないのにE9が表示されることがあります。
| 考えられる場面 | 背景 |
|---|---|
| 屋根からの落雪が室外機に当たった | 衝撃を揺れとして検知した |
| 除雪作業中に機器へ接触した | 同上 |
| 室外機の据え付けにがたつきがある | わずかな振動が増幅されて伝わる |
| 近くで工事や大型車両の通行がある | 地面を伝わる振動を検知した |
| 強風で周囲の物が接触している | 継続的な振動が加わっている |
このうち対処しやすいのは、据え付けのがたつきです。
固定脚が浮いている、設置面が沈んで水平が崩れているといった状態では、本来なら作動しない程度の振動でも検知されることがあります。
自分で調整するのは難しいため、繰り返す場合は据え付け状態の確認を依頼してください。
「地震がないのに何度もE9が出る」という状況は、装置の不具合か設置環境のどちらかを示しています。
どちらにしても点検が必要な段階です。
繰り返し出るときは点検が必要
次に当てはまる場合は、利用者側でできることは残っていません。
- 再運転しても運転を始めない
- 再運転してもすぐにE9が再表示される
- 地震や強い衝撃がないのに、短期間に何度も表示される
- 表示と同時に、灯油のにおいや油漏れがある
- 揺れのあと、明らかに機器が傾いている
処置をせずにリセットを繰り返さないでください。
異常が疑われる状態での使用は、火災や事故につながるおそれがあります。
運転を停止し、電源プラグを抜いたうえで販売店に連絡してください。
同じ対震自動消火装置は、コロナの他の石油機器にも搭載されています。
装置そのものの仕組みや、機器ごとの表示の違いについてはコロナ石油給湯器の「エラー2」とは?対震自動消火装置の作動と解除手順を解説で解説しています。
地震のあと、あわせて見ておきたいところ
E9が出るほどの揺れがあった場合、室外機以外にも影響が及んでいることがあります。
- 油タンクの転倒、脚の沈み、送油バルブまわりのゆるみ
- 送油管(銅パイプ)の変形、引っ張られた跡
- 室外機と室内機をつなぐ温水配管の接続部からの液漏れ
- 室内機の設置状態、壁との固定
- 循環液の水位(配管側で漏れが起きていれば下がる)
暖房が復帰したあとも、数日は機器の下や配管まわりを見ておくと安心です。
わずかなにじみは時間が経ってから目に見える形になることがあります。
他のサインとの位置づけはコロナ温水ルームヒーターのエラーサイン一覧|表示の意味と対処の目安にまとめています。
E9と間違えやすい表示
揺れのあとに暖房が止まると、表示の内容にかかわらず「地震のせいだ」と考えてしまいがちです。
しかし、地震をきっかけに別の異常が現れることもあります。
| 表示 | 内容 | E9との違い |
|---|---|---|
| E8 | 空焚き防止サーモの作動 | 循環液の不足や過熱が背景。点検・修理が必要 |
| EE・Ee | 停電の検知 | 地震に伴う停電で出る。運転スイッチを入れ直す |
| E14 | 室内機と室外機の通信異常 | 揺れで信号線に影響が出た可能性。点検・修理が必要 |
| E2・E4 | 着火不良、途中失火 | 揺れで送油経路に空気が入った可能性がある |
地震のあとは停電を伴うことも多く、E9とEE・Eeが続けて表示される場面も考えられます。
この場合、まず通電の復旧を確認してから運転スイッチを入れ直すことになります。
一方、E8やE14が出ている場合は、押し直して解決する表示ではありません。
揺れによって配管や配線側に影響が出ている可能性があるため、点検を依頼してください。
「地震のあとだから再運転すればいい」と決めつけず、表示されている記号そのものを確認することが、判断を誤らないための出発点になります。
よくある質問
Q1. E9が出ましたが、地震には気づきませんでした。
対震自動消火装置は地震だけでなく、強い振動や衝撃にも反応します。
屋根からの落雪が室外機に当たった、除雪作業中に接触した、近くで工事が行われていた、といった場面でも作動することがあります。
また、据え付けにがたつきがあると、わずかな振動でも検知されやすくなります。
一度の表示であれば安全を確認して再運転してかまいませんが、短期間に何度も出る場合は据え付け状態や装置の点検が必要です。
Q2. すぐに運転スイッチを押し直しても大丈夫ですか。
室外機の設置場所を確認してからにしてください。
対震自動消火装置が働いたということは、機器がそれだけの衝撃を受けたということです。
周囲に物が倒れていないか、本体が傾いていないか、送油管の接合部や機器の下に灯油のにじみがないかを見てから操作します。
灯油のにおいや漏れがある状態で燃焼を再開すると、火災につながるおそれがあります。
確認に数分かけるだけで、そのリスクを避けられます。
Q3. 再運転しても動きません。故障でしょうか。
その可能性があります。
コロナの公式案内でも、運転しない場合は点検または修理が必要とされています。
揺れによって内部の部品や配線に影響が出ている、あるいは対震自動消火装置そのものに不具合があるといったケースが考えられます。
無理に操作を繰り返さず、販売店またはコロナサービスセンターに連絡してください。
連絡の際は、地震や衝撃があったかどうかもあわせて伝えると状況が伝わりやすくなります。
Q4. 再運転はできましたが、点検を受けたほうがいいですか。
一度の作動で正常に復帰し、油漏れなどの異常も見当たらなければ、すぐに点検を依頼する必要はありません。
対震自動消火装置は、そうした場面で働くために備えられているものだからです。
ただし、大きな地震のあとは配管や油タンクの状態も変わっている可能性があります。
機器の下や接続部を数日は見ておき、にじみや液漏れの跡が出てきた場合は点検を依頼してください。
Q5. 室内機とリモコンで表示が違って見えます。
表示される場所によって形式が変わるためです。
室内機のデジタル表示部では「E9」と表示され、別売のCRBリモコンでは「エラー」の文字と数字が点滅して「エラー9」と見えます。
どちらも同じ内容で、対震自動消火装置の作動を示しています。
なお、E-CON接続の放熱器だけで室外機を運転している構成では、そもそもエラー表示もリセットもできません。
暖房が止まっているのに表示が見当たらない場合は、自宅の構成を確認してみてください。
安全に使い続けるためのポイント
E9は対震自動消火装置が働いて停止した状態で、故障を示す表示ではありません。
安全を確認したうえで運転スイッチを押し直せば、多くの場合は復帰します。
- 押し直す前に、必ず室外機の設置場所を確認する
- 周囲の可燃物、本体の傾き、送油管の接合部、機器の下を見る
- 灯油のにおいや漏れがあるときは、再運転せず連絡する
- 地震がないのに繰り返す場合は、据え付けのがたつきや装置の不具合を疑う
- 再運転後にE2やE4へ変わった場合は、送油経路の空気を疑う
揺れのあとに慌てずに済むよう、室外機の設置場所と、油タンク・送油管の通り道を普段から把握しておくことをおすすめします。

