エコキュートは設置してしまえば手のかからない機器ですが、まったく何もしなくてよいわけではありません。
お手入れを怠ると、湯はりができなくなったり、浴そうに汚れが流れ出したりすることがあります。
逆に言えば、数分でできる作業を習慣にしておくだけで防げるトラブルも少なくありません。
この記事では、日立が公表しているお手入れと点検の項目を頻度ごとに整理し、配管洗浄のやり方、使ってはいけない入浴剤の条件までをまとめます。
お手入れの頻度早見表
| 頻度 | 内容 |
|---|---|
| 日常 | ふろ循環アダプターの掃除、リモコンの掃除 |
| 月に1度 | 時刻の確認、漏電遮断器の点検 |
| 年に2〜3度 | 逃し弁の点検、貯湯ユニットの掃除、配管の点検 |
| 半年に1回 | ふろ追いだき配管の循環洗浄 |
いずれも特別な道具は必要ありません。
ただし、お手入れや点検の内容によってはやけどをするおそれがあります。
タンク内や配管には高温のお湯が入っているため、十分に注意して行ってください。
日常のお手入れ
ふろ循環アダプターの掃除
浴そうの壁にある円形の部品が、ふろ循環アダプターです。
ここが汚れていると、湯はりなどのふろ機能が正常に動作しなかったり、汚れが浴そう内に流れ出したりすることがあります。
入浴後に湯を抜くタイミングでフィルターを外して洗う流れにしておくと、手間なく続けられます。
取り付けるときは、フィルターガイドの印に合わせてはめ込み、止まるまで回して固定してください。
向きが合っていないと固定できず、次の湯はりで不具合につながります。
リモコンの掃除
表面が汚れたときは、乾いた布か、水に濡らして固く絞った布で拭きます。
汚れが落ちにくい場合は、台所用中性洗剤を薄めて使い、ぬるま湯を含ませた布で拭き取ってください。
ベンジンやシンナーなどの洗剤は、変形や変色の原因になるため使用しないでください。
また、水洗いは故障の原因になります。
月に1度のお手入れと点検
時刻の確認
月に一度は時刻を確認し、正確な現在時刻に合わせてください。
リモコンの時刻が合っていないと、電気料金が割高になる場合があります。
エコキュートは、電気料金が割安な深夜時間帯に沸き上げを行います。
時刻がずれていると、その時間帯を外して沸き上げてしまうためです。
停電のあとや、電源を入れ直したあとは特に確認しておいてください。
漏電遮断器の点検
漏電したときに自動的に電気を切るための安全装置です。
正常に作動するかを点検してください。
点検の方法は機種によって異なるため、取扱説明書の該当項目を確認してください。
点検後は、操作カバーを必ず閉じてください。
年に2〜3度のお手入れと点検
逃し弁の点検
逃し弁は、沸き上げ時にタンク内の膨張水を排出し、タンク内が高圧になるのを防ぐ部品です。
点検は、逃し弁のレバーを上げ(開)、タンク排水管からお湯や水が出ることを確認します。
出てくるのは高温のお湯の場合があります。
排水管の出口に手を近づけないでください。
沸き上げをしていない時間帯にもタンク排水管からお湯が出続けている場合は、逃し弁の不具合が考えられます。
その場合は販売店または工事店へ連絡してください。
貯湯ユニットの掃除
使用しているうちに、タンクの底部には湯アカなどの沈殿物がたまります。
タンクの湯を排水することで、内部の沈殿物を除去できます。
年数が経つほど沈殿物は増えるため、定期的に行っておくと湯質の維持につながります。
手順は機種によって異なるため、取扱説明書を確認してから行ってください。
配管の点検
貯湯ユニットの周囲で水が漏れていないか、保温材が傷んでいないかを点検します。
ドレンホースから水が出ていないことも確認してください。
集合住宅では、水が漏れると階下に被害を与えるおそれがあります。
マンションにお住まいの場合は、この点検を特に意識してください。
保温材が傷んでいると、冬季の凍結リスクも高まります。
凍結対策については日立エコキュートの凍結防止|冬に配管を凍らせないための手順で解説しています。
半年に1回のふろ追いだき配管の洗浄
ふろ追いだき配管の洗浄には、「自動洗浄」と「循環洗浄」の2つがあります。
| 方法 | 内容 | 頻度 |
|---|---|---|
| 自動洗浄 | ふろ自動運転終了後、排水時に配管内を水道水で流す(搭載機種のみ) | 設定しておけば自動 |
| 循環洗浄 | 市販の洗浄剤で配管内の湯アカを洗い流す | 半年に1回程度 |
普段は配管の汚れを防ぐために「自動洗浄」を設定しておくことが推奨されています。
そのうえで、半年に1回程度は洗浄剤を使った循環洗浄を行ってください。
洗浄剤の選び方
推奨されている洗浄剤は、ジョンソン株式会社の「ジャバ 1つ穴用」です。
硫黄、酸、アルカリを含んだ洗浄剤は使用しないでください。
配管や部品を傷める原因になります。
実施するタイミング
循環洗浄を行うと、残湯量が少なくなります。
洗浄によってタンク内の温度が下がるためです。
お湯をたくさん使う予定がある日は避け、その日のお湯を使い終わったあとに行ってください。
夜、入浴が終わったタイミングが実施しやすい時間帯です。
なお、排水時の自動洗浄で汚れが浴そうに排出された場合は、そのつど洗浄剤を使った循環洗浄を行ってください。
ふろ循環アダプターから汚れが出てくるのは配管内にたまった汚れで、異常ではありません。
自動洗浄中のやけどに注意する
自動洗浄は便利な機能ですが、安全上の注意があります。
自動洗浄中に浴そうに入らないでください。
追いだき配管内に残っている高温のお湯が、ふろ循環アダプターから出てやけどをすることがあります。
浴そうの掃除も同様です。
- 排水後すぐに浴そうを掃除すると、やけどをすることがある
- ふろ循環アダプターからお湯が出なくなったことを確認する
- 完全に排水されたあとに掃除を始める
入浴後すぐに浴室を片付ける習慣がある家庭では、この点を家族にも共有しておいてください。
「排水したから終わり」ではなく、アダプターからの吐出が止まったかどうかで判断します。
入浴剤に制約はあるのか
入浴剤には制約があります。
硫黄、酸、アルカリを含んだ入浴剤は使用しないでください。
配管や部品を傷める原因になります。
洗浄剤と同じ条件です。
市販の入浴剤には「循環式風呂釜に使用できます」といった表記があるものが多いため、購入前に注意書きを確認してください。
とくに注意したいのが、温泉の素をうたう硫黄系の商品です。
香りや見た目で選ぶと見落としやすい部分なので、成分表示を確かめてから使ってください。
入浴剤を使った日は、配管内に成分が残りやすくなります。
使用頻度が高い家庭では、循環洗浄の間隔を短めにするのも有効です。
📎 出典:日立の家電品|入浴剤に制約がありますか?
お手入れがトラブルの予防につながる
ふろ循環アダプターのフィルターが目詰まりすると、湯はりや追いだきが正常に動作しなくなります。
点検表示が出る原因にもなり、Er15やEr23・C23といった番号の確認項目としてフィルターの清掃が挙げられています。
| お手入れ | 予防できること |
|---|---|
| フィルターの清掃 | 湯はり・追いだきの動作不良、浴そうへの汚れの流出 |
| 循環洗浄 | 配管内の湯アカ蓄積による流量低下 |
| 時刻の確認 | 深夜時間帯を外した沸き上げによる電気料金の増加 |
| 逃し弁の点検 | タンク内の異常高圧、排水管からの漏れの見落とし |
| 配管の点検 | 水漏れ、冬季の凍結 |
湯はりができないときの確認手順は日立エコキュートEr15とは|湯はりできないときに見る4か所、湯はりが途中で止まる場合は日立エコキュートEr23・C23とは|湯はりが途中で止まるときにまとめています。
表示された番号ごとの意味は日立エコキュートのエラーコード一覧|表示の意味と対処の判断基準から確認できます。
よくある質問
Q1. 循環洗浄はどのくらいの頻度で行えばよいですか?
半年に1回程度が目安とされています。
ただし、入浴剤を頻繁に使う家庭や、追いだきの回数が多い家庭では汚れが早く進みます。
ふろ循環アダプターから汚れが出てくるようになったら、そのつど洗浄剤を使った循環洗浄を行ってください。
汚れが見えてから対応するのではなく、定期的に行うほうが配管への負担は小さくなります。
Q2. 自動洗浄が設定されていれば、循環洗浄は不要ですか?
自動洗浄は排水時に配管内を水道水で流す機能で、汚れの付着を防ぐためのものです。
すでに付着した湯アカを落とす力はないため、洗浄剤を使った循環洗浄は別に必要です。
公式でも、自動洗浄を設定したうえで半年に1回程度の循環洗浄を行うよう案内されています。
両方を組み合わせることで、配管をきれいに保てます。
Q3. 逃し弁の点検で、レバーを上げてもお湯が出ません。故障ですか?
タンクの状態や水圧によって出方は変わりますが、まったく出ない場合は弁の動作不良が疑われます。
逆に、レバーを戻したあともお湯が出続ける場合も異常です。
どちらの場合も、貯湯ユニットの内部を自分で確認することはできません。
販売店または工事店へ連絡し、点検を依頼してください。
Q4. 入浴剤入りの残り湯を洗濯に使っても問題ありませんか?
機器側の観点では、残り湯を洗濯に使うこと自体に問題はありません。
ただし、入浴剤によっては衣類に色が残る場合があるため、入浴剤の注意書きを確認してください。
機器にとって重要なのは、硫黄・酸・アルカリを含む入浴剤を使わないことです。
なお、冬季は凍結防止のため残り湯を浴そうに残しておく必要がある点にも注意してください。
Q5. お手入れをしていれば、修理は必要なくなりますか?
お手入れで防げるのは、汚れや詰まりによる動作不良や、設定のずれによる無駄です。
一方、弁やセンサー、ポンプといった部品の経年劣化は、手入れをしていても避けられません。
これらは消耗部品として扱われており、使用年数に応じて交換が必要になります。
3〜4年に1度の専門技術者による定期点検(有料)も推奨されているため、年数が経った機器では検討してください。
まとめ
日立エコキュートのお手入れは、頻度ごとに分けて考えると続けやすくなります。
- 日常はふろ循環アダプターの掃除
- 月に1度は時刻の確認と漏電遮断器の点検
- 年に2〜3度は逃し弁、タンク内、配管の点検
- 半年に1回は洗浄剤を使った循環洗浄
- 入浴剤も洗浄剤も、硫黄・酸・アルカリを含むものは使わない
自動洗浄中や排水直後は高温のお湯が出ることがあります。
浴そうに入る前、掃除を始める前に、アダプターからの吐出が止まっているかを確かめてください。

