ノーリツの給湯器を使っていて、リモコンに突然「790」が点滅し、お湯が出なくなって戸惑っていませんか?
数字が点滅すると「壊れたのかも」「今すぐ直せるのか」と不安になりますが、まずは落ち着いて内容を確認することが大切です。
結論から言うと、エラー790は基板や燃焼部といった機器内部の不具合を示すサインで、基本的には点検・修理が前提のエラーです。
リモコン操作で一時的に消えても、根本原因が解決していないケースが多く、888や88のような「点検時期のお知らせ」とは性質が異なります。
この記事では、790が示す意味を機種タイプ別に整理し、表示されたときにまず確認すべきこと、リセットを試す手順、使用を止める判断基準、そして修理と交換の見極め方まで、ノーリツ公式情報をもとにわかりやすく解説します。
エラー790の意味は「機種タイプ」で異なる

790でまず押さえておきたいのは、同じ「790」でもガス給湯機と石油給湯機(灯油ボイラー)で示す不具合の場所が違うという点です。
ノーリツ公式のよくあるご質問では、機種の系統ごとに次のように説明されています。
| 機種タイプ | 790が示す主な不具合 |
|---|---|
| ガス給湯機(GTS-164 など) | ガスを開け閉めする部品の回路や基板の不具合 |
| 石油機器(OTQ-G 石油〈ガス化〉熱源 など) | 燃焼しているバーナー部の不具合 |
ガス給湯機の場合
ガス給湯機では、ガスの供給を制御する電磁弁(ガスを開閉する部品)まわりの回路や、機器全体を制御する基板の不具合が考えられます。
基板はいわば給湯器の「頭脳」にあたる部分で、燃焼のタイミングやガス量、安全装置の動作をまとめて管理しています。
ここに異常が出ると、機器は安全のために燃焼を止め、エラーとして790を表示します。
つまり790は、「危険を避けるために機器が自分で運転を停止した」という安全側の動作だと理解しておくとよいでしょう。
石油給湯機(灯油ボイラー)の場合
石油機器(OTQ-G石油〈ガス化〉熱源など)では、実際に灯油を燃やしているバーナー部の不具合が考えられます。
灯油を気化させて燃やす方式では、気化器・点火まわり・燃焼を監視するセンサーなど、燃焼に関わる部品が複数あります。
これらのどこかで想定どおりの燃焼ができていないと判断されると、790が表示されて停止します。
「灯油は残っているのにお湯が出ない」という場合でも、燃料切れではなく燃焼部側の問題である可能性がある、という点を押さえておきましょう。
共通して言えること
ガス機・石油機のどちらであっても、790は基板・電装系や燃焼部といった、ユーザーが手を触れられない内部の不具合を指しています。
そのため、フィルター掃除や設定変更のような日常のセルフメンテナンスで解決するタイプのエラーではありません。
「自分でできることは限られていて、最終的には点検・修理で確定させる」——これが790の基本的な性格です。
790が表示されたら、まず確認すべきこと

修理を呼ぶ前に、安全面で確認しておきたいポイントがあります。
特に、ガスのにおいがする、こげくさい・焦げたようなにおいがする、機器から異音や煙が出ているといった症状がある場合は要注意です。
このような状態のときは、無理に運転を再開せず、次の対応を優先してください。
【安全のためにまず確認】
・ガスのにおいがするときは、換気をしてガス栓(元栓)を閉め、火気を使わない
・こげくさいにおい・煙・普段と違う異音があるときは運転を止める
・給湯器周辺に洗濯物・スプレー缶・灯油缶などを置いていないか確認する
・排気口や給気口が雪・落ち葉・物でふさがれていないか確認する
これらに該当しない場合でも、790は内部の不具合を示すエラーです。
後述するリセットを一度試し、それでも解消しないときは使用を控えて点検を依頼するのが安全な流れです。
リセットは「一度だけ」試す価値がある
790はリセットで根本解決するタイプではありませんが、一時的な誤検知であればリモコン操作や電源の入れ直しで表示が消えることもあります。
まずは一度だけ、次の手順を落ち着いて試してみてください。
ガス給湯機のリセット手順
一般的なノーリツ製ガス給湯機では、次の操作でリセットを試せます。
- お湯の使用(給湯栓)を止める
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 数十秒ほど待ってから運転スイッチを「入」にする
- 再びお湯を出して、790が再表示されないか確認する
電源の入れ直しで復帰しない場合は、給湯器につながっている電源プラグを一度抜き、しばらく待ってから差し直す方法もあります。
ただし、分電盤や配線に不安がある場合は無理をせず、この操作は省略してかまいません。
石油給湯機(灯油ボイラー)のリセット手順
石油給湯機では、次の手順が基本です。
- 給湯栓を閉める
- 運転スイッチを「切」にする
- 再度、運転スイッチを「入」にして給湯栓を開ける
- 表示が出なければ正常、790が再び出るようなら不具合が継続している
リセットしても再表示される場合
リセットの目的は、あくまで「一時的な誤作動かどうかを切り分けること」です。
操作しても790がすぐに戻る、あるいは何度もリセットしないと使えない、という状態は、内部部品が実際に不具合を起こしているサインと考えられます。
リセットを繰り返して使い続けるのは避け、点検・修理を依頼する段階だと判断してください。
自分で対処できる範囲と、業者を呼ぶべきラインの見極め

790は基本的にプロ対応のエラーですが、「どこまで自分で確認し、どこからは触らないか」の線引きを整理しておくと迷いません。
| 状況・症状 | 対応の目安 |
|---|---|
| 初めて790が出た(安全上の異常なし) | リセットを一度試す(自分で可) |
| リセットで消え、その後再発しない | 様子を見つつ使用可。ただし再発に注意 |
| リセットしてもすぐ再表示される | 使用を控え、点検・修理を依頼 |
| 短期間に何度も790が出る | 内部不具合の可能性。修理を依頼 |
| ガス臭・こげ臭・煙・異音がある | すぐ使用を中止し、元栓を閉めて業者へ連絡 |
自分で基板や燃焼部を分解・修理することは、感電・ガス漏れ・不完全燃焼などの重大な事故につながるおそれがあり、絶対に行わないでください。
790に関して自分でできるのは「安全確認」と「一度のリセット」までで、内部の点検・部品交換はメーカーや専門業者の領域です。
修理か交換か——使用年数で判断が変わる

790で修理を依頼する際、多くの方が悩むのが「直すべきか、いっそ交換すべきか」です。
判断の軸になるのが給湯器の使用年数です。
ノーリツは、標準的な使用条件のもとで安全上支障なく使用できる期間の目安を、家庭用で製造からおよそ10年としています。
また、10年相当を使用すると、点検時期を知らせる「88」「888」がリモコンに表示される仕組みになっています。
使用10年未満なら「修理」を軸に検討
使用年数が浅い場合は、部品交換による修理で長く使い続けられる可能性が高くなります。
790の場合、ガス機なら基板・電装系、石油機ならバーナー・燃焼部まわりの部品交換が中心になります。
まずはメーカー点検で不具合箇所と見積もりを確認し、修理で費用対効果が見合うかを判断するとよいでしょう。
使用10年以上なら「交換」を軸に検討
使用年数が10年前後、あるいはそれ以上に達している場合は、修理しても別の部品が次々に劣化していく時期に入っています。
基板や燃焼部は比較的費用のかかる部位でもあるため、「高い修理費をかけて直しても数年でまた別の故障」という展開になりやすい点に注意が必要です。
この年数帯では、修理費と交換費を比較したうえで、交換を前向きに検討する価値があります。
費用の考え方
790の修理費は、不具合の箇所(基板か燃焼部か)、交換する部品、機種によって幅があります。
基板・電装系や燃焼部の部品交換は、部品代に加えて出張費・技術料が加わるため、比較的まとまった金額になりやすい傾向があります。
一方で、給湯器本体の交換費用も機種・号数・設置条件で大きく変わります。
正確な金額は、メーカーまたは専門業者の点検・見積もりで確定させるのが確実です。
その際、「今回の修理費」と「交換した場合の費用・今後の安心感」を並べて比較すると、判断がぶれにくくなります。
修理を依頼する前に準備しておくとスムーズなこと
点検・修理をスムーズに進めるために、連絡前に次の情報を手元にそろえておくと話が早く進みます。
- 機器の型番:給湯器本体の側面や下部に貼られた銘板(型式ラベル)に「GT-」「GTH-」「OTQ-」などで始まる型番が記載されています
- 製造年(使用年数の目安):同じ銘板に製造年月が書かれていることが多く、修理か交換かの判断材料になります
- 症状のメモ:790が出るタイミング(給湯時か追いだき時か)、頻度、リセットで消えるかどうかを控えておく
- 安全上のサインの有無:ガス臭・こげ臭・煙・異音があったかどうか
型番と製造年がわかると、業者側も部品の手配や修理・交換の見通しを立てやすくなります。
「いつ・どんなときに790が出るか」を具体的に伝えられると、原因の切り分けが早まるため、症状のメモは特に役立ちます。
どこに修理を依頼する?依頼先の選び方
790の点検・修理は、主に次の依頼先が考えられます。それぞれの特徴を理解して選びましょう。
| 依頼先 | 特徴 |
|---|---|
| メーカー修理(ノーリツ) | 純正部品での修理に対応。原因の特定や保証対応が確実。訪問日程は混み具合による |
| 購入した販売店・工事店 | 設置履歴を把握していることがあり、話が早い場合がある |
| 給湯器の交換・修理専門業者 | 修理と交換の両方を相談しやすい。費用・対応は業者による差が大きい |
使用年数が浅く純正修理で直したい場合はメーカー修理が確実です。
一方、使用10年前後で交換も視野に入れたい場合は、修理と交換をまとめて比較できる業者に相談すると判断しやすくなります。
どの依頼先でも、点検内容と見積もりの内訳(部品代・技術料・出張費)を書面で確認してから依頼を決めることが、後のトラブル防止につながります。
急いでいるときほど、複数の見積もりを取りにくくなりがちですが、可能であれば内訳を確認したうえで納得して進めましょう。
賃貸住宅で790が出たときの対応
賃貸住宅にお住まいの場合、給湯器は建物の「設備」として貸主(オーナー)の所有物になっているケースが多くあります。
そのため、自己判断でメーカーや業者に修理・交換を依頼すると、費用負担の扱いでトラブルになることがあります。
790が出て解消しない場合は、まず管理会社または貸主に連絡し、対応方法を確認するのが基本です。
ただし、ガス臭・こげ臭・煙など安全に関わる異常があるときは、連絡と並行して、まずガス栓を閉めて使用を中止するなど安全の確保を優先してください。
790を放置するとどうなる?安全上のリスク

「お湯は出るから」とリセットを繰り返して790を放置するのは避けたい対応です。
790は燃焼や制御に関わる不具合を示しているため、放置すると燃焼が不安定になるおそれがあります。
実際、長期使用による経年劣化が重大事故につながった事例も報告されています。
ノーリツの案内によれば、10年以上使用したふろ釜・給湯機器が発火するなどの事故が、2012〜2016年の5年間で435件発生したとされています(独立行政法人 製品評価技術基盤機構NITE調べ)。
📎 出典:法定点検について|株式会社ノーリツ
790が出たまま無理に使い続けることは、こうした不完全燃焼や発火などのリスクを高めかねません。
「まだ使えるから」ではなく「安全に確認してから使う」という姿勢が、結果的に家庭を守ることにつながります。
790と間違えやすいエラー・よくある勘違い
790への対応でつまずきやすいポイントを整理しておきます。
「88」「888」と混同しない
88・888は故障ではなく、10年相当の使用に達したことを知らせる「点検時期のお知らせ」です。
これらは所定のリモコン操作で表示を消せますが、790は点検お知らせではなく内部不具合を示すエラーで、性質がまったく異なります。
「888と同じように消せば大丈夫」と考えるのは誤りです。
88・888の詳しい意味と解除方法は、ノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法の記事もあわせてご覧ください。
「76」「760」とも違う
76・760はリモコンと給湯器本体の通信不具合を示すエラーで、790とは原因の場所が異なります。
番号が近いため取扱説明書で見間違えやすいので、リモコン表示の数字を正確に確認しましょう。
灯油やガスが「残っているか」だけで判断しない
石油機で790が出たとき、灯油が残っていても燃焼部側の不具合であるケースがあります。
「燃料は入れたのに直らない」場合でも、それは故障ではなく790が示す本来の不具合が続いている状態だと考えられます。
他メーカーのエラーコードと混同しない
エラーコードの意味はメーカーごとに異なります。
リンナイやパロマなど他社機の番号をそのまま当てはめないよう注意してください。
他社のエラーコードについては、パロマ給湯器のエラーコード一覧やリンナイ給湯器のエラー11・111とは?も参考になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. エラー790はリセットすれば直りますか?
一時的な誤検知であれば、運転スイッチの入れ直しや電源の再投入で表示が消えることはあります。ただし790は基板・電装系や燃焼部の不具合を示すエラーのため、リセットで根本解決するとは限りません。操作してもすぐに再表示される、頻繁に出るという場合は、部品が実際に不具合を起こしているサインと考えられます。リセットを繰り返して使い続けず、点検・修理を依頼してください。
Q2. 790が出てもお湯が出るなら使い続けて大丈夫ですか?
790は安全に関わる燃焼・制御部の不具合を示すため、使えるからといって放置するのはおすすめできません。放置すると燃焼が不安定になるおそれがあり、経年劣化が進んだ機器では発火などの事故につながった事例も報告されています。ガス臭・こげ臭・煙・異音がある場合は直ちに使用を中止し、元栓を閉めて業者に連絡してください。安全を優先し、早めに点検を受けることが大切です。
Q3. 790と888(88)は何が違うのですか?
888・88は故障ではなく、10年相当の使用に達したことを知らせる「点検時期のお知らせ」で、所定の操作で表示を消せます。一方790は、ガス機では基板・制御回路、石油機では燃焼バーナー部の不具合を示すエラーで、性質がまったく異なります。888のように「消せば解決」ではないため、790が繰り返し出る場合は点検・修理が必要だと理解しておきましょう。
Q4. 修理と交換、どちらを選べばよいですか?
判断の軸は使用年数です。使用10年未満であれば、部品交換による修理で長く使える可能性が高く、まずは点検で見積もりを確認するとよいでしょう。使用10年前後以上の場合は、修理してもほかの部品が次々に劣化する時期に入っているため、修理費と交換費を比較したうえで交換を検討する価値があります。正確な金額は点検・見積もりで確定させてください。
Q5. 自分で790を修理することはできますか?
できません。790が示すのは基板・電装系や燃焼部といった、ユーザーが手を触れられない内部の不具合です。分解や自己修理は感電・ガス漏れ・不完全燃焼などの重大な事故につながるおそれがあり、メーカー保証の対象外にもなり得ます。自分でできるのは安全確認と一度のリセットまでで、内部の点検・部品交換は必ずメーカーまたは専門業者に依頼してください。
まとめ|790は「自己解決より確認優先」のエラー

ノーリツ給湯器のエラー790は、ガス機では基板・制御回路、石油機では燃焼バーナー部の不具合を示すサインです。
888や88のような点検お知らせとは異なり、リモコン操作で消せば解決するタイプではありません。
まず確認したいのは、ガス臭・こげ臭・煙・異音などの危険なサインの有無です。
問題がなければリセットを一度試し、それでも790が再表示される場合は、使用を控えて点検・修理を依頼しましょう。
修理か交換かは、使用年数を軸に、点検で得た見積もりをもとに落ち着いて比較検討することが、安全でムダのない選択につながりますので、ぜひ検討してみましょう。

