リモコンに610や612、あるいは540や570といった数字が点滅している。
温度センサーの300番台や水量の400番台と違い、これらは何を指しているのか掴みにくい番号です。
600番台は空気を送るファン、500番台は水やお湯の通り道を切り替える弁の系統を示しています。
どちらも機器の内部で動く部品なので、使用者側でできることは限られますが、確認しておく価値のある箇所はあります。
この記事では、それぞれの番号が何を示しているのか、費用の目安、依頼前にできる確認までを解説します。
600番台はファン(送風機)の系統
給湯器は、燃焼に必要な空気を取り入れ、燃えたあとの排気を外へ出す必要があります。
この空気の流れを作っているのが送風機、いわゆるファンです。
ノーリツは612について、燃焼に必要な空気を取り入れたり排気を排出したりする送風機系統の部品不具合が考えられるため修理が必要としています。
ファンが正常に回らないと燃焼が成り立たないため、機器は安全のために運転を止めます。
610番台の一覧
| 表示 | 内容 | 影響する場所 |
|---|---|---|
| 610 | 燃焼用ファン異常 | 機器全体 |
| 611 | 給湯燃焼ファン異常 | 給湯側 |
| 612 | ふろ燃焼ファン異常 | ふろ側 |
| 613 | 暖房燃焼ファン異常 | 暖房側 |
| 61 | 燃焼用ファン異常 | 2桁表示の機種 |
| E07 | 燃焼用ファン異常 | 表記違い |
| E0P | ふろ燃焼用ファン系統の異常 | ふろ側 |
一の位が1なら給湯、2ならふろ、3なら暖房という規則は、300番台や900番台と共通です。
番号を見れば、どの系統が止まっているかの見当がつきます。
費用の目安
| 表示 | 考えられる故障部品 | 修理参考料金(税込) |
|---|---|---|
| 612 | ファンモーター、電装基板 | 30,000円〜55,000円程度 |
| 613 | 暖房側のファンモーター、本体基板 | ガス機器29,500円〜88,000円/石油機器22,000円〜55,000円 |
いずれも出張費(上限3,300円)と故障診断料が含まれます。
ただし実際の金額は訪問時の診断で決まり、故障箇所が複数あればこの範囲を超えることもあります。
修理をしない場合や対応できない場合でも、出張料と診断料はかかります。
ファンモーターは可動部のある部品なので、センサー類より費用の下限が高くなります。
とくに613のガス機器は上限が88,000円と、他のエラーより高く設定されています。
なお61(2桁表示)については、給湯器本体内部の燃焼関連の部品不具合の可能性があるとして、訪問による症状の確認が案内されています。
500番台は弁の系統
弁は、水やお湯、ガスの通り道を開け閉めしたり切り替えたりする部品です。
給湯器の内部には用途ごとに複数の弁があり、それぞれに番号が振られています。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 510 | ガス電磁弁異常(ガス機のみ) |
| 520 | 制御弁、サブ基板異常 |
| 540 | 二方弁異常 |
| 542 | 三方弁異常 |
| 570 | 三方弁異常 |
| 580 | 浴槽三方弁ユニット異常 |
| 563 | 暖房熱動弁異常(自動試運転時) |
| 910 | 浴槽三方弁ユニット接続異常 |
| 71 | ガス電磁弁駆動回路異常(ガス機のみ) |
| E20 | 3方弁系統異常 |
| E23 | 三方弁リミッタ異常 |
510・71はガスの流れを開閉する弁なので、ガス機にだけ出る表示です。
石油機で弁に関わる表示が出た場合は、三方弁など水側の弁が対象になります。
ファン系の610番台は、燃焼用の空気を送る部品なのでガス機・石油機の両方に該当します。
三方弁は、お湯の流れる先を切り替える部品です。
たとえば給湯側へ流すのか、浴槽側へ流すのかを切り替えています。
この切り替えがうまくいかないと、お湯はりをしているのに浴槽に届かない、追いだきが働かないといった症状になります。
502や512のUVランプに関する表示も、一部の機種で500番台に含まれます。
502はUVランプ切れ、512はUVランプ寿命警告で、いずれもサービスへの連絡が必要です。
燃焼を検知する側の表示
ファンや弁とあわせて覚えておきたいのが、炎を見ている部品の異常です。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 391 | バーナーセンサー異常 |
| 392 | ふろバーナーセンサー異常 |
| 393 | 暖房バーナーセンサー異常 |
| E36 | 燃焼検出装置系統異常 |
| E0E | ふろ燃焼検出装置系統異常 |
これらは、実際に炎がついているかどうかを検知するセンサーの系統です。
検知できないと機器は「燃えていない」と判断して止まるため、点火不良に近い症状になります。
一の位の規則はここでも同じで、391が給湯、392がふろ、393が暖房です。
依頼の前に確認できること
ファン系の表示では、機器の外側を見ておく価値があります。
空気の出入りが妨げられていると、ファンが正常でも所定の風量を確保できないためです。
- 排気口の前に物置、自転車、ゴミ袋などを置いていないか
- 落ち葉やビニール袋、鳥の巣などが吸排気部分に付着していないか
- 積雪期に、雪が排気口の高さまで積もっていないか
- 目隠しフェンスや増築で、以前より風の抜けが悪くなっていないか
給排気口がふさがれた状態で使用すると、不完全燃焼や異常着火につながるおそれがあります。
雪の多い地域では、自宅や隣家の屋根からの落雪でふさがれることもあります。
そのうえで、電源のリセットを一度だけ試します。
- 給湯栓(蛇口)をすべて閉める
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 電源プラグを抜き、10秒ほど待ってから差し直す
- 運転スイッチを「入」にして、表示が消えるか確認する
これで直るのは制御が一時的に固まっている場合に限られます。
本体のカバーを外してファンや弁に触る作業は行わないでください。
可動部と電気部品が集まっている箇所なので、別の不具合を招きます。
修理か交換かの分かれ目
| 使用年数 | 考え方 |
|---|---|
| 〜7年程度 | 修理で対応するのが基本 |
| 8〜10年程度 | 修理費と交換費を並べて比較する |
| 10年超 | 交換を前提に検討する。部品がない可能性もある |
10年を超えた製品では部品供給が終了している場合があります。
ファンモーターや弁は費用の下限が高いため、年数が経った機器では交換との差が縮まりやすいのが特徴です。
613のガス機器のように上限が88,000円という価格帯になると、本体交換と並べて比較する意味が出てきます。
判断の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
弁は水にさらされ続ける部品なので、経年で本体からの水漏れが同時期に出ることもあります。
見分け方は給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由で整理しています。
依頼するときに伝えること
- 給湯器本体の品名・型式名(本体前面のラベルに記載。リモコンの番号ではありません)
- 点滅している番号を正確に(3桁か2桁か、Eが付くか)
- 給湯・お湯はり・追いだき・暖房のどれが使えないか
- 運転音が以前と違う、異音がするといった変化があるか
- 排気口まわりに障害物や積雪がないか
- おおよその使用年数、または製造年
ファン系では「音の変化」が有力な情報になります。
うなるような音、カラカラという音、以前より大きい音といった変化があれば伝えてください。
混同しやすい表示
| 表示 | 意味 | ファン・弁系との違い |
|---|---|---|
| 101・102 | 給排気異常(能力低下運転) | 能力を落として運転が続く |
| 111・121 | 点火不良・立ち消え | ガス供給の確認から始められる |
| 311・321など | サーミスタ異常 | 温度を測る側 |
| 411・651・661 | 水量・水位の系統 | 水の量や位置を扱う側 |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 故障表示ではなく、お湯は使える |
101・102は運転が続きますが、610番台は止まります。
同じ給排気に関わる表示でも、段階が違います。
88・888は日常の使用に支障がない表示です。
意味と解除の考え方はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
よくある質問
Q1. 610番台と500番台は何が違いますか?
扱っている対象が違います。
600番台は燃焼に必要な空気を送るファン(送風機)の系統、500番台は水やお湯、ガスの通り道を開け閉めする弁の系統です。
ファンが止まれば燃焼そのものが成り立たなくなり、弁が働かなければお湯が意図した場所へ流れません。
どちらも機器内部の部品なので、修理が前提になります。
Q2. 排気口の前の荷物をどければ直りますか?
障害物を取り除くことは有効ですが、それだけで解決するとは限りません。
610番台はファンモーターそのものの不具合でも出るためで、外からは状態を確認できません。
まず障害物を取り除き、電源リセットを一度試してください。
それで表示が消えなければ、点検を依頼する段階です。
Q3. 修理費用はどのくらいかかりますか?
612では30,000円〜55,000円程度(税込)、613ではガス機器で29,500円〜88,000円程度、石油機器で22,000円〜55,000円程度が目安として示されています。
いずれも出張費(上限3,300円)と故障診断料を含んだ金額です。
ファンモーターは可動部のある部品なので、センサー類より下限が高くなります。
使用年数が10年を超えているなら、本体交換と並べて比較してください。
Q4. 給湯は使えるのに、おふろだけ沸きません。
点滅している番号の一の位を確認してください。
2で終わる番号(612・392など)はふろ側、3で終わる番号(613・393など)は暖房側を示します。
給湯側は別系統で動いているため、ふろ側だけが止まることがあります。
番号を控えたうえで連絡すると、診断がスムーズに進みます。
Q5. 運転音が大きくなってきました。故障の前ぶれですか?
ファンの不具合では、音の変化が先に出ることがあります。
うなるような音、カラカラという音、以前より明らかに大きい音といった変化は、可動部が弱ってきているサインと考えられます。
エラー表示が出ていなくても、気になる変化があれば点検を検討する価値があります。
実際に610番台が出たときは、その変化がいつごろから始まったかを伝えてください。
まとめ
610番台はファン、500番台は弁の系統を示す表示です。
いずれも機器内部の部品なので、修理を前提に考えることになります。
最後に、要点を整理します。
- 600番台は空気を送るファン、500番台は通り道を切り替える弁
- 一の位で系統が分かる(1=給湯、2=ふろ、3=暖房)
- 391〜393は炎を検知するセンサーの系統
- 依頼の前に、排気口まわりの障害物と積雪を確認する
- 給排気口がふさがれた状態での使用は不完全燃焼につながる
- 電源リセットは一度だけ。カバーを外して内部に触らない
- ファンや弁は費用の下限が高く、年数が経つと交換との差が縮まる
音の変化は、伝えると診断が早く進む情報です。
番号とあわせて控えたうえで、販売店またはメーカーへ連絡してください。

