リモコンに311や321といった300番台の数字が点滅している。
調べると「サーミスタ異常」と出てきますが、その言葉自体が分かりにくく、何が起きているのか掴めない表示です。
サーミスタは温度を測るセンサーで、300番台はそのセンサー系統の異常を示すまとまりです。
番号の並びには規則性があり、読み方を覚えれば自分の機器のどこが該当するのかが分かります。
この記事では、300番台の読み方と一覧、症状の出方、自分でできることの範囲、そして機種によって対応が変わるケースまでを解説します。
サーミスタは温度を測るセンサー
サーミスタは、温度によって電気の流れやすさが変わる性質を利用した温度センサーです。
給湯器の中では、水の温度、お湯の温度、燃焼部の温度など、複数の場所に取り付けられています。
給湯器は「今何度か」を常に測りながら、燃やす量を調整して設定温度のお湯を作っています。
温度が読めなくなると、燃やす量を決められなくなるため、機器は安全のために運転を止めます。
つまり300番台は、機器の中心部が壊れたのではなく、判断材料である温度が取れなくなった状態を示しています。
センサーそのものの断線や接触不良で起こることが多く、部品としては比較的小さなものです。
300番台の読み方
番号には規則性があります。
| 桁 | 意味 |
|---|---|
| 一の位 | どの系統か(1=給湯、2=ふろ、3=暖房) |
| 十の位 | どこを測っているか(1=入水、2=出湯、3=缶体) |
たとえば311は給湯の入水、321は給湯の出湯、312はふろ、323は暖房の高温側という具合です。
すべてがこの規則に当てはまるわけではありませんが、一の位でどの系統が止まっているかは、おおむね読み取れます。
一覧
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 300・310 | F点サーミスタ異常 |
| 311 | 給湯入水サーミスタ異常 |
| 312 | ふろサーミスタ異常 |
| 313 | 暖房低温サーミスタ異常 |
| 321 | 給湯出湯サーミスタ異常 |
| 322 | ふろ出湯サーミスタ異常 |
| 323 | 暖房高温サーミスタ異常 |
| 331 | 給湯缶体サーミスタ異常 |
| 332 | 高温検知サーミスタ異常 |
| 342 | 沸騰防止サーミスタ異常 |
| 350 | オイルサーミスタ異常(石油機のみ) |
| 351 | 貯湯缶体サーミスタ異常 |
| 360 | 給気サーミスタ異常 |
| 390 | 排気サーミスタ異常 |
いずれも故障表示一覧では、サービスへの依頼が処置として案内されています。
350(オイルサーミスタ)は灯油の温度を測る部品なので、石油給湯機にだけ出る表示です。
360(給気)と390(排気)は燃焼にともなう温度を見ているため、ガス機・石油機の両方に該当します。
それ以外の給湯・ふろ・暖房のサーミスタは、燃料にかかわらず共通です。
温度を測る部品そのものはガス機でも石油機でも役割が同じなので、対処の考え方は変わりません。
E系・2桁表示との対応
リモコンの仕様によって、同じ内容が別の表記になります。
| 3桁 | E系 | 2桁 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 311 | E01 | 31 | 給湯入水サーミスタ |
| 321 | E02 | 32 | 給湯出湯サーミスタ |
| 312 | E09 | ― | ふろサーミスタ |
| 323 | E11 | ― | 暖房高温サーミスタ |
| ― | E18 | ― | 缶体温度センサー系統 |
| 351 | ― | 15 | 貯湯缶体サーミスタ |
| 331 | ― | 35 | 缶体貯湯サーミスタ |
| 342 | ― | 36 | 沸騰防止サーミスタ |
表記が違うだけで、対応の考え方は変わりません。
症状の出方
どの系統のサーミスタかによって、生活への影響が変わります。
| 該当する系統 | 症状 |
|---|---|
| 給湯(311・321・331など) | お湯が出ない、または温度が安定しない |
| ふろ(312・322など) | 追いだきや自動お湯はりができない。給湯は使えることがある |
| 暖房(313・323など) | 床暖房やパネルヒーターが動かない。給湯は使えることがある |
「シャワーは使えるのにおふろだけ沸かない」という状況では、312や322の可能性があります。
点滅している番号の一の位を見れば、どこが止まっているかの見当がつきます。
自分でできることは限られる
300番台は、使用者側で解決できるタイプの表示ではありません。
センサーは機器内部にあり、カバーを外して触る作業は行わないでください。
試せるのは電源のリセットだけです。
- 給湯栓(蛇口)をすべて閉める
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 電源プラグを抜き、10秒ほど待ってから差し直す
- 運転スイッチを「入」にして、表示が消えるか確認する
これで直るのは、制御が一時的に固まっている場合に限られます。
センサーの断線や接触不良であれば、何度やっても同じ表示に戻ります。
リセットは一度だけ試し、変わらなければ点検を依頼してください。
312は機種によって対応が変わる
300番台のなかで、312だけは扱いが分かれています。
ノーリツは312について、製品によって案内を2つに分けています。
| 該当製品 | 対応 |
|---|---|
| GQ-**26/27/28AWX-Dシリーズ、GQ-C1634AWX-DX、その他の高温差し湯タイプで、設置中または設置後初めて使用する場合 | 取替SETという部品が必要。販売店・工事店へ連絡 |
| 上記以外の高温差し湯タイプ | 修理が必要。浴槽の循環金具についている温度を測る部品の不具合 |
| ガス・石油の暖房付ふろ給湯機器 | ふろ側のセンサー系統部品の不具合。修理が必要 |
※「**」には16/20/24のいずれかの数字が入ります。
設置直後に312が出た場合、連絡先はメーカーではなく販売店・工事店です。
必要な部品が異なるため、ここを間違えると二度手間になります。
また高温差し湯タイプでは、サーミスタが浴槽の循環金具側に付いています。
本体内部ではなく浴室側の部品ということになるので、症状の出方も変わります。
370は費用の桁が変わる
同じ「サーミスタ」という言葉が付いていても、370は別扱いです。
370はガス化タイプの石油給湯機に関わる表示で、給気口・排気口の塞がりを確認したうえで、塞がりがなければ修理が必要とされています。
考えられる故障部品は、気化サーミスタ、気化ヒータ(気化器)、電装基板、バーナーです。
修理参考料金の目安は48,500円〜110,000円程度(税込)とされています。
出張費(上限3,300円)と故障診断料が含まれた金額です。
気化器そのものに関わるため、他の300番台とは費用の桁が違います。
この金額になると、使用年数によっては本体交換との比較が現実的です。
修理か交換かの分かれ目
判断の軸は使用年数です。
10年を超えた製品では部品供給が終了している場合があります。
| 使用年数 | 考え方 |
|---|---|
| 〜7年程度 | 修理で対応するのが基本 |
| 8〜10年程度 | 修理費と交換費を並べて比較する |
| 10年超 | 交換を前提に検討する。部品がない可能性もある |
サーミスタは部品としては小さく、交換自体は大がかりではありません。
ただし訪問すれば出張費と故障診断料がかかるため、部品代だけでは済みません。
年数が経った機器では、1つのセンサーを替えても別のセンサーが続くことがあります。
1回の修理費だけでなく、その後2〜3年でかかる見込みも含めて比べてください。
判断の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
経年の機器では、本体からの水漏れが同時期に出ることもあります。
見分け方は給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由で整理しています。
依頼するときに伝えること
- 給湯器本体の品名・型式名(本体前面のラベルに記載。リモコンの番号ではありません)
- 点滅している番号を正確に(3桁か2桁か、Eが付くか)
- 給湯・ふろ・暖房のどれが使えないか
- 設置・工事からどのくらい経っているか
- 電源リセットを試したか
- おおよその使用年数、または製造年
312では、型式と「設置直後かどうか」で必要な部品が変わります。
この2点は必ず伝えてください。
300番台と間違えやすい表示
| 表示 | 意味 | 300番台との違い |
|---|---|---|
| 391・392・393 | バーナーセンサー異常 | 炎を検知する側のセンサー |
| 411・412 | 水量センサ異常 | 温度ではなく水量を測る側 |
| 432・433 | 水位センサ・水位電極異常 | 水位を測る側 |
| 161 | 給湯出湯温度異常 | 温度が設定どおりにならない症状 |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 故障表示ではなく、お湯は使える |
300番台は温度、400番台は水量や水位を測る系統と覚えておくと整理しやすくなります。
88・888は日常の使用に支障がない表示です。
意味と解除の考え方はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
よくある質問
Q1. サーミスタとは何ですか?
温度によって電気の流れやすさが変わる性質を利用した、温度センサーの一種です。
給湯器の中では、水の温度、お湯の温度、燃焼部の温度などを測るために複数使われています。
給湯器はこれらの温度を見ながら燃やす量を調整しているため、温度が読めなくなると設定どおりのお湯を作れません。
そのため機器は安全のために運転を止め、300番台のエラーを表示します。
Q2. 自分で直せますか?
直せません。
サーミスタは機器内部や浴槽の循環金具に取り付けられており、交換には専門の作業が必要です。
カバーを外して内部を触ると、別の不具合を招くおそれがあります。
試せるのは電源プラグの抜き差しによるリセットだけで、それで変わらなければ点検を依頼してください。
Q3. 給湯は使えるのに、おふろだけ沸きません。
点滅している番号の一の位を確認してください。
2で終わる番号(312・322など)はふろ側のサーミスタを示しており、給湯側は使えることがあります。
一方、3で終わる番号(313・323など)は暖房側です。
番号を控えたうえで連絡すると、診断がスムーズに進みます。
Q4. 給湯器を設置したばかりで312が出ました。
設置中または設置後初めて使用する場合は、対応が変わります。
GQ-**26/27/28AWX-DシリーズやGQ-C1634AWX-DXなどの高温差し湯タイプでは、取替SETという部品が必要になるとされています。
この場合の連絡先はメーカーではなく、販売店・工事店です。
必要な部品が異なるため、先に工事を行った業者へ連絡してください。
Q5. 修理費用はどのくらいですか?
部品としては小さいものですが、訪問すれば出張費(上限3,300円)と故障診断料がかかります。
そのため部品代だけでは済まず、数万円の範囲になるのが一般的です。
ただし370のように気化器に関わる表示では、48,500円〜110,000円程度と桁が変わります。
使用年数が10年を超えているなら、修理費と交換費を並べて比較してください。
まとめ
300番台は、温度を測るサーミスタの系統に異常が起きたことを示す表示です。
機器の中心部が壊れたわけではなく、判断材料である温度が取れなくなった状態です。
最後に、要点を整理します。
- 一の位で系統が分かる(1=給湯、2=ふろ、3=暖房)
- 十の位はおおむね測定箇所を示す(1=入水、2=出湯、3=缶体)
- E系や2桁の表記は、内容が同じで表記が違うだけ
- 自分でできるのは電源リセットを一度試すことだけ
- 312は機種と設置時期によって、連絡先が販売店・工事店に変わる
- 370は気化器に関わるため、費用の桁が変わる
- 300番台は温度、400番台は水量や水位を測る系統
番号を正確に控えて連絡するだけで、診断はかなり早く進みます。
リセットで変わらないときは、無理に触らず点検を依頼してください。

