リモコンに411や651、661といった数字が点滅している。
番号がばらばらに見えますが、これらには共通点があります。
いずれも「水がどれだけ流れているか」「浴槽にどれだけ溜まっているか」を扱う系統の異常です。
温度を測る300番台とは別のまとまりで、そのなかには高温のお湯が出るおそれのあるものも含まれています。
この記事では、水量・水位に関わるエラーの整理、とくに注意が必要な661、自分で確認できる範囲、費用の目安までを解説します。
なお、この記事の内容はガス給湯器・石油給湯機のどちらにも当てはまります。水の量や水位を扱う系統は燃料と別なので、確認の考え方は共通です。
水の量と位置を扱う系統のエラー
給湯器は温度だけでなく、水の流量と水位も常に測っています。
設定温度のお湯を作るには「今どれだけの水が流れているか」が必要ですし、自動お湯はりには「浴槽にどれだけ溜まったか」が必要だからです。
センサーとサーボの違い
似た言葉が並ぶので、先に整理しておきます。
| 部品 | 役割 |
|---|---|
| 水量センサ | 流れている水の量を測る |
| 水量サーボ | 流れる水の量を調整する(弁を動かす) |
| 水位センサ・水位電極 | 浴槽に溜まった水の量を測る |
| 水流スイッチ | 水が流れているかどうかを検知する |
| ポンプ | 水を循環させる |
測る側(センサ)と動かす側(サーボ・ポンプ)で、症状の出方が変わります。
測れないだけなら運転が止まりますが、調整する側が壊れると意図しない温度や湯量になることがあります。
一覧
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 411 | 給湯水量センサ異常 |
| 412 | 注湯水量センサ異常 |
| 432 | 水位センサ異常 |
| 433 | 暖房水位電極異常 |
| 430 | ドレンタンク水位電極異常 |
| 651・65 | 水量サーボ異常 |
| 652 | 流量調整弁異常 |
| 661 | バイパス水量サーボ異常 |
| 252 | ふろ水流スイッチ異常 |
| 642 | ふろポンプ異常 |
| 643 | 暖房ポンプ異常 |
| 17 | 缶体圧力スイッチ作動 |
E系の表記では、E2C(給湯用水量センサー系統)、E2E(給湯水量サーボ系統)、E2F(バイパス水量サーボ系統)、E21(落とし込み用水量サーボ)、E22(水位センサー系統)、E26(タンクフロートスイッチ信号)、E27・E29(落とし込み水量センサー系統)、E0F(タンクフロートスイッチ信号)、E37(缶体圧力スイッチ)などが該当します。
661は高温のお湯が出るおそれがある
このまとまりのなかで、もっとも注意が必要なのが661です。
ノーリツは661について、湯と水を混合させる部品の不具合が考えられ修理が必要としたうえで、リモコンの設定と違う高温の湯が出る場合があるため注意するよう明記しています。
給湯器は、熱くなりすぎたお湯に水を混ぜて設定温度に調整しています。
この混合を担う部品が正常に働かないと、水が混ざらないまま高温のお湯が出ることがあります。
考えられる故障部品は、バイパス水量サーボ(水比例弁、分配弁)と電装基板です。
修理参考料金の目安は、ガス給湯器で17,500円〜55,000円程度、石油給湯機で22,000円〜55,000円程度(いずれも税込)とされています。
661が出ているあいだは、小さなお子さんや高齢の方にお湯を使わせないでください。
蛇口をひねった瞬間に熱いお湯が出ると、とっさに手を引くことができません。
651はお湯はりの水量調整
651は、お湯張りの水量を調整する部品の不具合が考えられる表示です。
考えられる故障部品は、水量サーボと電装基板です。
修理参考料金の目安は、ガス給湯器で17,500円〜55,000円程度、石油給湯機で24,000円〜55,000円程度(いずれも税込)とされています。
いずれも出張費(上限3,300円)と故障診断料が含まれます。
症状としては、お湯はりの湯量が安定しない、設定どおりにならないという形で表れます。
661と違って高温になる注意書きはありませんが、修理が必要という点は同じです。
642・643はポンプ系統
ポンプは水を循環させる部品で、止まると追いだきや暖房が動かなくなります。
| 表示 | 内容 |
|---|---|
| 642 | 給湯器本体に内蔵されているふろポンプ系統の不具合。自動湯張り・追いだきができない |
| 643 | 温水を循環させる暖房ポンプや、循環回路を開け閉めする部品の不具合 |
642の考えられる故障部品は、ガス給湯器でふろポンプと電装基板です。
修理参考料金の目安は30,000円〜55,000円程度(税込)とされています。
ポンプ系は部品が大きいぶん、センサー系より費用の下限が高くなります。
使用年数によっては、交換との比較が現実的になる価格帯です。
自分で確認できるものもある
このまとまりのほとんどは修理が前提ですが、例外があります。
17・E37(缶体圧力スイッチ)
故障表示一覧では、17やE37の処置として次の確認が挙げられています。
- 給湯栓を開いて水が出るかどうか確認する
- 給水管の凍結や、給水元栓が止まっていないか確認する
給水そのものが来ていないだけ、というケースがあります。
冬季であれば凍結、引っ越し直後や工事後であれば元栓の閉め忘れが考えられます。
給水元栓は給湯器本体の底面または左側面にあり、「水」というマークがついた配管です。
411の応急処置
411は給湯水量センサの異常ですが、故障表示一覧には応急的な使い方が添えられています。
お湯張りをする場合は、蛇口から浴槽に水で落とし込んで、追いだきで沸かすという方法です。
修理までのあいだ、入浴だけは確保したいときに使えます。
それ以外は電源リセットを一度だけ
センサーやサーボ、ポンプの異常は、使用者側で解決できるものではありません。
試せるのは電源プラグの抜き差しによるリセットだけです。
- 給湯栓(蛇口)をすべて閉める
- リモコンの運転スイッチを「切」にする
- 電源プラグを抜き、10秒ほど待ってから差し直す
- 運転スイッチを「入」にして、表示が消えるか確認する
これで直るのは制御が一時的に固まっている場合に限られます。
本体のカバーを外して内部を触る作業は行わないでください。
費用の目安
| 表示 | 考えられる故障部品 | 修理参考料金(税込) |
|---|---|---|
| 651 | 水量サーボ、電装基板 | ガス17,500円〜55,000円/石油24,000円〜55,000円 |
| 661 | バイパス水量サーボ、電装基板 | ガス17,500円〜55,000円/石油22,000円〜55,000円 |
| 642 | ふろポンプ、電装基板 | 30,000円〜55,000円程度 |
いずれも出張費(上限3,300円)と故障診断料が含まれます。
ただし実際の金額は訪問時の診断で決まり、故障箇所が複数あればこの範囲を超えることもあります。
修理をしない場合や対応できない場合でも、出張料と診断料はかかります。
修理か交換かの分かれ目
| 使用年数 | 考え方 |
|---|---|
| 〜7年程度 | 修理で対応するのが基本 |
| 8〜10年程度 | 修理費と交換費を並べて比較する |
| 10年超 | 交換を前提に検討する。部品がない可能性もある |
10年を超えた製品では部品供給が終了している場合があります。
判断の考え方は給湯器の寿命は何年?交換時期の目安と見逃されがちなサインで整理しています。
水量・水位系の部品は水にさらされ続けるため、経年で不具合が出やすい箇所です。
同じ時期に本体からの水漏れが出ることもあり、見分け方は給湯器の水漏れがポタポタ…水道代はどうなる?放置が危険な理由で整理しています。
依頼するときに伝えること
- 給湯器本体の品名・型式名(本体前面のラベルに記載。リモコンの番号ではありません)
- 点滅している番号を正確に(3桁か2桁か、Eが付くか)
- 設定より熱いお湯が出た場面があったか
- 給湯・お湯はり・追いだき・暖房のどれが使えないか
- 電源リセットを試したか
- おおよその使用年数、または製造年
661が出ている場合は「設定と違う高温の湯が出るおそれがあると案内されている表示」だと伝えてください。
安全に関わる情報なので、訪問日程の調整でも配慮されやすくなります。
混同しやすい表示
| 表示 | 意味 | 水量・水位系との違い |
|---|---|---|
| 311・321など300番台 | サーミスタ異常 | 温度を測る側 |
| 161 | 給湯出湯温度異常 | 温度が設定どおりにならない症状 |
| 632 | ふろ循環不良 | 水位不足やフィルター詰まりで自分で対処できる |
| 032 | ふろ自動の湯量が貯まらない | 排水栓やフィルターが原因のことが多い |
| 88・888 | 点検時期のお知らせ | 故障表示ではなく、お湯は使える |
632や032は浴室側の確認で解決することがありますが、411や651は機器内部の話です。
番号を取り違えると、掃除をしても解決しない時間を過ごすことになります。
88・888は日常の使用に支障がない表示です。
意味と解除の考え方はノーリツ給湯器のエラー888(88)解除方法で解説しています。
よくある質問
Q1. 661が出ています。お湯を使っても大丈夫ですか?
注意が必要です。
ノーリツは661について、リモコンの設定と違う高温の湯が出る場合があるため注意するよう明記しています。
湯と水を混合させる部品の不具合により、水が混ざらないまま高温のお湯が出ることがあるためです。
とくに小さなお子さんや高齢の方には使わせず、早めに点検を依頼してください。
Q2. 651と661は何が違いますか?
どちらも水量を調整する部品に関わる表示ですが、担当している役割が違います。
651はお湯張りの水量を調整する部品、661は湯と水を混合させる部品の不具合です。
661には高温の湯が出るおそれがあるという注意書きが添えられており、扱いが異なります。
修理参考料金の目安はどちらもガス給湯器で17,500円〜55,000円程度です。
Q3. 411が出て、お湯はりができません。入浴する方法はありますか?
蛇口から浴槽に水を落とし込み、追いだきで沸かすという方法が応急処置として案内されています。
自動お湯はりは使えなくても、追いだきが動けば入浴は可能です。
このとき自動保温は働かないため、湯温は自分で確認してください。
あくまで修理までのあいだの対応なので、点検の依頼は早めに行ってください。
Q4. 17やE37が出ましたが、修理が必要ですか?
まず給水側を確認してください。
故障表示一覧では、給湯栓を開いて水が出るかどうか、給水管の凍結や給水元栓が止まっていないかを確認するよう案内されています。
冬季であれば凍結、引っ越し直後や工事後であれば元栓の閉め忘れが考えられます。
これらに該当せず表示が消えない場合は、点検を依頼してください。
Q5. 電源を入れ直せば直りますか?
一時的に制御が固まっているだけであれば、それで復帰することがあります。
ただしセンサーやサーボ、ポンプの部品不具合であれば、何度リセットしても同じ表示に戻ります。
リセットは一度だけ試し、変わらなければ点検を依頼するのが効率的です。
本体のカバーを外して内部を触る作業は、別の不具合を招くおそれがあるため行わないでください。
まとめ
411・651・661などは、水の量や位置を扱う系統の異常を示す表示です。
温度を測る300番台とは別のまとまりで、対処の考え方も変わります。
最後に、要点を整理します。
- 測る側(センサ)と動かす側(サーボ・ポンプ)で症状の出方が違う
- 661は設定と違う高温の湯が出るおそれがあり、もっとも注意が必要
- 651はお湯はりの水量調整、642・643はポンプ系統
- ポンプ系は部品が大きく、費用の下限が高い
- 17・E37は給水側の凍結や元栓の閉め忘れを確認できる
- 411は蛇口からためて追いだきで沸かす応急処置がある
- それ以外は電源リセットを一度試し、変わらなければ点検を依頼する
番号を正確に控えることが、いちばんの近道です。
とくに661が出ているときは、高温の湯に注意しながら早めに連絡してください。

